殺し屋組織”ファブル”に在籍している”殺しの天才”の佐藤明が1年休業。
大阪で一般人として生活をしていた。
一方、埼玉の某所で・・・・
あらすじ
埼玉某所、ある接骨院にスーツの男とブルゾンを着た男が尋ねてきた。
スーツの男「整骨院ですか――― これじゃ資金洗浄にもならんでしょ―――」
整骨院にいた男はファブルのボスだった。
ボス「いいんだよ――― 客もこっちから選べるし――― モグるにはちょうどいい―――」
スーツの男は連れてきた男をボスに紹介する「先週、電話で話したのがコイツだ――― ボスの見立てがほしい―――」
奥の部屋で話しをすることに。
スーツの男の名前は山岡で、連れてきた男は5年自衛隊に所属し、この1年で山岡から暗殺の基本を教えられていた。
山岡「そろそろ現場に出したい―――・・・・ タイか中国に派遣する――― あっちならまだこのスタイルで通用する―――! 現に今、中国で活躍してるウチの者はそれなりに成果を上げている―――」
ボス「ウチは名もなき組織だ――― 名もないからこその心得が三つある―――!
第一に『誰だろうと油断するな――― 赤子だろうがまず疑え―――』
第二に『知恵と工夫を習慣づける事―――』
第三に『俺の言う事は絶対だ―――ッ!』
この三つの意味わかるか?」
元自衛隊員の男「はい―――」
男の愛用している銃を聞くボス。
男「自分はCZ系です――― どうぞ―――」
ボスに銃を渡す男。
ボス「よく手入れしてある――― なるほど――― 最近じゃ―――携帯電話型の仕込み銃がよく出回ってる。狙う側の俺達は―――狙われる側でもある――― 気をつけねぇとな―――」
男「はい――― 心得ます―――」
いきなり男の顔面を撃つボス。
ボス「第一に―――誰だろうと油断するなって言ったろ――― 初対面の俺に銃を渡すかね~」
男は死亡。
山岡「なぁ――― ボス――― これで3人目だぜ! 前回もあげ足とって殺ったよな~」
ボス「いいか――― ウチは組織なんだよ――― こういうヤツの失態が屋台を揺らす―――ッ!」
山岡は大阪に預けている佐藤がいろいろ動いている事を切り出すが、ボスは「組織としてちゃんと考えている」と返す。
脳の扁桃体がイカれて恐怖を感じなくなった山岡は、組織のことを思ってボスに言いたいことがあるという。
山岡は組織が仕事を直で受ける相手(ヤクザや政治家など)が80年代には全国に30ヵ所はあったが、現在は6ヵ所ほどに減っていることを心配していた。
ボス「でもその契約金だけで年間に億の金がウチに流れてくる。台所がさびしいワケじゃない――― 金でもないことはわかってる。恐怖を感じられないがゆえの好奇心くらいは湧かせていたいんだろ」
山岡「あ―――」
山岡は今回ボスに会いに来た本当の用件を話し出す。
用件とは真黒組の砂川が殺し屋を雇ってクーデターを企んでいる事を掴んでいて、好奇心で事のなりゆきを見てみたいとのことだった。
ボス「そうか―――佐藤は巻きこむなよ。もちろん俺が佐藤を動かす事もない―――」
その言葉を聞き、口角を上げる山岡。
感想
心得を出す男・・・・。
ボスは表の顔として整骨院を開いているのか―――。身体の構造を知ることで身体を破壊しやすくなるのか―――? 佐藤はヒナコに血管や神経、筋肉の動きをイメージして動かすと言っていたが、これはボスからの教えで、人体の構造を知ることで相手の身体の動きや癖を見て弱点とか攻めやすい所を見抜きやすくなるのか―――?
佐藤が車上荒らしを一撃で倒した時、キックボクサーに絡まれた時の対処、若頭の蛯原に命令されて元プロレスラーを倒した時などは人間の身体の構造を理解している動きをしている―――。洋子も鈴木とテーブルを挟んだ時に「座っていて重心はブレていない?」と聞いた(その時の鈴木は重心がブレていたんだろう)―――。ファブルでは身体の構造を知っておくのは基本なんだろうな―――。山岡が言った”暗殺のいろは”に入っているんだろう―――。
心得を守る男達・・・・。
今までファブルはボスと佐藤と洋子しか出てこなくて、もしかして三人だけの組織なんじゃないだろうか? 手口の凄さから話が大きくなって組織と見られているんじゃないか? 昔、宇津帆を追った時も三人(その時は佐藤は洋子と知り合っていないから二人?)だから逃した?と思っていたけど、ちゃんと組織があるのか―――。
真黒組の組長が佐藤みたいなハデな実行部隊以外にも、事故と見せかけたり、毒を使ったりとか工作するヤツもいるみたいなことを言っていたけど、そういう部隊も本当にあるのか―――? ボスは佐藤と同じタイプっぽいけど、山岡はどうなんだろう―――?
ボス「ファブルとあだ名を付けられているが、本来は名もなき組織―――。」
そして組織の心得
第一「誰だろうと油断するな、赤子だろうがまず疑え」
第二「知恵と工夫を習慣づける事」
第三「ボスの言う事は絶対」
名前を付けないということは、ボスは名前を付けることで名前に引っ張られて組織に何らかの色がつく事もイヤなのか―――?
名前すら”無い”、何も”無い”組織だから
第一の心得、誰も信用しない
第二の心得、スペシャルなものがいつもあると信用しない事
第三の心得、信用するのはボスのみ
ということか―――。佐藤はクロと一緒に山篭りをした時に「仕事に使う道具は銃以外そこらで買える物。スペシャルなものはない。スペシャルなものは自分の身体だけになるといいな」と言っていた―――。何も特別なものは必要としない、自分の身体だけあれば暗殺できる、想定外が起これば知恵と工夫で切り抜けるとなれば、ターゲットにとってそうとうな脅威だろう―――。これがファブルの強さ、怖さなんだろう―――。
警戒心の無い男・・・・。
元自衛隊員がボスに銃を渡すとき、相手にグリップを握らせてる―――。
自衛隊にいたから躾けられてるのか―――? 礼儀正しいな―――。ハサミを人に渡すときも刃の方を向けずに、ちゃんと自分が刃の方を持って相手に渡すんだろうな―――。こんなんで『時には汚い仕事をしなければいけない殺し屋』になれるんだろうか―――?ってその前にボスにヤラれた―――!!
(ちなみに元自衛隊員が愛用していたCZ系とは、チェコスロバキアのチェスカー・ズブロヨフカ国営会社の銃らしいです。チェスカー・ズブロヨフカの頭文字でCZ。)
ボスが言っていたファブルの心得の一つ『赤子だろうがまず相手を疑え』ってことをしなかったからか・・・・。赤子どころか暗殺組織のボスに弾が入った銃を渡すのは間抜けだろう・・・・。カンが悪すぎる・・・・。ここは弾を抜いて渡すのが正解か―――? そもそもボスは「使っているハンドガンを見せてみろ」としか言っていないから、渡さなくても良かったかな~? こういうカンの悪いヤツがいると、そこから組織が綻び始めるということか―――。カンの悪いクロはいくら身体機能を鍛えようとも、ファブルに入ることは無理だな・・・・。
佐藤が大阪について最初に真黒組に出向いた時、佐藤は組長と若頭が銃を持っていてもどう切り抜けるか答えを持っていた―――。そこがこの元自衛隊員の男との違いか―――。山岡は元自衛隊員の男に”暗殺のいろは”は教えたけど、組織の心得を教えなかったか・・・・。そして佐藤は心得を忠実に守っているのか―――。
でも佐藤ほどの凄腕を時代遅れだと言って表社会に馴染ませて一般人として生活させようとしているから、山岡が連れてきた男を雇う気はそもそも無かった―――? ボスは現状維持でタイや中国まで手を広げようとは思っていない―――?
忠誠心はあるが、恐怖心のない男・・・・。
銃を渡したときに山岡がため息みたいなのを鼻から出しているけど、
「ボスの試験がまた始まった」と思ってるのか―――? この時にはもう「自分が連れてきた男がまたボスに殺られる・・・・」という表情か・・・・?
山岡は、ボスが整骨院にいるのが初めてみたいな反応だったけど・・・・表の顔を見るのは初めてか~? 表の顔を見せるのは弱点を見せるみたいなものだから、山岡はボスからの信用は無かった~? でもタメ口でボスと話しているからそれなりの立場だろうなのに教えてもらってないのはおかしいな?と思ってたら、脳の扁桃体がおかしくて恐怖を感じない脳になっていたからか―――。だからボス相手でもタメ口か―――。恐怖を感じないのは殺し屋としていい部分もあるだろうが、無鉄砲になる場合もあるから一長一短だな―――。ボスが傍においているのは、現役だった時の仕事仲間というだけでなくボスを恐れずに意見を言ってくれることもあるんだろう―――。でも表の顔を教えていなかったのは信用をしていなかった?警戒していた? 恐怖を持たない者の無鉄砲な意見が飛んでくるのはありがたいが、恐怖を持たない者の無鉄砲な銃弾が飛んでくるのはありがたくないもんな―――。
口では「ボスに忠誠を誓っている」と言ったけど、本当は組織を乗っ取ろうとしている可能性もある―――? 今のボスのやり方に不満を持っていて、組織を守るために山岡がクーデターを起こす―――? 山岡は、同じように所属している組織に不満を持っている砂川に共感したのか―――?
山岡が「砂川がどっかの殺し屋を雇う」って言っていたが、フードとコードはヤラれたし、鈴木も雇う気が無かったし・・・・砂川に他に当てがあるのか―――? 小島に銃を、鈴木にサイレンサーを売ったりしていた、あの”便利屋”は昔殺し屋をヤっていたとしても現役では無いだろうし・・・・便利屋からのツテがある―――? 山岡が砂川に接近して雇ってもらったとかじゃないよなぁ・・・・? 山岡の「俺達の仕事はボディガードやセキュリティじゃない」と言っていたのが引っかかる―――。クーデター阻止が護衛なら、クーデターをする側はファブルの仕事(組長暗殺)と言える―――。観察じゃなくて、ファブルの仕事をするつもりか―――? 一癖も二癖もありそうな山岡の動きが気になる―――。
山岡が組織にもボスにも忠実で本当に目的が観察だとしても、観察だけで終わるとは思えない―――。好奇心が上回りそう・・・・。
好奇心は猫をも殺す(猫は九つの命を持っていて容易に死なないけれど、そんな猫でも好奇心が原因で命を落とす)というが、ファブルの山岡といえど抑えられない好奇心のせいで命を落とすことになるのか―――? ファブル(寓話)の山岡が、寓話の「好奇心はほどほどに」っていう結末に・・・・?
好奇心のせいで危ない男・・・・。
クロが「佐藤がファブルだということ」を知っていることは大丈夫なんだろうか―――? 真黒組に所属しているから大丈夫か―――? 真黒組でそこそこの地位にいそうな砂川でも知らないことだけど・・・・。佐藤と一緒に山篭りしたぐらいだから、組織はこれぐらいも把握しているか―――? その答えはもうすぐ山岡が出すだろう―――。
おみそさんへ、
こんな新展開を考えてたのか〜〜〜
と、ワクワクします。
山岡が、今回のメイン?!性悪ですネ〜。
ボスに上げ足とって「3人目だぜ〜」と言うなら、
前もって、テスト生に教えてやればイイのに。
忠誠心はあっても人を疑う、
まぁ、こんな組織に入ろうとするならせめてマガジン抜いて薬室の弾くらいは排莢して欲しいですネ〜。でも、それをしたら話が進みませんね〜(笑)
しかし、中国、タイまで組織の人間がいるとは・・・
長〜い、お話になりそうですネ〜〜〜♪
今回から始まった新展開も面白くなりそうですね。
小島編でボスが若頭に直接文句を言いに行ったことから
佐藤はボスにとって特別なんでしょう。
それに佐藤が時代遅れだと感じているのなら
今回のヤツみたいに消すか、中国へでも飛ばせばいいのに
わざわざ生かして一般社会に戻そうとしていることからもわかります。
不合格なら即消される組織の中で
佐藤はなぜボスに気に入られているのか?
佐藤をどうやって拾ったか?
拾われてどう育てられたのか?
そういう事を山岡が喋ったりするかな?
恐怖を感じない山岡が太平市でどう動くのか
楽しみです。