陰陽トーナメントの記者会見前日、里見賢治と上杉均が密かに会っていた。
あらすじ
閉鎖する進道塾の道場で会う里見と上杉。
里見「胸襟を開いてご相談したい事があります。互いの確率を上げましょう。トーナメントを最後まで残るのと同等以上に難しいのがその先の試合―――田島に勝つ事」
里美「陰陽トーナメントで勝ち残るにはすべての者が持っている技術すべてを出す事になるでしょう。その状態で田島と戦って勝てると言い切れますか? 田島は畑違いのボクシングでウォーレン・ウォーカーに勝つ男ですよ。上杉さん…”煉獄”も攻略されますよ」
舌打ちする上杉。
里美「順序を守っての戦いは困難です。田島は先に手をつけておくべきだ。陸先生がやられた事をやってやればいい」
里美「田島の傍には常にアリという弟子がいます。田島が油断し一人きりになる場を作る必要があります。試合直後なら田島も気を許すはず。医務室にでも理由をつけて田島を呼び出し陸先生の借りを帰して頂きたい」
上杉「田島の弟子は?」
里美「アリは私が排除しておきます。上杉さんと橋口さんに田島と会って頂く。上杉さんが田島の片目を潰した後、橋口さんに止めさせる。田島をそこで倒したらトーナメントそのものがなくなる。田島には回復不能なダメージを負い、片目で戦ってもらう。理は陸先生の目を先に潰された進道塾にあります」
上杉「陸先生の名を出せば、ほいほい俺が言う事を聞くとでも思っているのか? お前は漁夫の利を得るために俺を利用しようとしているだけだ」
里美「そうです。利用しようとしてますよ。だが互いのためです。ならば逆でもいい。アリを排除して頂けるのならカブト戦の後に私と空君で田島の目を潰してもいい。空君は陸先生の息子だ。理はある」
里美「だが上杉さんは山本陸の仇討ちを私に譲らないでしょう。一番弟子の喧嘩王が自分の手で仇を討てるチャンスをみすみす他人に譲るなどあり得ない」
上杉「ここまで計算済みか。わかったダマされてやるぜ。田島の目は俺が潰す。俺の負担が多いんだ。段取りは全部お前がやれ」
上杉「っで 会いに来た本来の目的はなんだ? まさか昔話と乗る可能性の低い田島退治の話だけしに来たわけじゃないだろ」
里美「マカオに行ったら空君に会ってください。空君の口から玉拳の肝である”門”という技を説明させます。私は進道塾の秘技である煉獄を知ってしまった。上杉均と対等な条件で戦いたい」
里美「私にとって勝つとは勝敗とは別に自分自身が勝ったと思える事。私は勝ったと思うには相手を屈服させる事。上杉均は相手と対峙した状態で始める、タイマンを得意とする。上杉均を屈服させたい」
上杉「随分と言うようになったな。余裕か?」
里美「上杉さんのように私にも譲れないものがあるんですよ。勝ち上がってください。跪かせて弟子にしたい」
感想
常に話が時系列通りに掲載にされると思っているからだ
お前○ぬな
第4試合の開始1秒前だったのに… まだ始まらないのかよ! 重戦車対重戦車の激突 筋肉対筋肉のぶつかり合い 力対力の殴り合いの試合はまだかよ!!
これだけ引っ張るのは第4試合は一瞬で終わらずに長引くのか? 一瞬で終わるなら試合を終わらせてからこのエピソードを描けばいいだけだからなぁ。でも今回、里見が提案した策は第5試合後に実行する計画だから今やらなくてもいいし… 頑なに第4試合を始めないのはもしかして第4試合の展開を考えつかないのか?
試合を先延ばしにしてそのうちに展開を思いつければラッキーと思っているんじゃ…
これが――― これが――― これが――― これが――― 煉獄
煉獄の攻略法。そもそも田島は煉獄を知っているのか? 山本陸が「煉獄と名付ける」と言ったときには、上杉、橋口、青木、空、海の5人だった。里美が煉獄を知ったのは道場破りをしたときに空が披露した時。
同じ時期に進道塾を抜けた里見が知らなかったんだから田島も知らないだろう。その時は二人とも有望だったがただの塾生だったし。
田島は十兵衛と文さんの煉獄を見ている(上杉も今後の試合で出すだろう)。里美が空が最初の一撃を入れずに煉獄を続けた時に技の仕組みを見抜いたり、徳夫が十兵衛が金田に使った煉獄を見ただけで大ダメージを受けるものの、抜けれる方法があると思いついたわけだから、田島が攻略法を思いつくというのもあるだろう。山本陸は煉獄は仕組みが簡単だからパクられるのを警戒しろと言っていたが、攻略されるのも警戒していたんだろうなぁ。
この里見の提案はタイミングが良すぎる サクラが混じっているな… 里見にとって都合が良すぎる
↓
上杉「お前は漁夫の利を得るために俺を利用しようとしているだけだ」
↓
里見「一番弟子の喧嘩王が自分の手で仇を討てるチャンスを他人に譲るなどあり得ない」
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上杉「わかった 田島の目は俺が潰す」
これは上手い! 里見は上杉が陸を慕っている事を知っていたが、上杉が山本陸に拾われた経緯を話している時はさらに策に嵌めやすいと知って内心笑いが止まらなかっただろうなぁ。
その里見の提案に乗った上杉。
橋口のために刑事の前歯を折った時、山本陸の目が潰されたら無一に問答無用で襲いかかった時、それと十兵衛が柴原は癌だと言って上杉を負けさせようとした時に柴原は「上杉の弱点は情だ」と言った。今までこういう場面があったから、上杉は里見の卑怯な策には乗らないと思ったんだが… あっさりと乗ったなぁ。
そういえば山本陸が目を潰された時に上杉は無一を襲撃したけど、あの時は早とちりしたのか?それとも誰かに騙された? 上杉が無一を襲撃した後、田島が無一を襲ったわけだから「陸の目を潰したのは無一だ」と上杉に嘘を教えて無一を襲わせた可能性もあるなぁ。そういう過去があったのなら、不意打ちで田島の目を潰すという卑怯なことを上杉が受け入れたのも納得がいく。でもそうなるとまた弟子(今は元だけど)に動かされた事になってしまう…
ピエロだな
しかしダメな子を操ってこそ真の指導者と言えよう
私は君を見捨てない
勉強が遅れがちな地頭の弱いお友達は使い捨てる」
里見君…今言った提案…やり方間違ってないか? 主催者の目を潰すとトーナメントは続かないだろ? 無理矢理目を潰しても進道塾が面子を消費するだけじゃないのかな? ルールブックにはその辺何て書いてたの?
里見の策を実行したら上杉は失格になるんじゃ… 田島は主催者だとはいえ、後に戦うんだからルール上では一応選手だと思うんだが? これを提案した時には『試合外での出場者への暴力は失格』のルールは無かったが、ルールが出来る前でも田島に目潰しなんかして無事にトーナメントを続けられると思っているんだろうか?
それに理があるとはいえ、不意打ちで目潰しをしたら進道塾の評判はガタ落ちになると思うが…
そういえば山本陸の目を潰した時に田島はとどめを刺さずに帰ったのは何故だろう? あのまま戦いを続けると弟子達が駆けつけてきて、田島が拘る「自分が無事でいて初めて勝利」という『完全な勝利』が出来なかったからか?
山本陸が再び登場した時にそのときの事が語られるんだろうか。
目を潰された山本陸が身を隠した。田島がトーナメントを開催したのは山本陸を引きずり出すっていう目的も含まれているのかなぁ。櫻井を衆前で○すのが目的って言ったのも、自分の腹違いの兄ということもあるだろうが、櫻井が山本陸の弟弟子である事も関係あるかもしれない。目的が何であれ、読者からは田島がトーナメントを開くのに多大なる苦労をしていたのを見ているから、里見が目潰しで台無しにしようとしているのは小物で卑怯に見えるなぁ。
濃くはっきりした線を超えて強くなる ひどく曖昧な強さを求めるより 玉拳は具体的な強さを追求する
上杉はタイマンを得意としていて、事前に策を張るのは無しでタイマンで勝ってこそ。それが里見が言っていた『倫理観を揃えた上での勝利』。田島は事前に戦略を練って戦うタイプだから、田島相手には事前に目潰しをしても有り有りってわけか。
金的も目潰しも当然有りですがそういう意味ではございませんよ
有り有りというのは”騙し討ち”有り
それなのに”プライド”は有りという事でございます!!
無しというのは”根性”無しという事でございます!!!」
前回に上杉が「守りたいものがあればその限界を超える事ができる。俺にはそれがある」と聞いた時に里見が「おっしゃる通りです」と答えたのは、里見にも守るものがあってそれはプライドって事か。
梶原がタンのやろうとしている事の動機を理解して「抽象的な答えでいいなら『尊厳』のためだろうな」と言ったが、出場者は皆それぞれ競技や流派のプライドをかけて戦うだろう。でもこうなると上杉の言った最強の条件を全員がえていることになるが。
睦夫はトーナメントに参加した理由が田島の血を吸って解毒するのが目的だから、唯一守るものが無さそうだけど…
睦夫「ヤツらは守るものがあるからな
普通の奴らは守るものを思い出すことでテンションを調整するんだよ」
里見はカブトとの試合はどう戦うんだ? 相手の技を受けた上で相手を超えるのがプロレスラーの戦い方だと思うんだけど、倫理観を揃えた上で勝って屈服させたい里見はカブトの技をわざと受けるのか? カブトの技を全て引き出した上で勝つとかするのか? そんなことはやりそうにないなぁ。
そもそも勝てそうにないから不意打ちで目潰しをするという卑怯な手を考える里見は本当のことを言ってるんだろうか? 上杉に”門”を教えると言っていたが、梶原が雷という嘘の技を教えて試合で有効に使ったように上杉に教える”門”も本来の”門”を入れやすいような嘘情報だったりするんだろうか? プライドがあったから強くなれたと言ったのもフェイクだったりするんだろうか?
ホントとウソを行き来できる者が一番強い」
里見に対してだいぶ辛辣で草