【ザ・ファブル】213話「願う女・・・・。」包み隠していた願い・・・・。

山岡が身を隠し、死のリストのメンバーをランダムに消していくと宣言。
佐藤達はそれに備える。
マツは、山岡に消された砂川と水野の遺体を埋めに準備を開始する。

あらすじ

倉庫

元は水野がお楽しみに使っていた倉庫に、クロ・マツ・スズムシが水野が使っていたバンに遺体を乗せる作業をしていた。

クロに電話がかかり、倉庫のドアを開けると洋子とユーカリが訪ねてきていた。

クロ「どうぞ―――　今、ちょうど積み込んでるとこで―――・・・」

水野の遺体を乗せ終えたところだった。

マツ「どうしたんやヨウコ？」

洋子「今晩コレ埋めたら　そのまま京都だって？　海老原さんから聞いたわ―――　これ返しとくわ。お守りになるでしょ―――」

洋子がマツに手渡した物はマツの娘・咲良（さくら）の写真だった。

洋子「処分しといてくれって言われたけど・・・・　娘の立場を考えるとできないわよ―――」

マツ「ありがとうな」

洋子「水野は車内で殺られたの？」

マツ「あ―――　掛け布団ごと心臓に一発やったようや～」

洋子「水野だって銃を持ってたでしょうに―――」

マツ「どうかな・・・・　今回は砂川の時みたいに―――　銃を奪ったって申告がないしな。車内やら持ち物やら調べたけど・・・・何も残ってない。携帯まで持ってかれてる・・・」

考え込む洋子「山岡の罠かも―――・・・・・・」

洋子の家

暗くなり、洋子の家に帰ってきた佐藤とミサキ。

ミサキ「あれ？　ヨウコちゃん達は・・・・？」

佐藤「外出か―――・・・・」

ミサキ「お腹すいてるでしょ―――　佐藤くん・・・　なんか作ろうか？」

佐藤「まだいいよ―――　ミサキちゃんゆっくり休んで―――」

ミサキ「じゃあお風呂の用意しようか―――　アタシも何か訳に立ちたいから―――・・・　ヨウコちゃんにまかせっきりだったし―――　だから・・・・その・・・・　この件が終わっても―――　二人ともここにいて―――　出て行かないで―――」

佐藤「あ―――」

倉庫

洋子達5人は、水野のバンを調べていた。

洋子「山岡は砂川と水野の携帯を奪ってる―――　今の山岡に携帯は2つもいらない―――　携帯にはGPSがある。この車のどこかに隠しておいて―――　遺体処理で山中に入った所を―――山岡は狙ってくる―――　ユーカリ―――　こんな時―――山岡ならどこに隠す？」

ユーカリ「あの人は面倒臭がりだが　考えはいたってシンプルだ―――　でも・・・ここぞって時は念を入れて小細工のひと手間をかける！」

洋子「つまりどうなの？」

ユーカリ「大がかりな細工はしてないハズだ―――・・・・」

マツ「車内の内バリを外すくらいが妥当か―――・・・・」

ユーカリ「簡単に外れて跡が残らない場所―――・・・・」

洋子が車内に隠してあったスマホを見つける「あった！」

洋子の家

ダイニングのテーブルに据わって飲み物を飲んでいる佐藤とミサキ。

佐藤「ヨウコもこの町が気に入ってる。それにミサキちゃんや社長が大好きや―――。ミサキちゃんが痴漢にあった時もな―――次の日から毎日電車に乗って、その痴漢を捜してたよ―――　山岡に見つかって写真を撮られたのも、たぶんその時や―――」

ミサキ「そうなん？」

涙を流すミサキ。

感想

無事を願う親と娘・・・・。

マツに娘の写真を返した洋子―――。

マツは、この写真を置いておいた部屋にはもう戻らないからと洋子に処分を頼んでいた―――。その写真を処分せずに「お守りになる」として渡した洋子―――。これでマツは娘に再会する事を願って、最後まで生き残ることを思い出させるだろう―――。両親を失った洋子なら、なおさら父親と娘が上手くいってほしいだろうし、娘の咲良も自分と同じように親を亡くしてほしくないという願いだろう―――。人の命を奪う殺し屋をしていたマツは洋子に一線を超えないほうがいいと教えたが、人殺しをしていない洋子からは命の大切さを教えられた―――。

かなわない男・・・・。

クロはユーカリから”佐藤に秒殺された感想”を聞きたがってる～。「僕も秒殺されたんですぅ～。仲間ですねぇ～」と声かけるのか～？　ユーカリは佐藤に完敗して強さを認めているが、クロからそんなこと言われたら―――・・・・。

ファブルと知ってても指差して呼び捨て―――。佐藤が橋から飛び降りたと聞いたら真似をして足を骨折―――。足のギプスが取れた直後なのに佐藤の山籠りについていくし―――・・・。クロは佐藤の強さを知りたい時だけ―――恐怖心が無い男になっている―――。

まずはユーカリのこれまでの活躍の話を聞いてからにしたほうがいいと思う―――。それかアザミから聞いたほうが―――・・・・。クロは鈴木が洋子に瞬殺された時の映像を観ていたが、その感想を洋子や鈴木に聞かなかった―――。ファブルの話ではなく、あくまで佐藤の話を聞きたいのか―――？　あくまでヤラれた時の感想が聞きたいのか―――？　クロは佐藤と手合わせした時は一瞬で終わった―――。同じく佐藤に秒殺されたスズムシは後ろから攻撃されたからよく覚えていなかった（そういえばスズムシは佐藤明、洋子、ユーカリと3人のファブルにボコられている―――　ある意味、やられ役のプロ―――。最後に山岡に殺られるとなるのか？）―――。ユーカリはプロだから―――ちょっと粘ったから―――そういう人の感想を聞きたいのか―――？　佐藤の強さがどこにあるかを―――。気配を消せる事が強さだと聞いたら、強くも無いのに気配を消すことだけを真似しそう―――・・・・。山に向かう時にクロが運転することになったら「ドライブモードだ―――」と言いながらオデコをトントン叩きそう―――・・・・。クロの佐藤のようになりたい気持ちの強さにはかなわんなぁ・・・・。

罠が見つかることを願う男・・・・？

ユーカリが推測した山岡の性格「面倒くさがりだが、いざという時は小細工のひと手間をかける―――」。確かに―――マツと初めて出会った時は、マツの逃走用の車を時間差で爆発させるひと手間をかけていた―――。洋子の不発の時の表情が観たいがために、マツの隠れ家に隠していた銃にダミーカートに入れ替えるひと手間の小細工をしていた―――。

そして車内のスマホを見つけた洋子―――。これで山岡をおびき出せる―――。これで守りから攻めに転じられる―――。でも、攻めに入るとしても誰がやる―――？　このままユーカリと洋子でやるのか―――？　遺体袋が2つ、追加にする人数が洋子とユーカリで2人―――。遺体袋に潜んで不意打ち―――？　遺体のコスプレをして反撃できたら、コスプレ好きの水野も草葉の陰で喜ぶだろう―――。山岡が不意打ちされてビックリしすぎてハゲたら、草葉のハゲこと砂川さんも喜ぶだろう―――。

そしてこのスマホが見つかることを山岡が想定しているかどうか―――。マツの銃にダミーカートを入れるみたいな小細工をするということはバレている―――。そして仕事のやり方や性格をよく知っているアザミとユーカリがいることも分かっている―――。罠を仕掛けているのを見つけてもらうという罠か―――？　どちらがカンが良いか―――相手の先を読める者が勝つ―――。

願いを明らかにした者・・・・。

佐藤と一緒に帰宅したミサキ「お腹すいてるでしょ。なんか作ろうか？　お風呂の準備しようか？」―――。これは「食事にする？お風呂にする？」やん―――。もう妻気取りやん―――。新婚さんやん～。そしてとうとう佐藤から「街を出る」と聞いた時のミサキの答えが出たな―――。変な細工もせず、シンプルに「ここにいて」と―――。

前話では佐藤から守られていたことに気づき、今回は洋子からも守られていたことに気づく―――。確かに洋子は痴漢捜しをしている時に山岡を見かけた―――。この時は佐藤が言ったように、山岡側は洋子に気づいてわざと姿を見せていた―――。痴漢捜しをしていたことで山岡に見つかった―――。佐藤兄妹は真黒住宅に住んでいるから山岡に早かれ遅かれ見つかると言われても、ミサキは責任を感じてしまうだろうな―――。山岡は洋子の両親の仇だから、洋子からしたら見つけてもらって逆に嬉しいということは知らないだろうけど―――。

そういえばオクトパスでデリ○ルのチラシの仕事が来て、小島のことを思い出していたが―――その時ミサキは悩んでいて、洋子にそれとなく相談していた―――

この時は食い違いのコントみたいになったが―――この誤解は解けんたんだろうか―――？

佐藤「ヨウコもこの町が気に入ってる。それにミサキちゃんや社長が大好きや―――」。ヨウコ”も”と言っているから佐藤もこの太平市が気に入っているんだろう―――。それは太平市だから―――？　受け入れてくれたオクトパスがあるから―――？　太平市にミサキがいるから―――？　後半の「ミサキと社長が大好き」は洋子の気持ちなのか、佐藤の気持ちなのか―――。”それに”が入っているから佐藤の気持ちだろう―――。言葉でなくとも表情を見れば分かる―――。

佐藤の眉毛がいつになく、ハの字になっている～。佐藤に大切な人が出来て、洋子がミサキを思っている気持ちも理解して説明できるようになっている―――。

包み隠していた山岡の、次のターゲットを仕留めたい願いが顕になり―――ミサキの佐藤への願いも顕になり―――佐藤兄妹の、人を大切にしたい気持ちも顕になり―――山岡のことを不殺で解決したら（佐藤兄妹以外が殺りそうだけど―――。浜田組長から受け取り、洋子が組み直したルガーで海老原が仕留めるのが話として収まりがいいが）、佐藤兄妹はこの後も太平市にふつうの生活ができるのか―――？　佐藤は段々”ふつう”というものに馴染んできている――――。同業者のアザミには「”ふつう”っていう暮らしが楽しいだろ」と嬉しそうに自慢げに話している―――。佐藤もふつうの生活を送れるなら送りたいとなっている―――？　浜田組長は正夢（佐藤兄妹が平和に暮らしている）を願っていたが―――その思いを継いでいる海老原もそうなってほしいだろう―――。兄さんには”ふつう”じゃなくスペシャルでいてほしいと願う人が一名いるが―――・・・・。