みそいれにしやす

面白いと思った漫画のあらすじ、感想、考察などを書いてます。ネタバレが嫌な人は注意して下さい。

ザ・ファブル

【ザ・ファブル】188話「狼狽える男・・・・。」”ふつう”の生活への頸動脈を止める男・・・・。

投稿日:

あたりは暗くなり、ミサキは帰宅の途へ。佐藤は配達中。
ユーカリはスズムシを連れて、佐藤をおびき出すための餌としてミサキを攫おうと公園の前で車を止めて待機中。
マツは「自分は引退できずに山岡に消される」と思い、洋子に銃を渡して襲撃を頼み込んだ。が、マツは解放され自由の身に。マツはこのままでは洋子が一人で山岡のアジトを襲撃してしまうと悩み・・・・

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あらすじ

真黒住宅前

佐藤兄妹が住んでいる真黒住宅前に、タクシーから降りるマツ。

マツは洋子の家のドアをノックして呼び出すが反応なし。

隣の家を見るマツ「直接 兄に頼むしかないか・・・・」

マツは佐藤の家のインターホンを押すが、反応なし。

マツ「くそっ! 二人ともおらん――― マズイぞ―――・・・・ ヨウコを止めないと・・・・ どうやって・・・・」

ひらめいたマツ「!! 会社―――・・・・ オクトパス―――・・・・」

オクトパスに向かって走り出すマツ。

公園前

公園の脇に車を止め、ユーカリとスズムシは車内でミサキを待っている。

スズムシと雑談していたユーカリだったが、車外の何かに気づく「来たぞ! ミサキだ―――」

スズムシはミサキの姿を確認出来ずにいる。

ユーカリ「携帯ばっかイジってるから見えねぇんだよ。こっち向けオイ!」

スズムシの左まぶたの上をカットするユーカリ「ちょっとカットしただけだ――― 顔の腫れが引き立っていいねぇ~」

スズムシの瞼の上はカットされ血が流れ出す。

ミサキが公園の脇の道を歩いてくる。

前方にはうずくまっているスズムシが。

ミサキ「え゛っ?」

瞼の上から流血しているスズムシ「すいません・・・ ちょっと警察に電話してもらっていいですか? 変なのにカラまれて・・・ 携帯も・・・サイフも・・・取られてしまって・・・・」
ミサキ
スズムシの顔を覗き込むミサキ「血が出てますよォ――― 救急車のほう 先に呼ん―――・・・」

ミサキの背後からユーカリが掴みかかり、左手でミサキの顔を上に挙げさせ、右手はミサキの空いた首にまわし頸動脈を指で抑える。

オクトパス前

走ってきたマツは、息を切らしながらアパートの入り口まで来た「オクトパス・・・確か・・・・3階か4階―――・・・・」

マツはアパートのポストを見るが、オクトパスの名前はない。マツは移転前のオクトパスがあったアパートに来ていたのだった。

マツ「ない・・・ えぇ―――!? まさか・・・ 会社ごと移転したのか?」

壁に背を預け座り込むマツ「アカン・・・ 八方塞がりや・・・・ スマン ヨウコ・・・ さすがに倉庫には戻れん・・・・ 許してくれヨウコ・・・・ スマン・・・ スマン・・・・」
マツ

公園前

気絶したミサキを後部座席に寝転がせたユーカリはスズムシに声を掛ける「行くぞォ―――」

スズムシが車に乗り込もうとすると、ユーカリは何かに気づいた。

車の傍に立っている佐藤「何してる?」
佐藤明
スズムシ「!?」

ユーカリ「ちっ」

車から下りてくるユーカリ「なんだおまえ―――」
ユーカリ 佐藤
そんなユーカリを表情ひとつ変えずに見ている佐藤。

感想

迂路が絶えない男・・・・。

「ヨウコを止めないと―――」と、走り回っているマツは―――夜遅く帰ってこない娘を心配して、走り回って探す父親みたいやなぁ~。でもオクトパスが移転したのは調べてなかったか―――。何階にあったかも覚えていないなぁ―――・・・・。ファブル達みたいな記憶力は持っていないか―――。移転したのを知らなかったのは、山岡が来ていたから佐藤には近づかないでおこうとしてたからか―――?

マツは佐藤の家から息切れするほど急いで走ってきたか―――。

一見、プロとしてスタミナが無さすぎる―――佐藤は西日本のキックボクシングのチャンピオンよりスタミナあったのに―――と思ってしまうが―――・・・・スピンオフの『ざ・ふぁぶる』の第2話「走る男」で(これはコミックDAYSで読める)、佐藤はオクトパス(移転後だけど距離はそんなに変わらないだろう)から急いで帰る様子が描かれる―――。帰宅した佐藤は息を切らしている―――!
ざ・ふぁぶる
あの佐藤でも急いで走ると息を切らしていたから―――マツが息切れするのも仕方ない―――。

マツは「許してくれヨウコ・・・・」と言っていたが―――
マツ
マツはこのまま引退か―――? 前話で洋子を見捨てて引退すると見せ掛けて―――今話では息を切らすほど走り回っているマツが、そうするとは思えない―――。倉庫に行って最期を迎えて「再会できなくて 許してくれ咲良―――」となってしまうのか―――? もしそうなっても誰かを守ろうと命を張った父親のことを知れば許してくれるだろう―――。

山岡から付けられた名前”マツ”―――花言葉は憐れみと同情―――。
山岡 マツ 憐れみと同情
それは山岡がマツの置かれた状況のことを憐れんでふざけた気分で付けたんだろうが―――マツ自身に、他人を同情する気持ちがあると思う―――。だからこそ娘を庇うために山岡に従ってきたし、救いのないスズムシみたいなのを選んで連れてきたし、洋子を見捨てられずに奔走している―――。殺し屋や武器商人をやってきたが、他人を思う気持ちがある―――。迂路、迂回が絶えないが―――なんだかんだでおそらく倉庫にも駆けつけてしまうだろう―――・・・・。引退して”ふつう”の生活へ―――止めてはいけない大事な流れができたが、自ら止めてしまうことになるのか―――? この奔走っぷりを見ると助かってほしいなぁ・・・・。

騒ぎが絶えない女・・・・。

ミサキが佐藤と初めて会った時―――
ミサキ
泣いている佐藤に声をかけていた―――。ミサキの親切心から出会い、そこから繋がって今では同じ職場にもなった―――。ある意味、佐藤にとってミサキは”ふつう”の生活へつながる大事な存在―――”ふつう”の生活とつながる頸動脈と言っても過言ではない―――。

今回もミサキは親切心をみせたが―――
ミサキ
結果は真逆・・・・。
人の優しさを踏みにじり、利用するユーカリとスズムシに―――ミサキの優しさから知り合って仲良くなった佐藤が寓話(ファブル)として悪い子にお仕置きって展開かぁ~? マツは最期に善行しようとしてるのに、スズムシはもう同情の余地は無い―――! 自分の身可愛さに人としての心を捨てた―――ミサキを攫ったところで結局消されるんだから、最期は人として生きよう!としなかった―――蜘蛛の糸を切ってしまった―――! 佐藤にお仕置きしてもらうといい―――! 佐藤からミサキへ―――少し早いホワイトデーのお返しや―――!って思ってたら――――

狼狽えない男・・・・。

ホントに兄さんきたぁ―――!!
佐藤明
「ここはあぶない!!」じゃなくて「コイツはあぶない!!」。舐めてかかると―――舐めなくてもかぁ―――痛い目にあう―――。
でもこうみると佐藤は小柄だな―――。スズムシはユーカリよりちょっと背が高く、アザミと同じぐらい―――。佐藤は背だけでなく体も一回り小さく見える―――。殺し屋として―――目立たないほうがいいだろうし、相手から舐められる身長が最適か―――。これもある意味殺し屋としての才能―――。ボスから”最高傑作”と呼ばれるだけある―――。

佐藤はオクトパスからの帰りか―――? ”ポルシェ”こと折りたたみ自転車に乗っていないし―――。洋子を心配して早く帰ろうとしたら出くわした―――? とにかく―――佐藤が「何してる?」と声をかけたということは、ミサキを(誰かを)車のなかに攫った場面は見ていたんだろう―――。
これは対決必然―――!!
まずはスズムシを軽く倒した佐藤を見て、本気のユーカリと対決か―――? 読者としてはそのほうが面白い~。佐藤はユーカリをニオイで同じ組織の者と気づいているだろう―――。
ユーカリ 佐藤
これは気づいている表情だろう―――! いつもこんな表情な気もするが・・・・ほんの気持ち、眉間に力が入っているように見える―――。とにかく狼狽えてはいない―――。でもユーカリはまだ気づいていない様子―――。気を抜いたユーカリ相手に勝つのではなく、本気のユーカリと戦うほうが面白い―――。まぁユーカリが気を抜いていたとしたら「この世界では気を抜くほうが悪い」となるだろうけど―――。組織の心得「誰だろうと油断するな―――赤子だろうがまず疑え―――」を実践できていればユーカリも手を抜かないはずだが―――・・・・。

佐藤とユーカリの対決は6秒以内に決着するのか―――!? ミサキにいち早く気づいたユーカリに、佐藤は気づかれずに接近していた―――。佐藤の圧勝が見えているような気もするが―――・・・・。

佐藤はユーカリを倒した後、倉庫に駆けつけるのか―――? でも佐藤に「今、倉庫に行く」という理由がないなぁ―――。オクトパスは移転したといっても近場に移転したからマツもこの近辺にいるからはず―――会えれば倉庫に洋子が向かっていることを知ることが出来るが・・・・。ユーカリからミサキを攫った理由を聞いて、罠だと知りつつも太平興信所に向かったように「そんなに来てほしいなら自分から行く」とミサキを庇うため、洋子の不安を取り除くため、話をつけるために倉庫に向かう―――? また”ふつう”の生活への流れを止められた佐藤―――”ふつう”の生活を送れるようになるのはいつになることやら・・・・。

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-ザ・ファブル
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  1. 匿名 より:

    最高のタイミングで兄さんきたぁ〜

    ワクワクですわ〜

  2. 札束 より:

    ここで兄さん登場には意表を突かれました。ビデオチェックしてお隣がマシンガン持って出入り準備してたのに、兄さん朝から晩までバイトしてたのかよ?マイペース過ぎてちょっとイラつくほどだぞ〜〜。

    ユーカリは銃持ってるんすよねー。

    前に銃を持っている鈴木の前で、余裕で自転車にまたいで会話し、自分の要求を静かに言って、恐ろしく余裕で優雅で普通でしたが、今回、その実戦編がみれそうです。銃を持つユーカリに素手で圧勝するのでしょうか?
    ユーカリを倒してスズムシに「倉庫まで案内せえ」と命じて車で乗り込むのかな?
    はたまた、更に意表を突いて、最高傑作の気配を消して、わざとやられて鼻血だして泣いたりして。。。

    ヤンマガ71ページのプチ予告では、「えらいこっちゃえらいこっちゃえらいこっちゃ〜〜〜」となっています。
    この先は大盛り上がりの大興奮であろうことは間違いないところでしょう。

  3. あかんたれ より:

    うーむ、かえって
    先の展開が読めない。
    というか色々思いめぐらせてしまう。
    ミサキちゃんを解放しろ、
    ならば見なかった事にする…
    って通告する佐藤に殴りかかる
    スズムシを蚊を叩くくらいの
    感覚で撃退してユーカリが
    正体を見抜くのか?
    それとも問答無用で殴りかかる
    ユーカリを瞬殺してる隙に
    逃げ出すスズムシを確保して
    アジトの事を聞き出すのか?
    どんどん展開してきて
    ワクワクしてます(笑)

    山岡が行動を急いてる理由って
    洋子の部屋の監視カメラが
    ボスに繋がってると思い込んでる
    のではないかと思ってます。
    で、後々に共闘するかどうかは
    別にしてアザミは佐藤と対決
    しないのでは?
    それこそわざわざ余計な殺生を
    やらなさそうだしボス直系に
    手を出すイコール組織&ボスへの
    造反になるので山岡の命令でも
    やらなさそう。

  4. りん より:

    アキラはタコ社長から上着を脱げと言われても頑なに脱がなかったね。
    おそらくあの上着の中に銃を隠しているはず。小島編や鈴木たちに対して使用したおもちゃ?の銃ね。

  5. 某通りすがり より:

    アキラは何かに勘付き、またヘタレを演じてわざとやられ、ミサキと一緒に倉庫に連れて行かれる。そこにヨウコが襲撃目的地で接近する。ヨウコは縛られてるアキラを見て「なぜ兄がここに!?」となり、一気にクライマックスを迎える。

  6. つだばん より:

    ストーリーとは
    関係ないのですが…感想を
    山岡が悪党には見えないんですよね──
    組織を掻き乱してますが、、
    先週号の山岡の言葉──
    この国で 結婚して子供…俺なら自殺してる───
    この言葉に グッとさせられました。

  7. 匿名 より:

    今回の兄さんの登場
    震えるくらいカッコいいです

  8. 匿名 より:

    誰もが考えつかない「意外な結末」を迎えるんだろうね
    勿論、殺さずで

  9. しゃなな より:

    うわーん
    兄さーんキター!
    もお大丈夫だよね色々と!
    この後、汗だくだくでマツさん登場→
    事情聞いてマツさんにミサキさんをまか兄さんはフルボッコにした二人を乗せた軽で倉庫へ→
    ってことになるかも
    いや~ザ・ファブル最高です
    皆さんもザ・ファブル大好きすぎて、次号が待てず、それぞれ脳内で話を進めてるのが微笑ましい
    追伸
    アザミは実はボスの指示で山崎の動向監視してるって可能性あるかも……
    あ、水野が砂川やっつけて若頭にワビ入れて一件落着……
    あ、それと(もおええちゅーに)

  10. 匿名 より:

    ユーカリがミサキにやった二本指で落とす技は
    UWF時代の船木が悪戯で頻繁にやってたらしい
    悪戯でやられてた後輩達のインタビューを何かの記事で読んだ
    本当に一瞬で落とすらしい

  11. あかんたれ より:

    次回の予告が
    「新入りの男」、
    佐藤に比べればユーカリなんぞ
    新入りって事なのか?
    それともスズムシをユーカリが
    組織に新しく入った、と
    佐藤に発言するのか?
    毎回サブタイトルも意味深ですよね。

  12. 札束 より:

    マツさん、オクトパス移転前のマンションの郵便受けの所で、ずいぶん自然と地面に座り込む。やっぱ21世紀の漫画やね。
    多分ヤンマガ先輩のゴリラーマンでは、おそらく登場人物全員、地面に直接尻をつけることはなかったような気がする。よほどのことがないかぎり、それはしなかった。故にうんこ座り。
    海老原くらいの太った男が、走り疲れて座り込むのはデブキャラだからOKだが。。。

  13. 内藤 より:

    兄はユーカリの存在は知らないよな(ユーカリは兄の存在は知るにせよ顔は知らないが)
    ヨウコ周辺がきな臭くなり、これまで知り得た情報だけで、兄は何らかの勘がやはり働くのかな?
    何れにせよ配達の帰りなのだから、早いとこミサキ助けて社に戻らないとな
    プロなんだから

  14. 札束 より:

    考えてみると、兄さん、スズムシにとっても、蜘蛛の糸どころでなくて、救世主じゃん。格闘王の自分を瞬殺するユーカリが武装しているのをビビリもせずに、瞬殺(おそらくそうなるらしい、と編集らしい関係者のtwitterのプチ予告から伝わってくる)するのを目撃することになるのではないか。ここで本当の改心の切っ掛けになり弟子入り志願者二人目誕生になったりして。

    洋子より「100倍強い」と静かに豪語していた兄さんだが、その前には小島事件のとき、意味深に「おまえは俺のことをまだ分かっていない」と言っていた。おそらく読者の100%も100倍は言い過ぎだろうと疑わなかったと思うが、もしかしたら、本当に100倍を証明するかもしれない。もしもそれができたなら、奇跡の伝説が生まれることになるだろう。
    「100倍」はこの漫画の伝説の言葉として、永く鳴り響くことになるだろう。

    • あかんたれ より:

      スズムシが兄弟子のクロちゃんと
      揉めて総合(?)VS拳闘の
      極めて低レベル(?)な
      戦いになったりして(笑)

  15. take より:

    最近このマンガを知り今一番はまってる。
    今回の山岡編はアキラの登場シーンが少ないように思うが、そのため今回の登場と山岡派との初接触は読者の興奮を余計掻き立ててくれた。
    そしてそれは長い山岡編がもう後半か終わりに差しかかっている意味にも見える。
    山岡派らの好き勝手ももうここまでかと思えるほど、ユーカリには話し合いとかじゃなく、読者がスカッとするような天才の腕っ節を取りあえず見せて欲しいです。

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