【ザ・ファブル】228話「バリカンの男・・・・。」命を狩る筋道・・・・。

佐藤はボスに「山岡を消せ」と命令された。
そしてボスのお膳立てで、倉庫に佐藤・山岡・アザミ・ユーカリ・海老原が揃った。
佐藤は戦闘モードに入り、覆面を被り・・・・

あらすじ

倉庫

覆面を被った佐藤を見て、山岡「いいねぇ～。それ―――！　それがおまえの正装だな―――」

山岡はユーカリから袋を受け取る「5分くれよ　アキラ―――」

オクトパス

ミサキは時計を気にしながらデスクに向かっていた。社長は鼻歌交じりに鼻毛を切っていた。

ミサキのスマホに「そっちはもう大丈夫　片付けたら帰る」とメッセージが届き、それを見たミサキはいきなり立ち上がった。

倉庫

佐藤はミサキにメッセージを送り終え、スマホを仕舞う。

山岡はユーカリに、袋に入っていたバリカンで頭を刈ってもらっていた。

山岡「どうだ　アキラ―――　ふつうに生きるってのは楽しいかぁ？　何か変わったのか？」

佐藤「明日―――・・・　来週の事まで考えるようになった―――」

山岡「そうなって何か　得したのか？」

佐藤「友達ができた―――」

山岡「ミサキの事かぁ―――」

佐藤「オクトパスの社長も―――　海老原組長―――　クロちゃん―――　アザミ―――　ユーカリ―――　俺は友達だと思ってる―――」

アザミ「それは光栄だが・・・すまんな～　俺とユーカリには山岡は親みてぇなもんだ―――・・・　身内は守る―――　それが俺達の筋だ―――」

海老原「身内やからってなぁ～　筋の通し方　勘違いしてんちゃうかぁ～!?」

ユーカリ「あんたらヤクザとは―――　考え方が違うのさ。筋の論理も変わってくる―――！」

頭を刈り終わった山岡「俺はそもそも　もっとシンプルだ―――　佐藤はボスの命（めい）で俺を消しに来た―――　アザミとユーカリは俺を逃したいから　佐藤を返り討ちにする―――」

立ち上がる山岡「待たしたな―――　そろそろやろうか―――」

山岡「ユーカリ・・・　わかってると思うが　この空気に油断するな―――」

ユーカリ「あ―――」

海老原「佐藤ォ―――　気をつけれ！　山岡は―――水野の銃も持ってるはずや！」

佐藤「問題ない―――　18秒で済む―――！」

カウンター内にいたアザミがカウンターの上に置いていた銃に手を伸ばす。

佐藤が反応し、ビリヤード台の上のキューをアザミに投げつける。

アザミはカウンターの中に身を隠す。

佐藤は山岡のほうに走っていこうとし、待ち構える山岡からは笑みがこぼれた。

感想

にぶ勘の男・・・・。

社長は仕事中に鼻毛切りか～。こんな呑気にしている社長に、何かあったと気づかせないのがプロ―――。社長はプロのおかげで命は助かったかもしれないけど―――プロが送ったメッセージによって、鼻にケガしてしまった―――・・・・。山岡さんと比べなくても人に親切にして生きてきたのに、山岡はユーカリに刈ってもらって―――社長は自分で―――人に身だしなみを整えてもらえない独り身の寂しさ・・・・。恋愛対象ではないとはいえ、家族同然と思っているとはいえ、女性の前で鼻毛を切っているなんてデリカシーがない・・・・。独り身なのも頷ける―――・・・・。

バリ勘の良い女・・・・？

ミサキが受け取ったメッセージ
「そっちはもう大丈夫
片付けたら帰る」
これを見たミサキは、一拍おいて立ち上がった―――。”片付ける”でこれから佐藤が人を消すと連想したか―――？　ミサキは佐藤が「山岡を消せ」と命令された事は知らない―――。だが、殺し屋だということは知ってしまった―――。
姿を消したアザミが山岡側についた事も察してる―――？　ミサキからしたら山岡は「THE悪者」って感じだったけど、アザミとは佐藤も交えて普通に喋ってたからな～。佐藤がアザミに手をかけるなんてのは見たくないだろう―――。それに山岡が悪者だったとしても命を落とすのは見たくないだろう―――。それになにより佐藤が人を殺して帰ってくるかもしれない―――・・・・。佐藤の身の安全も心配だが―――佐藤が手を汚して帰ってくる事も気がかりだろう―――。

命を刈ってきた男・・・・。

山岡から質問され、佐藤はふつうの生活だと明日だけでなく来週の事まで考えるようになったと明かした―――。
クリスマスに撮り溜めしていたジャッカルを見る予定とか立てたこと無かったんだろうな―――。ジャッカル富岡主演の映画『無敵の刑事』が春に上映されると聞いた時、春までもふつうの生活をしている予定だから映画が観れると嬉しかっただろう―――。
そしてヒナコから約束された半年後に歩いているヒナコを想像すること―――

この手紙を読んだ時、半年後の事を言われて”ふつう”の生活の時間の流れを実感したことだろう―――。 どんな戦い方でもできる男だが、生き方は一つしか知らない―――・・・・。 夏頃―――1年の休暇に入った時が半袖で夏頃らしかったが―――ヒナコが歩けるようになった時、佐藤はどういう人生を歩んでいるんだろうか―――。

佐藤はミサキ達の事はもちろんの事、アザミやユーカリも友達だと思ってる―――。亡くなった貝沼やもう会えないヒナコの事も友達と思っているだろう―――。バー・バッファローで出会った河合の事はどうなんだろう―――？　プレイボーイとしてはプロの域に達している河合には一目置いているかもしれない―――。

かりが出来る男・・・・？

ユーカリさんが刈り上げる―――狩りの前に刈り上げる―――ユーカリさんが刈り上げる―――5分で五分刈りに刈り上げる―――

ページ横に「HEY！　YOU刈りさん♪」とおちょくられてる～。
ユーカリは洋子から友達になれたのにと言われ―――佐藤から友達と言われ―――それでも佐藤を撃てるのだろうか―――？　佐藤兄妹に借りがなかったとしても―――借りが無くなったから恨みっこ無しと言っても―――それは知り合いとしての関係の筋の論理―――。友達なら借りがあろうがなかろうが撃てないはず―――。山岡は”親同然だから”と情で動いたユーカリ―――情で友達を撃てそうにない―――。

アザミがオクトパスに世話になる事になり、社長の佐藤評を聞く―――

ふつうの人から身内と呼ばれるまでの仲になっている―――。アザミも羨ましかったんだろうか―――。アザミもユーカリ同様、佐藤を撃てそうにない―――。

悪漢な男・・・・。

山岡はいつものセリフ「あんたが立ってると俺がエラそうに見えるだろ～」を佐藤に言わなかったな～。ファブルの元幹部で実際偉かったから―――？

山岡が”ふつう”の生活を体験した佐藤に聞いたのは―――
「ふつうに生きるのは”楽しい”か」
「何か”得した”のか」
実に山岡さんらしい率直な質問―――。山岡に恐怖心があれば、これを聞いて”ふつう”の生活に興味を持って引退を考えたんだろうが―――・・・・。恐怖心とは―――鼻毛のようにありすぎてもダメだが、無いと体を守れない大切なもの―――。

ヤマカンの予想・・・・。

佐藤「問題ない―――　18秒で済む―――！」
どんな相手でも6秒以内で片付けろと訓練されている―――。3人で18秒―――。ファブル相手でも、3人同時でも1人6秒か―――。殺し屋の訓練が体にも心にも染み付いている―――。

一番最初にアザミが銃を手にとって―――佐藤が反応―――。アザミには撃たなかった―――。アザミも身をかわしただけで撃たなかった―――。アザミは撃つ気がなかった―――？　佐藤が友達でも殺してくるか試した―――？

そして佐藤は山岡に一直線に向かっていく―――。山岡を落とせば―――この対決は終わる―――。友達を傷つけなくて済む―――友達の心はともかく、体だけは傷つけなくて済む―――。

山岡が海老原の近くにいるのが気になる―――

佐藤の友達の海老原を人質にとるんだろうか―――？　ただ、動きやすいように広いところに出ただけか―――？　殺し屋の決闘が始まっても座っている海老原は組長として肝が座ってる―――。ファブルレベルだと流れ弾は無いので下手に動かないほうが良いと分かっていても出来るもんじゃない―――。

予想としては―――
佐藤には”ふつう”に生活してほしい海老原が―――佐藤が”ふつう”の生活に馴染めなかったら処分されてしまうと知っている海老原が―――先代の仇でもある山岡を撃つ・討つ―――。そして佐藤の手は汚れず、ミサキに後ろめたい事もなく会える―――オバさんのお見舞いに行った浅見くんもオクトパスに帰ってくる―――ってのが綺麗に収まるが―――・・・・。海老原も山岡に「どうせ何も出来ない」とナメられて―――言われっぱなしだとヤクザの組長としての面子が立たん―――！　そして海老原が先代の仇を取る！というのは筋が通る―――。ユーカリは「親の仇になっている洋子なら山岡の命をとっても仕方ない」と言っていたが、親分の仇取りは筋が通る―――。綺麗に通る筋道は見えているが―――海老原は山岡を討てるのか―――？　海老原が殺気を出したり変な動きをすれば山岡は勘付きそうだが―――・・・・。海老原が先の先のもうひとつ先の先手を思いついていれば―――・・・・。