明達は、雅の息子の一人・蟲の王を倒すために国会議事堂に向かっている最中、自衛隊員と出会う。蟲の王と戦って生き延びた連隊長がいると知り、明達は話を聞こうと自衛隊が集まるビルまで来たが…
「誰ダ… ソコノねたばれハ…」
「なんか… やばい雰囲気…」
あらすじ
明達を見た連隊長「誰ダ… ソコノ部外者ハ…」
鮫島は協力して蟲の王を倒そうと言い出すが、連隊長は聞き入れない「コノ民間人… 全員殺セ…」
自衛隊員達が命令を聞いて動きだす「はいっ」
銃に手をのばすが、明が仕込み刀で何丁かの銃を斬り、一人の自衛隊員を人質として捕まえる。
鮫島も二人の自衛隊員を捕まえる「これで人間の盾だ」
銃を手にした自衛隊員達は撃てずにいた。
小隊長が止めに入る「連隊長、この者たちは私が連れて来ました。彼らが戦力になると見込んだからです」
連隊長の車椅子を押していた隊員「連隊長は民間人を全員殺せと命令されたはずだ。これは明らかな命令違反だ。事の重大さをわかっているのか十条二尉」
小隊長の十条二尉「はい」
連隊長「イイダロウ。コノ者タチガ、使エル様ナラ オ前ノ処罰ハ不問トス…」
十条二尉「はっ ありがとうございます」
撃たれた左吉は軍医に診てもらい、明達は連隊長の部屋で話をすることになった。
十条二尉から明達が姑獲鳥を倒したと聞き、連隊長は目的を話す「我々ノ目的ハ… 国会議事堂ノ奪還ダ…」
明「くだらん。そんなくだらない事のために何人も死者を出しているのか。ただの建物じゃないか」
連隊長「オ前ノ 目的ハ ナンダ」
明「俺は雅を殺すためにここに来た。邪魔する者はすべて殺す」
連隊長「ナルホド デハ雅ヲ倒シタ後ハ ドウスル」
連隊長は雅を倒したとしても、日本は無政府状態なので隣国から狙われると言う。
連隊長「団結… 日本中カラ人間ガ集マリ団結シ 新政府ヲ立チ上ゲル」
新政府のシンボルとして国会議事堂が必要だと言う。そのために戦っていると言う。
連隊長「日本国民ノ未来ノ為ノ計画。ソノ第一歩ガ国会議事堂ノ奪還ダ」
感想
誰か この者を
絵画教室の所に
連れて行け!
自衛隊員が手に取ろうとした銃を明が一刀両断!
へ? 一振りで3丁の銃を斬り落としちまってるぞ? 画面手前の銃まで明の仕込み刀が届くのかァ? それともこの斬られちまった3丁の銃は、実は奥行きがなくてほぼ縦に並んでいたのかァ? 自衛隊員だけを見れば、3人が横に並んで手前から奥の銃までの距離は約2メートル。明の振り上げた仕込み刀の長さを見るとせいぜい80センチ。さらに右の机の縁の角度を見ると… ひいいいいいいいい! このコマを見れば見るほど遠近感が狂っちまう!!
これは明らかな画法違反だ
事の重大さをわかっているのか
松本先生
イイダロウ
コノ理屈ガ使エルナラ
オ前ノ矛盾ハ不問トス…
連隊長は『団結』と言いながら民間人を殺そうとしてやがる! そもそも十条二尉が暴れる自衛隊員達に「怒りにまかせて人間を殺すな!! 連隊長から言われてたはずだ」と言ってたのに、連隊長がいきなり殺せとか言い出しやがった! 連隊長は冷静な奴だと思ってたのに…
冷静!!
この殺しの命令を出すには
怒りに任せてねェとOKなのか!!
怒りに任せてねェから、殺しの命令を出しちまっても良いって理屈かァ? なるほど考えちょる。
オ前ハ
コノ戯言ヲ…
聞ケト イウノカ…
連隊長の目的は国会議事堂を奪還して新政府を立ち上げる!! 普通ならこの吸血鬼が暴れている世界では今日を生きる事を考えるだけで精一杯なのに!! 未来がねェような身体をしちまってるのに、この国の未来を考えてやがる!
ちくしょう
器のデカさが半端ねェ!
でも連隊長が目的を語った言葉をよく見てみると…
「日本中ノ人間ガ 新政府ヲ求メテ 国会議事堂ニ集結スル。ソンナ未来ヲ我々自衛隊ハ 作ロウトシテイル」
連隊長が作ろうとしている未来は「集結した人間達で新政府を立ち上げる」じゃなく、「新政府を求めて、人間が集まってくる」という未来。本音が出ちまってるじゃねェか!! 自分達で新政府と名乗り、人を集めて統治! この機に乗じて新政府のリーダーになろうってワケか! スケールがデケェ!!
連隊長の部屋の壁に掛けられている額縁には「敬天愛人」の文字が
これは西郷隆盛の言葉で、天を敬い人を愛する。連隊長は現代の西郷隆盛になろうというのか! 江戸城を開城でも無血でもねェけど、西郷隆盛のように新政府を立ち上げようというのか!! 同じリーダーとして、海賊船で満足していた鮫島の立場は…
コイツが鮫島
元は海賊船の小さな集団のリーダー
見ての通り
身体はデケェがスケールは小せェ奴だ
鮫島とはスケールが違いやがる!! 自衛隊員のリーダーだけでなく、日本のリーダーを狙うとは野望がデカすぎる!!
しかし今の日本は吸血鬼ウィルスのせいで隣国から食い物にされちまう状況。元はと言えば、戦争に勝つために雅達の吸血鬼一族を利用しちまおうとしていたのに… 皮肉なことよ。
人並ミ ノ 生活ニ
戻ル 事ナド
二度トナイ
連隊長の話を聞いた明は圧倒されてるじゃねェか!
想像してねェ答えで驚いちまったのかァ? 明は小説家志望で先読みが出来るという設定はドコに行っちまったんだ? もう未来を考えられねェほど雅への怒りが大きくなっちまったのか? 彼岸島に渡る前の知り合いは加藤(本名は三村政和)しかいねェもんなァ… 雅を倒した後は西山とユキにちゃんとした墓を作ってやる事しかねェもんなァ… 未来の事を考えられなくなっちまっても仕方ねェ。こんな引きで「今年もご愛読ありがとうございました」で来年に続くなんて… そんな そんっ