【ザ・ファブル】223話「固定電話の男・・・・。」固定観念からの脱却・・・・。

佐藤はボスから山岡の殺しの命令を受けた。
山岡が使っていた倉庫では、海老原との話し合いでマツの二郎捜しに洋子が同行することになった。

あらすじ

倉庫

真黒組の高橋がマツが二郎捜しに使う車を持ってきた。

海老原は高橋から車の鍵を受け取り、かわりにバンをスクラップにしろと命令して追い返そうとする。

しかし食い下がる高橋「クロのアニキの革ジャン見ました―――・・・　撃たれたんスよね・・・・・　組長―――・・・・　只事じゃない何かが起こってますよね～　俺だって組員っスよ。少しは使ってくださいよ―――」

海老原は根負けし、倉庫の中に高橋を招き入れてマツに全ての事情を説明するよう頼んだ「中途半端に知るほうが危険や―――！」

海老原の携帯が鳴り、出ると佐藤からの電話だった。「ヨウコ―――　かわれって～」

洋子が電話に出る「何よォ―――　アタシの携帯にかければ・・・」

佐藤はオクトパスの固定電話からかけていて、洋子の携帯だと組織による盗聴の危険があるので、カウンターの引き出しに入れて離れた場所から電話させる。「組織の諜報部が仕込んだ事だ―――　心拍数までわかる機能だとしてもおかしくない―――。携帯を使う時はそれを踏まえて話せ―――」

洋子「わかった―――」

洋子はマツと二郎捜しに京都に行くことを話す「すぐには戻れないから他に用事ない？」

佐藤「いや・・・　別に―――」

洋子「そう―――　じゃあ気をつけてね」

オクトパス

電話を切った佐藤。

「佐藤くん。ヨウコちゃん元気やった？」

休憩室で布団を被ったミサキが話しかけてきた。

佐藤「あ―――　元気や―――　事務所に泊まりになったけど　ゆっくり寝て―――　アザミも　もう休んでる―――」

ミサキ「たまにはいいよね　ここに泊まるのも～　合宿みたい―――」

佐藤はそこから離れ、ホルスターの中の銃・ナイトホークを取り出し弾倉を確認する「残り3発―――」

断層を銃に戻す佐藤明。

感想

固定電話にかかってきた
しつこいセールスのような男・・・・。

真黒組組員が「車のキーをもってこい」と言われて―――
クロの場合―――

その結果―――

クロがグロい顔に～・・・・。

高橋の場合―――

そして―――

高橋のほうがカンが良い―――。

それだけでなく不穏な空気を、組がスクラップになるんではないかと感じ取り――― 幹部二人が死んで、クロが撃たれたことを知っていながら、組長の身を案じ、手伝いたいという覚悟―――。今まで下っ端のチンピラみたいだったのに一皮むけたか―――。小島の下に付かされて、なんやかんやあったことで成長したのか―――？　海老原もそれを受け、根負けして全部話すことに決めた―――。海老原は「人が羨む物を手に入れてやっと勝った気になる」と言っていたが、すでに人が羨む部下を持っていたなぁ～。でもバラしまくって大丈夫か～？　高橋は裏社会の人間だし、ファブルの契約先の組織の人間だから口が固ければ許してもらえる―――？　海老原は、今の高橋なら口外しない覚悟があると思ったから教えることにしたんだろうが―――。

固定電話のように
廃れてしまう仕事―――？

佐藤は、洋子の携帯から盗聴されないように倉庫にいる洋子に「カウンターの引き出しに携帯を入れてビリヤード台ぐらいまえなら大丈夫」と指示―――。しっかり建物内の物の位置を把握して記憶しているな―――。プロや～。建物内の間取り、物の配置を覚えることが染み付いている―――。

佐藤の「携帯を使う時は組織に聞かれている前提で話せ」は、今後組織に聞かれたくないような事を話すことになる、組織と敵対するような事態になる前フリ・伏線だろうか―――？

二郎捜しを手伝うことになった洋子に、佐藤は了承―――。佐藤は以前洋子に「危険を感じたら逃げろ」と言っていたが、二郎はファブルではないし、山岡から離れることになるし太平市にいるより安全か―――。

佐藤も洋子も山岡も時代に対応しているように見えるが―――町中のカメラや、誰もが持っている動画や写真が取れるスマホ、DNA鑑定などの科学捜査でやりにくくなっているんだろうな―――。だけど二郎みたいな山奥に逃げるパターンはどうやって見つけるんだろう―――？　洋子は運転手だから実行員がターゲットを狙えるように、追跡する知識と技術を持っているんだろうか―――？

固定電話のように
繋がりやすくしてくれる女・・・・。

ミサキ「合宿みたい」って佐藤を気遣ってるな―――。洋子のことも元気だったか聞いていたし―――。佐藤の本当の姿を知っても変わらず優しい―――。”ふつう”の生活に繋がれなかったかもしれなかった佐藤を繋げてくれたミサキ―――。ただ今回の会話は、ミサキ自身を落ち着かせる意味もあっただろう―――。

固定電話のように
信用できる仕事ができ○男・・・・。

佐藤は右手の確認―――。

いつもと感覚が違うから―――？　ふつうの生活を続けたことで銃を持っていた感覚を忘れた？と思ったが、倉庫で山岡に向けて撃っていたし、無人になったオクトパスで銃を構えていた―――ということは気持ちの問題―――。身体に染み付いた殺しの仕事は、今までは散歩みたいなものだったが、心境の変化があったんだろうか―――？

佐藤は仕事の相棒・ナイトホークを取り出す―――。手作りの弾丸は残り3発―――。山岡を撃って終わりにしたいのか―――撃ちたくないのか―――。一つ今までの仕事と違うのは守るために殺しをすること―――。フードや鈴木、宇津帆は格下で殺しを封印していても相手にならなかった―――。倉庫での山岡達は佐藤と素手で手合わせしたかったから殺しはなかった―――。今回、山岡を止めるには消すしか無い―――。「ミサキと社長を守るために山岡を消す」というふうに私情が挟まれる―――。ここがどう影響するのか―――。山岡がいう、佐藤の”やるべき事をやるだけの純粋さ”は無くなる―――？　気持ちが出て、気配が出てしまうのか―――？

洋子に殺しの仕事を受けたと言えなかった―――手の違和感―――”ふつう”の生活と繋げてくれているミサキとの会話―――そして仕事の相棒のナイトホーク―――。揺らがないと―――固定されていると思っていた殺しのスキルが落ちてしまったかどうか―――。ボスじゃなくても気になる―――。