山籠りから戻った佐藤とクロ。
太平市では怪しい人物が動いていた…
あらすじ
昼の公園
子供達が遊ぶ姿を眺めながらで話す、宇津帆と元真黒組の男。
元真黒組の男「子供は無邪気でいいっスね―――」
宇津帆「あ――― ヒヨコのうちはカワイイもんだ」
元真黒組の男「宇津帆さんがヒゲそって――― ふつうのスーツ着てこいってゆうた意味・・・ なんとなくわかってきましたよォ―――」
宇津帆「能ある鷹はなんたらよ――― 爪は徹底して隠す―――!」
宇津帆「今の風潮に乗って『子供達のため』をどんどん推す! この世はハッピー♪ ベッドはいつも除菌されて どこにいても清潔で安全!親はいつも守ってくれる――― そうゆうメリーゴーランドに乗せ続ける――― 現実に気づかせちゃダメだ―――」
元真黒組の男「ヒヨコじゃなく――― ニワトリになってから食らうんスね!」
元真黒組の男「でもそれって今の子供が大人になってからって事でしょ―――」
宇津帆「あ~ 15年20年後のニワトリだ――― 井崎――― 俺は15年前にこのやり方を思いついた―――」
井崎「じゃあ・・・ 昨晩のが~・・・」
宇津帆「22の時だ――― とんでもない過保護のォ――― いわゆるモンスターペアレントの親子に会った―――・・・ まあいろいろ係わりができて・・・ しばらく子供の成長を何年か見てたんだが―――・・・ バカ息子の成長を見て思ったよ――― 知恵と工夫ができない子供が増えたら――― こりゃビジネスになる」
スナック
クロ「やってる―――!?」
スナックのママ「誰ッ!?」
クロのツレのスキンヘッドの男「ホラ! ママもわからんかった!」
クロ「ガタガタ言うなァ――― 髪型変わっただけやろが~」
スキンヘッド「鼻もそれ―――ッ! 誰に殴られたんスかァ~!?」
クロ「だからハチに刺されたってぇ~!! ゆっくり飲ませろや。―――で俺に話ってなんやねん?」
スキンヘッド「井崎さんが戻ってきてんスよ こっちに―――」
クロ「イサキ―――? 誰それ―――・・・!?」
スキンヘッド「アニキの元兄弟分の―― 井崎ツトム―――・・・」
クロ「マジ?」
スキンヘッド「真黒ぬけて――― しばらく見ないと思ったらまたこっちに・・・ いいんスか?」
クロ「いいも悪いも――― こっちでふつうに暮らすのは勝手やろ。 そうか――― 井崎がな~」
太平興信所
マンションの一室、太平興信所の中に4人。
宇津帆「今日からチームに入った新人だ――」
井崎「井崎と言います。よろしくです―――」
タンクトップを着ている男を紹介する宇津帆「鈴木ヒロシ」
車椅子に乗っている女の紹介する宇津帆「佐羽ヒナコ」
鈴木に話しかける井崎「昨晩 ユンボに乗ってた人っスよね~?」
鈴木「宇津帆さん コイツ――― 喋りすぎちゃうか―――? 大丈夫?」
宇津帆「今日が初日だ。大目に見てやれ」
井崎に言い聞かせる宇津帆「いいかァ―――井崎! 相手が勝手に喋るのを聞くのはいいが―――・・・・ いちいち詮索するのはナシだ――― 仕事が仕事だ! 皆いろいろある―――」
宇津帆「だが一緒に仕事をするのはこの4人だ――― 仲良く…とまでは いかなくてもチームワークは大事にしてくれ――― 偉大な仕事ってのは4人がいい――― 多いのは仲間割れしやすく 少ないのは単に人手不足になる。名曲を世に残したバンド達も4人組だ――― まぁ―――俺の好みだが~」
宇津帆「知恵と工夫をこらせないニワトリに――― カンパイ―――」
部屋でくつろぐ佐藤
ビンを開けようとするが栓抜きがない。
佐藤はまな板を使って栓を開ける―――。
感想
宇津帆の計画は結果が出るまで長過ぎる――― と思ってたらもうすでに実行していたとは―――。これだけコツコツとやれるなら他の分野で真っ当に成功してたかもしれんのに―――。コイツはアホなのかカシコなのかわからん―――。性根が腐ってるのかァ―――?
佐藤とオクトパスの社長が飲んでる時にクロ達と遭遇したスナック出てきたが、あの時にスキンヘッドが相談していた『恐喝されていた後輩のヨシオ』はどうなった―――
クロは井崎のことを兄弟分なのに覚えてないか――― すぐ思い出せなかったのは井崎が綺麗に組を抜けたからか? それとも組と揉めたから帰って来ないだろうと思ってたからか―――? 井崎の指は一応あるみたいに見える―――。
鈴木は井崎のことを喋りすぎと言ってたけど、ユンボ操縦してたことぐらい喋ってもええやろ~ こういうことを日常で許していくと、大事なことも思わずポロっと言ってしまうようになるから日頃から気をつけるようにか~? そうなると鈴木もそこそこの年数やってるプロかァ―――?
ヒナコも宇津帆の悪事を知ってる側だったがヒナコもなかなかのやり手か~? 漫画的には『敵側の女・ヒナコ』とは『味方側の女・洋子』がやり合いそうやけどどうなる―――。
宇津帆「能ある鷹は爪を隠す」今の佐藤と同じ―――。
「知恵と工夫ができない」子供を増やそうとしてる宇津帆が「知恵と工夫が大事」と教えられた佐藤に退治されるのかァ―――? それとも山籠りで「知恵と工夫が大事」と教えられたクロが動くのかァ~?
栓抜きがなくて知恵と工夫でそこにある物(まな板)を使って栓を抜く佐藤。普通の人はこんな栓の抜き方難易度高すぎる―――。よっぽど練習せな無理や―――。工夫では超えられない佐藤と常人との壁がある―――。