年末の太平市。
砂川が画策していたクーデターを実行しようとしていた。
佐藤に「俺のほうが100倍強い」と言われて納得できない洋子は佐藤に手合わせを申し込む。
佐藤の圧勝で終わったが、それを見ていたクロが・・・・
あらすじ
クロ「あの――― 兄さん・・・・ 俺も―――ちょっと参加していいスかぁ?」
佐藤「やめとけ―――クロちゃん。本当に大ケガさせてしまう―――」
洋子「目の前でこうなるの見てたでしょう。よく言えるわね~」
それでも引き下がらないクロ。
佐藤は仕方なしに了承する。「よし。じゃあ一回だけ―――」
クロ「ありがとうございますッ!!」
洋子とやった同じ要領(目を合わさずに歩いて、間合いに入ったら攻撃)で手合わせが始まる。
クロ(この人だって人間だ――― 打撃のフリしてとにかく掴みに行く――― 組んでしまえばとにかく投げよう――― 身長も体重も一緒ぐらいやし――― 兄さんの体重なら俺のパワーで持ち上がるし―――・・・・)
クロは予定通り右で殴りにいくフリをする(打撃と思わせて―――)
向かってきたクロに佐藤が右フックを一発浴びせる。
クロは立ったまま気絶してしまい、佐藤に抱えられる。
気絶したクロを横たわらせた佐藤。クロを下に運ぶのを手伝ってほしいのか、洋子に話しかけようとするが、洋子はいない。
洋子は佐藤の後ろに回り込んでおり、廻し蹴りを浴びせようとするが・・・・
佐藤は反応し、洋子も気を失ってしまう。
部屋で目覚めた洋子「あれ・・・いつの間に・・・・」
横にはクロも寝ていた「俺も―――同じっス・・・・ 気がついたらここで・・・・」
クロ「どうやって負けたのか・・・すら覚えてないっス・・・・ アチコチ痛くてしばらく動けないス」
洋子「アタシも同じよ・・・・」
自分の部屋でカシラ(飼っているインコ)に話しかける佐藤「それにしても・・・ちょっとナマったな・・・・」
感想
兄vs.妹、それを見ても・・・・。
「手合わせしたい」としつこく言ってくるクロに、佐藤「じゃあ洋子―――」って鬼か―――! 容赦なく股間蹴っといて、まだ痛がっているのに「手合わせやれ」って気遣いの加減も出来ないのか・・・・。この調子なのに「俺は100倍強い」と言われれば腹立つのも分かる――――!
クロ「中学までは太平三中の番張ってましたし―――」
中学校で番長やってたとかプロの殺し屋に言うセリフか・・・・。二人は無言だぞ・・・・。まだ学生気分が抜けていないのか~? そんな調子でヤクザをやっているのか~? もうすぐ30になるっていうのに・・・・。プロの殺し屋どころかヤクザとしても・・・・でも洋子曰く「クロは真黒組の若手ではそこそこの地位がある」らしいが・・・・。真黒組は人数少ないとはいえ、こんなのがいいとこの地位までいけるなんて大丈夫だろうか~?
手合わせを了承した佐藤、クロに「手加減できないから半年くらいまでの予定は―――?」
正月どころか半年先の予定まで聞くのは怖い―――。怖すぎる―――。そこで引かなかったクロも根性はあると言えるが・・・・そもそも殺し屋にやるヤツは根性あるだろうし、根性だけで通用する優しい世界ではなく・・・・
兄さんvs.クロ、その前に・・・・。
手合わせの手順を確認するクロ「歩いて近づき、目線は合わせず、間合いに入ったら仕掛ける」。それを聞いた洋子「いろいろあるのよやり方は・・・・」ってことは、ファブルではこの方法で訓練をしていたのか―――。ターゲットを狙う時にも役に立つし、狙われた時にも役に立つ―――。常在戦場の場に身を置く殺し屋にピッタリの訓練―――。厳しい訓練だろうけど、殺し屋の事を考えられていて優しく考慮されている―――。
兄さんvs.クロ、そもさん・・・・。
打撃のフリをして掴んで投げようと作戦をたてたクロ―――。持ち上げられると言っても、掴まれて持ち上げられる間は佐藤は何もしないと思っているのか~? 甘い・・・・。
殴りに行こうとするクロ―――その前の洋子との手合わせを見て、自分のスピードでいけると思ったのか~?
腕を振りかぶっている時点で遅い・・・・。甘い・・・・。洋子の腕をぶらつかせた状態からノーモーションでした攻撃でも、佐藤はかわしていたのに・・・・。殴ると思わせる作戦とはいえ、こんな殴るモーションいれたらヤラれるに決まってるやろ―――! このコマの後ろの洋子が顔を抑えてるのは・・・・呆れてるのか~? 事前の洋子との手合わせを見て学習して知恵と工夫が出来ていないなぁ・・・・。
案の定カウンターを入れられるクロ・・・・。触れることさえ出来なかった・・・・。
兄さんvs.洋子、せっぱつまる・・・・。
殺し屋に常在戦場は当たり前!とばかりにクロを寝かそうとしている佐藤の隙を突き、後ろに回り込んで襲いかかる洋子―――。佐藤ももちろんその気持は忘れていなくて返り討ちに・・・・。でも洋子は、佐藤が気付かない内に背後に回れる程の実力はあるのか―――。ただ、気付かれずに射程圏内までは近づけなかったが・・・・。
後ろの洋子の右廻し蹴りに対して佐藤は―――
右腕で蹴りを捌いて攻撃~? 洋子は気を失う・・・・。
でも「指につけた口紅を相手の首につけたら終了」ってルールはどこいった―――?
洋子andクロ、お疲れさん・・・・。
目を覚ました洋子―――。
鼻が赤くなってる―――! 鼻殴ってるやないか―――!! しかも気絶するぐらいの威力で―――!!! ホントに容赦ないな! 洋子はクリスマス会ではサンタやってたのに真っ赤なお鼻のトナカイさんに~♪
今までも「クロがプロになるのは無理」だと佐藤と洋子は思っていただろうけど、「クロが中学で番長してた」と話しだした時は・・・・この二人の反応は厳しい顔をしている・・・・。
二人の手合わせを見ても「自分もやりたい」と言い出し・・・・「番長していた」と言い出し・・・・洋子のノーモーションの攻撃を見てたのに学習せずに振りかぶって殴りに行く・・・・。とは言え、半年先にも残る怪我をする可能性をチラつかせても、引かなかったからクロの願いを受ける事にしたんだろう―――。でもクロは根性だけで、知恵と工夫をしなかった―――。
そういえば、クロは中学で番長していたと言っているが―――佐藤は物心付いた頃から、洋子も10歳からボスに拾われて特訓させられている―――。下地が違いすぎるなぁ~。
クロのことを思って相手した佐藤―――。格の違いを見せつけ一瞬で片を付ける―――。アチコチ痛いと言っていたからカウンターのパンチだけでなく数発いれたっぽいけど・・・・。右打った後に左も入れた~? 佐藤から気を失うパンチをもらって、クロは逆に目が覚めただろうか―――? 洋子が今回言っていた「やってやれば――― ケガすればわかるわよ!」・・・・クロが山篭りに付いていきたいと頼んできたときに洋子が同じようなセリフ「体力と実力の差を見せつけたら諦めるわよォ~」。似たようなことを言っているなぁ~。それに宇津帆編では佐藤のドライビングテクニックを目の当たりにしても憧れの眼差しを向けていたし、クロが殺し屋を目指していることを知った鈴木に「やめとけ―――」とも言われていたんだし・・・・。諦める事はしないのかぁ~? 「裏社会で名を残したい」以外に、何か理由があったりするんだろうか~?クロが殺し屋への道を諦める時は、プロから本当の怖さを教えられて大きなケガを負う時じゃないだろうか―――? 相手は二郎になるのか山岡になるのか、それとも別の誰かなのか・・・・。
裏社会vs.表社会、その間・・・・?
佐藤は、クロを思いやる若頭の親心を理解したんだろうか―――? インコのほうのカシラに喋りかけた言葉「ちょっとナマった」というのは身体だけでなく、心も一般人に近づいてきた―――?
佐藤に認めてもらいたくて手合わせをしたクロ―――。佐藤がクロをプロとして認めることは無いだろう・・・・。でも佐藤が思いやりを持つ対象としては認めてもらえたなぁ―――。