太平市で佐藤兄妹はそれぞれ裏稼業の人物を目撃していた。
そんな中、砂川はクーデターを実行に移し、組長は毒殺された。
砂川は暗殺計画を知っている武器商人を消そうとしたが、ファブルの山岡が止めに入り・・・・
あらすじ
砂川経営のキャバクラ
山岡に「組みたいなら俺を口説け」と言われた砂川。
まずは金で釣ろうとするが、効果なし。
山岡「俺が女だったらこう思いたい―――・・・・ この人とつき合ったら楽しそォ――― 退屈しない――― 死ぬほどハラハラさせてくれるんじゃないかって―――」
砂川「なるほど~」
砂川は計画を喋る「とりあえず真黒組を乗っ取る――― 大西市にある紅白組(くじらぐみ)を潰す―――! それでシノギも倍になる―――!!」
砂川は紅白組を潰して、大手の傘下に入っていた紅白組の代わりに真黒組が傘下に入る計画を明かす。
山岡「で―――その続きはどうなる? その大手を乗っ取るか?」
砂川「中国に進出する――― 中国の真黒組支部や―――ッ!!」
砂川は、中国のバブルが崩壊した時の混乱期に便乗する計画を語り、ファブルも中国で仕事をしていることを推測する「あるんやろ? 中国にパイプが―――」
山岡「俺達は混乱期にこそ、伸びる性質があるからな~。戦後がそうだった―――」
砂川「バブル崩壊も我が身で経験してる。知識もある―――。だが―――何をするにしても今は使用者責任がついてまわる――― だからこそアンタの力がほしい―――」
鉄工所で佐藤に襲撃された事を話す砂川「現場を荒らされて―――当然腹も立ったが思い直した――― こうゆうヤツがゴロゴロいる組織と組めるなら―――そっちのが得やってな」
山岡「オモシロイ! だがウチだって組織だ――― 俺にも上司がいる。まずはアンタが真黒の若頭になれ――― そうすりゃ正式にウチと契約できる―――」
山岡「俺は―――アンタの事が好きになった。真黒を乗っ取るトコまでは―――俺の力でどうにでもなる―――」
砂川「フン! どうにでもか・・・・」
乾杯する二人。
連絡役として武器商人を使うことにし、砂川は緊急幹部会に出席するために店を出ようとする。「一週間もすれば俺が若頭に就任する―――」
砂川「会えて良かったよ。俺ひとりじゃ―――中国進出だって100年かかると思ってたからな」
山岡「6年に縮んだな―――」
砂川は出ていく。
山岡は武器商人に真黒組の幹部の写真付き名簿の作成を命令「じゃあ名前を作ろう―――! しばらくはパートナーだからな~ 娘の名前が確か「咲良(さくら)」ちゃんだっけ・・・・? もう高校生になるか――― まぁ―――それはいい―――」
山岡「おまえの名前はマツにしよう。松にも花言葉がある――― 憐れみと同情だよ―――」
真黒組本部前
真黒組の本部の近くに車を止めて様子を伺う佐藤兄妹。
洋子「どんどん集まってくるわねぇ~ でも偵察に来るほどじゃないかぁ~・・・・」
佐藤「おまえが来たいって言うから―――・・・・」
洋子「組長が急死してウチと真黒組の契約どうなるんだろ?」
佐藤「今の若頭が組長になって―――新しい若頭が選ばれるとなると、ボスが出てくるだろ―――」
佐藤兄妹の車の横を通り過ぎる一台の車。
佐藤「砂川だ―――」
洋子「今の車?」
佐藤「ちらっと見えた顔・・・・ アイツ、ニヤついてた―――――・・・」
感想
ハゲたおっさんの口説き文句・・・・。
砂川の「紅白組を潰して、紅白組の代わりに大手の傘下に入る」計画―――。幹部連中やヨソの組に根回しを初めていると言っていたが、紅白組を潰す際に、そのバックの大手が出てこないための根回しもしていたのか―――?
今の時代、大手もドンパチを避けたい―――
そこを利用するか―――?
そして大手の傘下に入ったら中国へ進出―――。大手の傘下に入るのは中国進出の資金を援助してもらうためか―――?
小さい組に居るヤクザにしては似合わないスケールのでかさ―――。ファブルと出会わなくてもフードとコードに組長を消させるつもりだったから、鉄工所での出来事は砂川にとっては怪我の功名か―――。海老原から「小島がシノギを荒らした事は小島の命で全部チャラ」と言われた後、砂川が「フッ!」と笑ったのは
中国進出という小さな組のヤクザにとって途方もない計画だったのが、ファブルを使えば実現できるかも知れないと分かったからか―――?
口説き落とされた山岡・・・・。
砂川の計画を聞いた山岡だが、砂川が若頭になるのを待つゥ~? 正式に手順を踏むということは、山岡は組織から抜けたいというわけでもなく、代わりにボスになるというわけでもないのか―――。山岡は純粋に暴れたいだけか―――。
こうなると余計にどう動くか分からない怖い存在だな―――。若頭となった砂川と組んだ後、山岡にその先の計画があればそれに向けておとなしくするだろうが・・・・。山岡の感動巨編のキャストに砂川も加えられているからなぁ~。
それに山岡は中国に行きたいだろうか―――? 中国にも組織の者が動いているから、山岡は中国で暴れたいならすでに中国に行っているはず―――。なのに日本に居る―――。それに海外にいる組織の者を待機させている―――。ただ殺るだけに飽きた山岡は「誰かが生き死にに踠いてるのを見ると好奇心が湧いてワクワクする」「どうせならワクワクしたい。死は量より質」と言っていた―――。平和な日本に住んでいる人、死に触れる機会が少ない人に死が近づいた時、山岡にとって興味深い反応を見せるだろう―――。それを見たいから日本に居るのか―――?
今のところは、組長を暗殺したのが二郎で山岡と繋がっていることがバレていなければ、山岡は「事のなりゆきをじっくり鑑賞していただけ」と言い張れるが・・・・。真黒組の幹部連中の名簿作成を頼んだり、砂川に真黒組を乗っ取るトコまで協力すると言っているから、このままではボスの命令に背いて砂川の計画に浮気していることがバレてしまうが・・・・。感動巨編のラスボスである佐藤をどうするつもりだ―――? 感動巨編の主役は口説き落とされた砂川にするのか~? 主役には似合わない顔してるけど・・・・。
組長は口説き落とせなかった砂川・・・・。
砂川は二郎を職人タイプだと見抜いたり、山岡と再会して動揺している武器商人にいつもと様子が違うと気付いたり―――特にこのシーン―――小島が始末された後、ファブルのことを知りたい砂川が武器商人にふいに質問した時―――
武器商人が「えっ!?」と知らないフリをするものの、カップとソーサーは静かに置くところを見て、武器商人も小島が始末されたことを知っていると見抜く砂川―――。洞察力、推理力がすごいなぁ~。でもここまで能力が高いのに若頭になれなかったのはなぜ―――? 野心が強かったからか―――? 3年前にファブルに鮫剣組を排除してもらい、2年前に組長なった浜田組長―――。浜田組長の代になってから若い奴らは給料制にして、金が無いことで悪さをする事がないようにしている―――。
砂川と同じ武闘派でも、海老原は小島の説得の仕方から見ると野心はそうなく、時代に合わせようとしている―――。それに小島のことで心労で倒れるほど、舎弟のことを思っている―――。反対に砂川は時代に合わせておとなしくしようとせず、舎弟も使えないとなったら始末していた・・・・。砂川は今の時代には似合わない・・・・。若頭に選ばれた海老原と選ばれなかった砂川の差はそこか―――。
自分が所属している組織が時代に合わせて変わっていくことに不満を持つ砂川と山岡が意気投合するのも必然か―――。しかもお互いの目的を叶えればお互いの欲求も満たされる―――。お似合いのカップルだと言えるだろう―――。砂川がニヤついてハンドル握るはずだ―――。だが、この二人の関係の行末がドコへ向かうのかは―――山岡がハンドルを握っている・・・・。
脅される武器商人・・・・。
武器商人には娘がいたのか―――。しかも高校生ぐらい―――? 武器商人は15年くらい前までは始末屋とか掃除屋とか呼ばれていた―――。
そう呼ばれていた時は山岡と出会って左目を潰される前だろう―――。15年”くらい”前という噂だから、その前後に出来た娘か―――? 目を潰されて殺し屋を廃業したから子供を作った―――?
殺し屋をやっていたら子供は弱点になるからな―――。それを山岡に握られたから武器商人「マツ」は逃げられなくなった―――。まぁ裏社会に入ってやってきたからにはこういうことも想定していただろうし、今までに武器を売ったことで商売していきたんだから憐れみと同情はあまり湧かなく、こうなるのもお似合いだと思ってしまうが・・・・。山岡は逃さない目的以外にも、マツが娘のことを懇願する様子も見てみたいとワクワクしている―――?
暗躍がお似合いな佐藤兄妹・・・・。
洋子は山岡に警戒していたから、まずは情報収拾として真黒組を偵察にきたか―――。佐藤も口説いて連れてきたのは不測の事態にそなえてか―――? 佐藤のほうも簡単に付いて来たのは、佐藤自身も気になるんだろう―――。
佐藤兄妹は組長の親戚という設定で真黒住宅に住んでいるが、このまま住めるのか―――? 二人がどういう血縁なのか調査されたりするんだろうか―――? 海老原が止めるのか―――?
新たに若頭が選ばれるとボスが出てくる―――? 今の若頭の海老原は入院している時にボスが来た時、ボスの顔を知らなかったようだが・・・・? 分業制だから連絡係が来るのか―――? それとも山岡が近くに居ると知っているから山岡に顔を出させるのか―――?
ボスが来るにせよ、他の者が来るにせよ、組長になる海老原は佐藤兄妹のことを信頼し相談するだろう―――。組長の死の原因や、容疑者を探ってくれと依頼する―――? 佐藤兄妹に探らせるとなると「組長の親戚」という設定は役に立ちそう―――。能力的にも犯人を探るにはお似合いの二人だろう―――。