砂川が依頼した組長か若頭を消す作戦。
ついに二郎の手によって実行された。
あらすじ
車内
鉄板焼屋を出て、若頭の運転で組長の愛人宅へ車を走らせる。
組長「おまえ―――初夢は見たか―――? 昨日見た夢をハッキリ覚えとってな。佐藤兄妹の夢を見たんや――― これが変な夢でなぁ~ あの二人がこの町でずっと平和に暮らしてる夢なんや―――・・・・ ふつうに仕事して恋愛して――― とにかくふつうに―――・・・・」
若頭「ルガーの件が頭にあるからじゃないですか―――」
組長「確かにその日、ルガーを磨いてたわ俺―――」
若頭「事務所に銃持ち込むのホント禁止ですよ~」
組長「わかってる わかってる!」
愛人のいるマンションに組長を降ろした若頭「愛人か・・・・ 組長もまだまだ元気やな~」
二郎の家
二郎が帰ってきた。
山岡「お疲れさん――― 終わったのか?」
二郎「完了した―――」
山岡「おまえとの関係ももう10年ってとこか・・・・ 今回初めて間近でいろいろ見せてもらったが――― カラクリを教えてくれよ。これが最後の仕事になるんだろ~・・・ ウチの毒殺部隊にもこの技術を取り入れたい――― このレシピをおまえの言い値で買い取る―――」
二郎は毒の説明をする。
20年ほど前にヒトヨタケというキノコの性質に目をつけた。このキノコを食べた後にアルコールを摂取すると嘔吐や目眩になる性質を持っている。そのキノコに適切な温度に湿度で毒カビと合わせることで毒性を上げることを10年かけて発見、二郎の毒のレシピは完成した。
その毒を二郎は自分の指にシリコン製の義指をかぶせて、その先端の穴からスキを見て噴射してターゲットの口に入れさせた。
二郎「事は単純さ――― 質問は?」
山岡「解剖されてもバレないのか・・・・?」
二郎「D1(二郎がつけた毒の名前)は新種だから検出されねーよ」
二郎「D1のレシピは俺が消えてから2~3日中にはここに手紙で送る」
山岡「結果を確認しないのか?」
二郎「結果はもう見たよ――― 死のキャップはもう外れてる―――」
愛人宅
組長は愛人と一緒に酒を飲んでいた。
しばらくすると、組長が胸を押さえだして・・・・
感想
ギャップがある組長・・・・。
佐藤兄妹が”ふつう”に暮らしている初夢を見た組長―――。そういう夢を見たということは組長も、あの二人には普通に生きてほしいという思いがあるのか―――? ヤクザの組長なのに殺し屋に優しいのか―――?
佐藤にファブルから注入された毒―――この1年で抜いて”ふつう”になることはあるんだろうか―――? ゆっくりとは中和されているようだが、今回の山岡のせいで抜けてきた毒性がまた上がりそう・・・・。
毒を説明する二郎が、ヒトヨタケは食合せで毒キノコに変わる、それは「アルコールだ―――」って見開きページ・・・・
もう組長終わりやんっていう絶望な見開き・・・・。軽い毒なら浮気した組長にお灸をすえるだけで終わったのに・・・・。
前回の「横に二郎が座っていた!」っていうショッキングなシーンに続いて今回もショッキングな見開き・・・・。佐藤が相手をぶっ飛ばしてスカッとくる見開きが来るのはいつだ―――? その時にはどれだけの人が山岡が撒いた感動巨編のタネの犠牲になっているんだろうか―――?
キャップを被っている二郎・・・・。
キャップが外れている山岡・・・・。
山岡「殺るつもりはない」
二郎「わかってるよ」
これはかなりの信頼関係がある―――。
山岡は二郎とは10年のつきあいはあるが、間近で二郎の手口を見たのは初めて―――。二郎は証拠を残さないやり口だからハデにやるタイプの山岡と一緒に仕事をする機会はなかったんだろうな―――。でもファブルではない殺し屋にこれだけ親しくなったのは何があったんだろう―――? 組織にスカウトしなかったんだろうか―――? 10年かけて毒を完成したのが10年前で、山岡と知り合ったのも10年前―――。20年前にキノコに目をつけたってことは20年前から殺し屋をやっていた―――? それともキノコ学者かカビ学者でもやっていて偶然毒性のあげ方を見つけたんだろうか―――?
二郎が使う毒は新種だから検査しても、それに反応するようには検査をしていないから引っかかることはない―――。10年前に完成させた手口だけど、佐藤と違って”時代遅れ”にはなっていない―――。
この義指の仕掛け―――10年間この手口でやっていたっていうワケではないだろう―――。山岡も毒のレシピを聞いていて組織に取り入れたいと言っていたし―――。20年前に見つけたというハンディキャップを感じさせず、しかもいまだに世間に見つかっていない毒を使う―――。二郎の手口は時代遅れではないものの、このD1というスペシャルな物が必要だからファブルに入れなかったのか―――?
手口のタネあかしをしたり、10年かけて完成させた毒のレシピを教えたり―――二郎は引退する気は揺らがないみたいだな―――。ファブルを殺るのは諦めたか―――? その用心深さがここまでやってこれた理由でもあるんだろう―――。その反対に山岡は―――
毒って知ってるのに栽培セットを臭ったり―――素手で触ったあとも洗った方がいいと言われたのに手を叩くだけ―――前には顕微鏡で覗く時にマスクをしていなかったし・・・・。恐怖心が無いと警戒心のキャップもなくなるのか―――? 逆にこの恐怖心のなさ、大胆さが山岡が何をするか分からないという怖い存在にさせているが―――。
組織というキャップは外れた・・・・?
山岡が二郎の毒を毒殺部隊に教えたいと言っていたが、山岡は組織を抜ける気は無いのか―――? それなのに顧客である組長を消しても咎めない―――同じ組織の佐藤を(ボスに巻き込むなと言われているのに)ラスボスと設定して感動巨編を行おうとしている―――。組織を乗っ取るつもりなのか―――? 毒殺だけなら山岡がやろうとしているように、武器商人に罪をかぶせる事ができるだろうが、佐藤に手を出すならただではすまないし・・・・。
真黒組とファブルは、今の浜田組長の一代前の組長と戦後の混乱期からの仲―――。そして真黒組と敵対していた鮫剣組はファブルのおかげで解体した―――。敵対する組織がいない真黒組はファブルに仕事を頼むことも無いだろう―――。そして真黒組は小さくて、ファブルとはコネで繋がっているから、ファブルとの契約金も格安だろう―――。組織の者はそんな真黒組をいらないと判断してもおかしくはない―――。組織の中にそういう不満があれば山岡の行為も許されるかもしれないが・・・・。ただファブルは分業制なので、そういう悩みのタネを持つのは幹部連中という事になるが、それにボスが気づかないほど抜けているようには見えなかったなぁ・・・・。この事態はどう収拾するんだ―――? 山岡は恐怖心がないのでどこまでやるか分からないから、着地点が見えないなぁ―――。
死のキャップは外れた―――?
二郎が狙ったのは組長か―――。でも組長は毎日酒を飲んでいる事は知っていたが、若頭を狙うとなったらどうしてたんだ―――? アルコールを飲まない人もターゲットになったりしないのか―――? そういう場合は別の手を用意しているんだろうか―――? 奈良漬を送りつけたりして―――。 路地をチェックしていたのが別の手口をする場所だったりしたのか―――? ヤクザでも、ヤクザだからこそ飲酒運転をしないだろうから、アルコールを飲まない人が増えて飲酒運転が厳しくなったこのご時世では二郎も時代遅れになりつつあったのか―――? 引退するには丁度良かったのかもしれない―――。
組長は胸を抑えていたが、もう終わりなんだろうか―――? 山岡が一目置く存在の二郎が「完了した」と言い切った―――しかも最後の仕事と決めているから確実だろう・・・・。二郎は10年やっているから、洋子が何かの時に偶然耳に入ったりしていて毒をこういう手口で盛ることがあると気づくかも・・・・? 怪しい人物(二郎)が太平市を彷徨いている事にも気づいているから、点と線が繋がる―――? 山岡の姿を見て警戒している洋子は、組長が急変したら怪しむだろう―――。佐藤か洋子が毒に気づいてさらに対処法を知っていて間一髪助けるとなったら、二郎が戻ってきてファブルとやりあう事になって・・・・という展開になる可能性もあるが、組長はまずは病院に送られるだろうし、佐藤か洋子が病院にいる組長を手当するなんて機会は回ってこないだろう―――。愛人宅で倒れたから救急車を呼ばないかもしれないが・・・・。
二郎の自信と、組長のこの表情を見ると―――
もう植え付けられたタネは芽を出して手遅れのような・・・・。
組長が助かるか、命を落とすかは分からんが―――山岡はこの事態を起こした犯人を武器商人のせいにするつもり―――。そうなると砂川が最近親しくしているとバレるんじゃないか―――? 「組長もまだまだ元気やな~」と言っていた若頭が組長の急変を怪しむだろう―――。そこから真黒組の内部崩壊が始まるタネになるのか―――?
おみそさんへ
159話とは まぁ関係ないのですが
以前 カシラが小島の件で 調べ 報告を 佐藤に依頼したことがありましたよね。
普通の生活をさせたかったボスは このカシラの行動を咎め カシラに直接 釘を刺しにいった。
その顛末を ボスに知らせているのは誰だと思いますか?明か洋子の
どちらかでしょうね?
ということは、洋子が 山岡を見た、ということも
組長が 殺害されたということも いずれボスの耳に入るのですよねーーー……
密かに定期的にボスに報告してそうなのは洋子が怪しいですね。
報告していなくてもラインみたいなアプリでボスと連絡していた事
(ペットを飼えとかジャッカルのスタンプを佐藤に教えたり)があったから
山岡の事を報告しているかもしれませんね。
洋子はあれだけ怯えていたのだから。