太平市の太平興信所の所長・宇津帆。
将来のカモにするために子供達が免疫なしで育つように暗躍していた。
ヒナコが地雷を踏んだせいで宇津帆達の建てた計画は狂ってしまい、佐藤に簡単に跳ね返されてしまった。
ヒナコが踏んだ地雷を鈴木と一緒に処理した佐藤だったが、背中に宇津帆が投げた手榴弾で怪我を負ってしまっていた。
宇津帆は安全ピンを抜いていない手榴弾を投げ、ワザと自分を撃たせてこの世を去った・・・・。
あらすじ
車イスを押してくる洋子「ヒナちゃん車イス―――」
空を見上げる佐藤。
鈴木「夜が明けるな――― やる事をやっちまおう。死体を―――・・・・」
佐藤「それより世間にどうふるまうつもりや―――? マンションまで爆破してるぞォ―――・・・・」
車イスに座ったヒナコ「え?」
鈴木「とっくに警察が動いてるだろうな―――・・・・ 俺と宇津帆は今夜でトブつもりだったからな~」
佐藤「ヒナちゃんはそうはいかん―――・・・ 社会にちゃんと帰すんや―――」
洋子「アナタ達 表向きは興信所でしょ? だったら――― 恨みを買う事もあるわよねぇ~ ややこしい団体か何かとモメて――― 爆弾を仕掛けられた事にすれば~? 何度か脅迫電話とかあって安全を考えてマンションを出た所で爆破された――― ウツボが先方と話し合いに行く前にヒナちゃんを警察署の前に下ろす―――」
鈴木「宇津帆を俺はそのまま行方不明か・・・・ 単純な言い訳だが・・・・使えるな―――!」
洋子「決まりね~」
佐藤「ヒナちゃん――― よく知る親戚はいるか?」
ヒナコ「埼玉に叔父が―――・・・」
佐藤「優しいか―――? 頼れるか―――?」
ヒナコ「うん―――」
佐藤「じゃあ警察に保護してもらって―――叔父さんに身元引受人になってもらえ――― しばらく警察の事情聴取があるだろが―――・・・・」
鈴木「今日ここであった事以外は素直に話せ―――そのほうが早い! 俺や宇津帆がしてきた事は――― どうせおまえは知らない―――・・・・」
ヒナコ「うん―――」
鈴木「宇津帆の死体を埋める―――」
宇津帆の遺体の傍にしゃがみ込み、宇津帆の目を閉じさせる鈴木「俺はアンタを信用してはなかったが――― 嫌いじゃなかったよ―――」
宇津帆の遺体に手を合わせ合掌する鈴木。
それを見たヒナコも宇津帆に向かって合掌する。
クロ
佐藤達と100メートルほど離れた林道で待機していたクロ。
佐藤からの電話を受け、車で佐藤の所へ向かう。
佐藤達
鈴木はユンボで掘った穴に宇津帆を入れ、埋めていく。
埋め終わり、クロが到着する。
鈴木「あの車か――― クラクション鳴らしてたのは・・・」
佐藤「真黒組のクロちゃん―――心配ない―――」
車から降りるクロ「えぇ~!? ケガしてんズか? 兄さん―――・・・」
鈴木「井崎の―――知り合いか?」
クロ「えっ!? 井崎はまあ・・・はい―――・・・・」(あっ!コイツ―――!! ヨウコ姉さんにやられてた映像の・・・・)「井崎とは元兄弟分で・・・今は別に―――」
ヒナコに話しかける佐藤「ヒナちゃん――― ここから先は―――俺達は関与できない」
ヒナコ「うん・・・・大丈夫――― ちゃんとできる。アタシだって強い」
佐藤「そうか―――」
ヒナコ「背中の傷―――・・・・ 本当に大丈夫?」
佐藤「あ――― 前に言ったろ 俺は傷の治りが早い―――!」
鈴木の傷を心配する佐藤「早めにどっかで弾を抜いてもらえ―――」
鈴木「そうするよ―――」
ヒナコ「イメージするんだって――― 血管の血の流れ――― 神経から筋肉へ――― 重心移動まで―――・・・」
ヒナコは立ち上がり、佐藤のところまで歩いて行く。
佐藤はヒナコを受け止める。
ヒナコ「佐藤――― ありがとう」
佐藤と洋子は車に乗り、クロの運転でゆっくり走り出す。
それを見送る鈴木とヒナコ。
鈴木「ヒナ――― 車イス・・・・」
ヒナコ「いい――― 立ってる―――」
車内の洋子「あの娘――― もう―――会えないってわかってるのね」
佐藤「あ―――・・・」
見送るヒナコをサイドミラーで見る佐藤。
感想
自分のケガよりも他人の事が先に立つ男・・・・。
佐藤はヒナコの事を気遣うか―――。
ヒナコに「親戚は優しいか―――? 頼れるか―――?」。ここまで気遣うとは―――。
そして鈴木の事も気遣う佐藤―――。素人のヒナコだけでなくプロの鈴木も気遣うようになったか―――。
ヒナコの「ありがとう」っていう気持ちが佐藤の心まで届いたか―――?
初めての感じで戸惑っている感じがする―――。ミサキを助けた時には正体はバラさなかったしなァ―――。感謝されたりするのは慣れてないんだろうな―――。
手榴弾から庇ったケガが贖罪代わりとなってヒナコに対する罪悪感は軽減されたか―――? ヒナコと出会って罪悪感を感じたり、感謝される気持ちを味わった佐藤―――。ヒナコのリハビリを手伝った事で、佐藤の一般人になるリハビリにもなったのか・・・・?
弁が立つ女・・・・。
ヒナコが社会に戻れるように話を作る洋子―――。洋子の嘘のストーリーの作り方が上手い―――!
話がシンプルで、ヒナコも極力ウソを言わないで済む―――。
洋子は佐藤が実行部隊として動いていた時には、監視カメラをつぶしてたりしてたけど、こういう後始末もやっていたのか―――? あまりに慣れすぎている―――。
先立ったプロをおくるプロ・・・・。
宇津帆に対して手を合わせる鈴木・・・・。
同じプロとして敬意を払ったんだろう・・・・。
今まで鈴木が異様にヒナコを庇うのは何故だろう―――?と思っていたが、佐藤の言葉を聞いて腑に落ちた―――。
佐藤「ヒナちゃんはそうはいかん―――。社会にちゃんと帰すんや―――」
ヒナコは裏社会の人間とは違い、堅気だから佐藤は気遣ったんだろう―――。宇津帆がヒナコの前では裏の仕事を大っぴらに言わなかったのもプロとして巻き込まないという気持ちが少なからずあったんだろう―――。
鈴木がヒナコの事を気にしていたのもそういうことか―――? 裏社会に巻き込まないように裏社会の人間として気を使ってたのか―――? 暗殺計画をヒナコに詳しく話さなかったのもそういう気遣いか―――? ヒナコはマンションを爆破する計画なんて知らなかったみたいだし―――。裏社会の人間として表の人間を巻き込んだり、裏社会に引き込むようなことはやらないっていう共通認識があるんだろう―――。裏社会に生きている真黒組の蛯原でさえファブルのことを闇のクソ溜めの部分と言い、クロのファブルに憧れている気持ちに釘を差した―――。
自分達は日陰者だと認識し、堅気の者を巻き込むのは御法度なんだろう―――。クロが小島にミサキを紹介して巻き込んだり、井崎がヒナコの前でも裏の仕事の事を話しかけたりしたのは、クロも井崎もまだまだ半端者だということだろう・・・・。プロになればなるほど、裏の仕事をやればやるほど、これは人間のやる事じゃないと知り、表社会の人間に迷惑をかけまいとするんだろう―――。蛯原も武闘派と呼ばれていたし、色々やったんだろうな―――。
でも、佐藤を地雷で吹き飛ばす計画はどうなんだ―――? 鈴木はヒナコを巻き込まないように計画を考えていたけど、宇津帆は別の考えだった…ということか―――? 鈴木は自分のプライドのために戦ったけど、宇津帆は弟の仇を討つためだったからそこまで汚い手を使おうとしたのか・・・・?
立って今までの気持ちを断つ女・・・・。
ヒナコも宇津帆に手をあわせた―――。なんだかんだで情が移ったのか―――? 両親を殺した男だけど、自分が成長する切っ掛けを与えてくれたとも言える・・・・。そこそこ長い間一緒に暮らしていたり、両親の仇だと分かったり・・・・複雑な気持ちで色々思うことがあったんだろう・・・・。
自分の足で立ち上がり歩けるようになったヒナコ―――。両親の事で思い悩んでいたヒナコ―――。その悩みの元を断ったことで心のほうも立ち上がるイメージが出来ていて立ち直りが早そうや―――。
プロとして一人で立てない男達・・・・。
鈴木を見て洋子がやっつけた男だと気づいたクロ―――。佐藤にケガさせたのは鈴木と勘違いして強さの順が
洋子>鈴木>佐藤
と勘違いしないだろうなぁ~? 次は洋子に弟子入り志願~?
プロとして通用しない井崎はどうするんだぁ~? また太平市を離れるのかぁ~? そもそもクロに車を用意させたのは何のためだったんだろう―――? 考えられるのは貝沼の遺体が流されてしまったから、もし発見されればややこしいことになる―――。クロから調達した車を牧ノ川上流に貝沼の車として停め、「殺人未遂を起こした貝沼が追い詰められて自ら川に身を投げた」というストーリーを作るためか~? そのストーリーにするには、貝沼の頭に被せた袋や縛った縄を解いておいたのかどうかが重要になるが・・・・。一旦、川の隅に移動させたと言っていたから、その時に解いていたら大丈夫だけど、伊崎の事だから縛られたままに放置したっぽいなぁ・・・・。 車が必要だったのは、ただ単に井崎が太平市から逃げるためだったりして・・・・。
悪事を絶たれた男・・・・。
これで宇津帆の悪事は絶たれた――――。元は宇津帆や鈴木、ヒナコの復讐という後ろ向きな切っ掛けでこのファブル暗殺計画が実行されたけど、終わり方がなんか爽やかだったなぁ―――。
これで後は貝沼関連を済まして宇津帆編は終わりだと思うが・・・次は砂川が動くかな~? 蛯原が大事にしていた車が、爆発が起こった傍の崖に落ちているのが見つかり、そこから佐藤に辿り着いたりして~。手榴弾の破片は宇津帆と一緒に埋めたかな~?
おみそさんへ、
洋子のシナリオ、少〜し無理があるのでは・・・
マンション避難→警察→保護。
で、爆発からのタイムラグ・・・
あと、気になるのは落ちたハコスカと貝沼君ですね。
避難した後、マンションで爆発があり
暫く自主的に隠れていた。
って事にすれば大丈夫じゃないですかね?
そして隠れ続けていても仕方ないから
ヒナコを警察署の前に降ろして
架空の団体に話をつけに行った。
とすれば信じるんじゃないですかね? たぶん・・・・