青一が双亡亭内で出会った黃ノ下残花。
その残花が泥努の幼馴染で、双亡亭内で再会していた時のことを語りだした。
あらすじ
泥努が描いた残花の肖像画から、無数の腕が飛び出し残花を掴む。
残花は床に刀を突き刺してそれに掴まって引きずり込ませられないようにした。「これはなんだ坂巻ィ~!?」
坂巻泥努「なァに 大したことではないヨ… お前はこの『絵』の中にただ『行って』そして『帰ってくる』だけサ。前と違った『お前』になってナ… ただそれだけだヨ… ざんちゃあん…」
残花「坂巻…やはり己を…覚えていたのだな…」
残花は耐えられなくなり、刀を離してしまい、絵に吸い込まれた。
肖像画の中
肖像画の中に吸い込まれた残花は子供の頃に岡山に住んでいた頃を見させられていた。
岡山での残花は、隣に住んでいた由太郎(泥努)と仲が良く、よく遊んでいた。
泥努が絵を描くのを好きになったのは、泥努の姉のしのぶの影響であったことが語られる。
残花が高等小学校に上がった頃、軍人である父親の剣術の厳しい稽古で、泥努を遊ぶことが少なくなっていた。
そんなある日、残花が稽古で負った打ち身を外の井戸の水で冷やしていると、声が聞こえてきた。
「なんでじゃ姉ちゃん!? なんで東京になんぞ行っちまうんじゃ!?」
それは残花も聞いたことがない由太郎の悲痛な声だった。
姉のしのぶは東京の美術学校に進学するため、岡山を離れることになったのだった。
姉に泣きつく泥努「うわああん! 姉ちゃん行っちゃイヤじゃあ~!!」
それを見ていた残花(そういう事もあるものだ… その時の己には、何かを言う事などできなかったのだ。そして…己は忘れていた事を思い出した… これから「あの夜」が来る。)
残花(それは己と由太郎の少年時代の夢が砕けて行く音。そうだ、己がただここで幸せな夢を見られるわけはない。なぜなら…絵に引きずり込んだ時、坂巻は嗤ったではないか。)
それは白い腕。細く青白い腕。
残花「何やっとるんじゃあ よっちゃん~!!」
泥努は姉のしのぶの首を手で締めていた。
泥努「何って…姉ちゃんを連れ戻したんじゃ。のう…ざんちゃん。しあわせそうじゃろう…」
残花(己はその時知った… 坂巻は「あの夜」を見せるため、己をここに引きずり込んだのだと!)
過去のトラウマを見せられた残花の身体にヒビが入り、そのすき間にツタ状のモノが入り込もうとしだした…
感想
残花は絵に吸い込まれたか…って泥努は覚えてたのかよ! 由太郎って呼ばれたからトボケてたのか? まぁ、相手は自分の嫌な過去を知っている残花だからなぁ… 泥努が絵を描く時には、その人の過去のトラウマを見たりするのかな? もし見ていたのなら自分の辛い過去でもあるんだし…そんなの描いていたら心が壊れてしまうと思ったけど、泥努はすでに壊れているか… 説得は無理なのかなぁ。
由太郎としのぶ、緑郎と紅。
離れ離れになる仲が良い姉弟。
境遇が被るなぁ。泥努は姉を殺してしまったけど、緑郎は寂しいながらも(当然だけど)姉を見送った。緑郎が泥努の心を動かすって展開はあるのか? 緑郎と紅の姉と弟の絆を見て動揺するかなぁ? 凧葉に絵のことを聞かれたときはちゃんと反応して受け答えしてたけど、
泥努は絵に没頭しすぎて、その心の隙間を侵略者が突いて取り憑かれたからおかしくなったと思っていたけど…
元から狂っていたのか?
大好きな姉が遠くにいくなら殺してしまうなんて…
緑郎が見た花嫁のミイラはもしかしてしのぶなのか?
泥努が姉を殺したことはもみ消したのか? 坂巻家は土地の名士だし、時代もあるし、もみ消すことは可能だろう。事件があったから、泥努を一旦海外へ行かされたのかな?
幼馴染だからだけでなく、こんな過去があったから、残花は泥努を止めたいって気持ちが強いのか。
ヨッチャンザンチャン
のコンビ仲を回復すべし!
で、残花がホータイサンになった理由は? この後に何か起こるの? 絵から出れたことは確定しているが…
残花、さらに語るべし