週刊ヤングマガジン2025年35号掲載。
作者は南勝久先生。
あらすじ
クロは小学生時代の後悔を夢で見てしまう―――。佐藤はレンタルおっちゃんの仕事で、母親の存在を改めて考えることになった―――。
感想
ゾンビのように
立ち上がる男・・・・。
クロの小学生時代―――「聞こえてるか?」と言ってるほうがクロか―――? 女子に蹴りいれるとか・・・・。第3部1話に「君がつまずいてしまった事に興味はない。そこから立ち上がる事に関心があるのだ。」と、エイブラハム・リンカーンの言葉を引用していたが―――過去に犯してしまった罪にどう向き合うか?が主軸か―――? 佐藤は鮫権組の組長を殺した事に対する罪―――ギューとサクと和湖に対してどう振る舞うのか―――? 特に佐藤と似たタイプのサクに対して、一般社会に戻った先輩として―――一般社会に導いてやれるのか―――? 洋子は隠している正体を好きな人に全て晒せるのか―――? 裸は晒せたけど~。ミサキは・・・・動画流出がミサキにもバレるんだろうな・・・・それでどう立ち上がるのか―――。クロはミサキに怪しい芸能プロダクションを紹介した事に対して―――だけではなく、小学生時代に女子にしたことの罪―――これがどのぐらいのものなのかわからないが―――これに対してどう償うのか―――。それぞれ描かれるんだろうな―――。
高橋達が説教しているデリ◯ルの違反行為をしてしまったこの2人は躓いてしまったが―――この後、立ち上がれるのか―――?ってどっちかが2回やってるやん―――! 立ち上がるの早すぎやろ―――!
今回の高橋の立ち位置を、以前はクロがやってたな~。クロと高橋の立場が変わった―――。クロの舎弟だったスキンヘッド―――和亀真也の立場は変わらない―――? 第1部では高橋は小島の下につかされて修羅場も経験したし、最後はファブルが戦っている倉庫のすぐ外でルガーを持って待機していた―――。第2部でも鷹一が木志田を追い詰める時に、高橋はそばに置いておく存在となっていた―――。そういうことを経験して度胸もついた高橋のほうが出世していてもおかしくないが―――。だとしてもスキンヘッドのやっていること・言っていることが全く変わらないのは・・・・・。
変わったといえば、高橋との会話で鷹一が組長になっていることが分かった―――。若頭だったから順当か―――。では現在の若頭は誰がやっている―――? 松代と繋がっていた木志田は、真黒組に戻って立ち上がったのかどうか気になる―――。
コレに対して
コレをする女・・・・。
佐藤の指導は擬音祭りか~。おでこトントンしてコーチモードになれないのか―――? 搭載していないのか―――? 山籠りの時はボスから教えてもらったことをクロにけっこうちゃんと指導できていたのにな~。でもおでこトントンでモード切り替えの方法を教えている時は―――こっちも擬音祭りやった~。ヘビの捌き方だとか―――松葉のお茶だとか―――クマの対処方法とか―――恐怖を感じるとコルチゾールが分泌されて、血液の凝固速度が上昇するとか―――知識的なことは教えられるが、体を使った感覚的なことは具体的に教えられないのか―――?
ミサキは格闘技ならなんでもいいと鍛えたがっているが―――佐藤に心配かけないように、守られるだけの存在から脱却しようと考えたのか―――それとも1発多く入れたい奴がいるのか―――? ミサキも井土を知っていてもおかしくない―――。野村がミサキと動画を撮影した時に井土がカメラをセットした可能性がある―――。野村が死んだことで、もしかして火の粉がこっちに飛んできそうなので身を守る術を覚えようとしているのか―――?
息子になった男・・・・。
佐藤にプレゼントを選んでもらっていいんだろうか―――? 生サンマを選ぶぞ~? そこから成長を見れるのかどうか―――。依頼者が佐藤が選んだ意外なプレゼントに驚くというコメディチックなシーンも見てみたい気もするが・・・・。
佐藤は母親のことで嘘を付いた―――・・・・。間があったことで依頼者もそれを察している―――? まぁ深く聞くのは止めておこうとしたか―――。何かしらあったんだろうな―――と想像出来る―――。佐藤はトモユキパパの想像した以上の過去を持っているけど―――。
純丘さんといい、トモユキパパといい、佐藤は良い客に出会ったな―――。真黒組とは違って―――・・・・。
佐藤は仕事として―――息子になって暴れたら―――感謝された―――。ある2人は客として―――ムスコを暴れさせたら―――怒られた―――・・・・。
そして佐藤は自分も誰かの息子だと気付かされて―――・・・・自分の母親が気になる―――? 教えるのが下手なのは、ちゃんと教わったことがないからだろう―――。もし母親が生きていて会うことが出来れば、今回の依頼で対応を教わることができるかも―――。息子としてレンタルされていると思っていたら―――両親をレンタルしている側になっていた―――。「ありがとう」の言葉を貰っている側だったが―――たまには「ありがとう」の言葉を贈る側になってもいいんじゃないか―――?
ぎゅーとさくはやはり明の相手ではない。明の圧勝。明は手を下さないものの、さくは命を落とす。家族の絆というものに触れ、改めて胸を締め付けられる─────。
洋子は腫瘍が脳への転移も進み余命わずか。田高田社長の胸で、混濁する意識の中、洋子として、そして麗として永眠する─────。
最期にはボスの計らいで、アザミとユーカリもやってくる。「童貞奪われた」スズキ、娘と一緒にマツ、ついでにファンキー君もやって来て、ボスと服を替えようとする──────。
人物の内面が描かれた描写が増えたな。たとえば、1話前のワコが月を掴んでいるらしき(?)描写。セリフがない、もしくは少ないので、こういった描写が、それぞれ何を意味するのかは読者の解釈に委ねられることになった。
作風(作者が描きたいもの?)が変わったんだな、と思う。
「今をどう生きるのか」といったヒューマンドラマが第3部の骨格か?
コマ割りは素晴らしいが、如何せん毎回内容が単調と感じてしまう。じっくり丁寧に時間をかけて人物を描くことは、イコール単調、ということではないはずなんだが……。
いや、これから一瞬で爆発して、カタルシスを得られるはずだ……。