洋子はマツと組み、銃を手に入れ山岡のアジトに乗り込む計画を立てる。
真黒組では海老原が五代目組長になり、砂川は若頭になった。
海老原は砂川と対立していた水野に、急に砂川側に付いたことを問いただす。
そんな中、佐藤はオクトパスの仕事を徹夜で仕上げようとしていた。
あらすじ
居酒屋
海老原と水野が二人で向かい合って酒を飲みながら刺し身をつまんでいた。
海老原「なんかあるんやったら この一回だけやぞ――― 心して物言え―――!!」
水野「俺と―――砂川の間に何かあったって? どう答えてほしいんや? 五代目―――」
海老原「じゃあ少し言い方を変えよう――― 先代の急死をおまえはどう思ってる?」
水野「どうって急性肝硬変って話でしょ―――・・・・ 医者がそう言うてんやから―――・・・・」
海老原「おまえ――― 何年ヤクザやっとんや~ 今日まで何を見てきたんや―――・・・・?」
箸を置く海老原「まあええ――― 砂川のおこぼれいただいて―――ヤクザ名乗ってろ なんならサラリーマンのが向いてんちゃうか?」
立ち上がり、上着を着て帰り支度を始める海老原。
水野「五代目が話あるいうから時間取ったのに。これで終わりでっか―――・・・・」
海老原は水野に嘲笑を向けながら出ていく。
外に出た海老原は佐藤に電話する「佐藤か―――起きてたか?」
佐藤「あ―――今夜は徹夜だ――― 仕事でな―――似顔絵を描いてる―――」
海老原「なるほど・・・頑張ってくれ―――・・・ 砂川が正式に若頭になった―――」
海老原は水野が砂川に付いたことも言う。「どう思うよコレ―――?」
佐藤「じゃあアンタはもっと気をつけたほうがいい――― こうゆう流れの場合、次はアタマを押さえにくるぞ―――」
海老原「俺を?」
佐藤「前にも言ったろ ウチの組織の何者かが関わってるとしたら容赦ない―――」
海老原「砂川がもし何か絵を描いてるとしたら―――狙いはなんやと思う?」
佐藤「まずは真黒組の乗っ取り――― アンタが邪魔になる――― 手を貸そうか?」
海老原「どうした? おまえからそうくるとはなぁ―――」
佐藤「洋子が少しピリピリしてる――― 組織が絡んでるなら俺も無関係ではなくなってくる――― 浜田組長にもアンタにもクロちゃんにも世話になってる――― 俺で―――役に立てるなら恩を返したい―――」
海老原「おまえいいヤツやな――― 妹のほうを気にしてやれよ――― こっちはこっちで対処する――― 似顔絵描いてるとこ邪魔したな~ 徹夜―――頑張ってくれ―――」
電話は切られる。
佐藤は少し考え
電話をかける「もしもし~ クロちゃん?」
クロ「もちろんクロでありますッ!! ご用件は!? 兄さん―――ッ!?」
山岡のアジト
山岡とユーカリとアザミがソファに座って飲んでいた。
それを立ってみているスズムシ(殺される―――・・・・ 逃げるのも無理―――・・・・ 逃げれない―――・・・・ 逃がさない―――・・・・ 逃げ切れない―――・・・ そして殺される―――・・・・)
山岡「オーイ! スズムシ――― おかわりだよ――― ボーッとしてんじゃねぇ~」
我に返るスズムシ「あっ! はい―――!!」
ユーカリ「鬱になりかけてんだよアイツ―――」
アザミ「少し痩せたしなぁ~」
酒を注ぐスズムシに聞く山岡「鬱なのか―――? なってみたいもんだ―――」
マツが入ってくる。
山岡「買い出しご苦労さん―――」
ソファの前にあるテーブルに買ってきたものを置くマツ「どうぞ―――」
ユーカリ「腹減った―――」
山岡「今夜でおまえともお別れだな――― 送別会といこうやマツ―――」
洋子の家
洋子はマツのアパートから手に入れた銃の手入れをしていた。
感想
一人でやってみたい男・・・・。
海老原は水野を見限ったか・・・・。水野は砂川に付いたということで、海老原は水野にもう気を許すことはないといったとこか―――。
海老原は佐藤に頼らずに自分のちからでやることにした―――。ヤクザとして―――組長として―――自分のちからで解決しようと―――。佐藤に頼らないのは―――佐藤が一般社会に馴染んできたことを感じて、それを尊重したのか―――? 佐藤からは「休業が終わったら元の仕事に戻る、俺にはそれしかできない―――」と聞き―――ボスからは「佐藤が一般社会になじめそうならそうしてやりたい――― アキラを処分したくない―――」と聞いている――――。
今では”ふつう”の仕事を徹夜をするほど任されるようになっている―――。佐藤は恩返しがしたいと手助けを申し出たが、海老原も小島の時に助けてもらった恩がある―――。恩返しとして佐藤の申し出を断ったのか―――?
でも海老原が描いている”なってみたい”という絵はどうなんだ―――? 砂川は敵、水野も敵、他の幹部も砂川の根回しで砂川のほうに付くかもしれない・・・・。下手したら佐藤との電話中に殺られるかと思った―――。それぐらい今の海老原の立場は危うい―――。
真意を知ってみたい男・・・・。
佐藤はボスが出てきて新しく組長になった海老原と契約するだろうと言っていたが―――
代々の組長に受け継がれてきたルガーを受け継ぐように、ファブルとの契約も受け継ぐと思っていたが・・・・でもボスはまだ来ない・・・・。山岡が組織の者も動かしているのに・・・・。佐藤が鉄工所に向かった時、病院の海老原のところにすぐ駆けつけたように―――状況を把握していないとは考えづらい―――。海老原がボスと話をすれば一気に解決できるんだが・・・・。ボスがどうなってみたいのか―――真意が分からん・・・・。組織の者同士での潰し合いはいいのか―――?
ヤッてみたいだけだった男・・・・?
水野はこのまま砂川のおこぼれを貰う犬でいいのか―――? 今まではS○X依存症で快楽を追い求めていたが―――いらんところを無駄に立てていないで、ここで別の意味で男として立ち上がらなければいけないが―――
海老原にキツイこと言われて、「フフ」と嘲笑されて目が冷めたか~?ってページの横でも「♨フフフ・・・!!!」って笑われてる~! 動物のように快楽だけに生きて長生きするか―――人間として尊厳を持って命をかけて生きるか―――。水野のなってみたいと思い描く絵は・・・・
“ふつう”に
なってみたい男・・・・。
佐藤はやはりカンがいいな―――。砂川の狙い「真黒組を乗っ取る」をピッタリ当てている―――。でも洋子の様子はどこまで把握している―――?
海老原に手助けを申し出る佐藤―――。海老原と同じ様に「おっ!?」と思ったが、理由は恩返しか―――。佐藤の今までの恩返しは―――オクトパスを紹介してもらったミサキを鉄工所から助けた―――寓話のように良い行いをした人に恩返し―――。
海老原から断られた佐藤はクロに電話―――。用件は・・・・海老原の「妹のほうを気にしてやれ」をそのまま受け取ったなら洋子の家の監視カメラの映像でおかしなところはないかを聞いただろう―――。 洋子は大丈夫だと思っているなら、海老原を陰ながらサポートするために海老原の直系のクロに真黒組の今の状況を聞いたとなる―――。電話をかける前に佐藤が見ていたのはインコのカシラ―――。
ペットという守る存在として、洋子を思い浮かべたのか―――名前のカシラとして、ちょっと前まで若頭だった海老原を思い浮かべたのか―――。佐藤はおそらく―――洋子の事で電話をかけたと思う―――。カシラのように呼べば飛んでくる存在としてクロを思い浮かべたのかもしれないが・・・・。
とにかく佐藤がクロと話をすれば、洋子が水野を探っていた事が分かる―――
洋子が倉庫のことも聞き出したことを言えば、佐藤にも山岡のアジトの場所を知ることが出来る―――。洋子はまだ家に居るが―――洋子を止められるのか―――? 洋子の代わりにアジトに乗り込むのか―――? マツのリミットが迫ってきているから、洋子はマツからの催促の電話ですぐに出ていきそう―――。佐藤が止める前に洋子が先に出てしまっていて、山岡のアジトで洋子がピンチになった時に佐藤が駆けつけてくるという絵が描かれるのか―――?
這ってでも逃げたい男・・・・。
スズムシは逃亡の絵を描けずにいる―――。まぁスズムシが今までやってきたことを考えれば、報いを受ける時が来たのだろう―――・・・・。
マツはどうなる―――? マツが思い描いてるのは山岡達を始末して娘と暮らすか見守るかの生活が”なってみたい”絵だろう―――。でも元殺し屋として武器商人としての罪がある―――。第3者からの勝手な意見は―――マツが消されて、マツが今まで溜め込んでいた金が娘に送られる―――というのが綺麗に収まるが―――
アザミが山岡のことを「社交辞令ってのがない――― 約束は守る人だな~」と言っていたが・・・・。マツに言っていたのは「ゴールは考えておく」、マツがいないところで二郎には「組長を殺ったのはマツのせいにする」、そして今回の「送別会」―――。言ったことを全部守るなら―――マツを犯人に仕立てて雲隠れさせて引退という絵があるが―――。マツはアザミとユーカリの顔も見てしまったし、何よりこれから歯向かってしまう・・・・マツのなりたかった未来には・・・・たどり着けないだろうな・・・・。
はじめまして、かな?
まずどうでもよい事から。
雑誌のページの横の部分、
専門用語で「柱」といいます。
やはり兄さんは異変に気付いてましたね。
小島の件では比較的迅速に動いてた
ボスですが、今回は沈黙。
実は山岡or部下が兄さんに銃を向ける
タイミングを待ってるのでは?
あるいは暗殺者を継続させるか
一般人にするのかを判定する
リトマス紙として今回の件を
利用してる、とか?
で、誰かが佐藤兄妹を監視してると
思うのです。
今まではマツが監視者だと思ってたんですが
どうもマツではなさそうですね。
ますます目が離せません!
追加です。
海老原がマグロ組五代目として
ファブルに対して正式に
砂川暗殺を依頼して
砂川を消せば終わるのでは?
あるいは江川卓の空白の一日の
様に契約更改のスキマとかで
ファブルとの契約が消える瞬間
があったりするとか?
いずれにせよ、
おそらく判ってるはずなのに
沈黙しているボスが不気味。
暗殺されたのを確信しているのに、新組長海老原、あまりに無防備すぎる。ボディガード一人もなし?水野でさえ増やしてたのに。
新組長が決まったらボスが連絡してくると佐藤が予測していたが、まだ無い。新カシラが決まって落ち着いてからか?それとも砂川の乗っ取りの成否が確定してからか?
ボスは当初漁師のような3枚目で、ふざけたメールで指令を出し、入院中の海老原の約束破りを大目に見るなど寛大な印象があったが、14巻山岡編では新人を容赦なく3人殺しているなど、冷酷な恐ろしさを読者に見せつけている。隙のある新人よりも、少しチャラチャラした山岡の方を殺した方が組織として安心ではないか?と大きな疑問を読者に与えるのがこの新章冒頭場面の目的なのかもしれない。
前回、山岡?と作者のイタズラっぽく登場させた佐藤の似顔絵は、近藤真彦であった。読者をハメたお詫びのように、
佐藤の意外な申し出、「手を貸そうか?」が炸裂。
ついに佐藤が動きだす。まずはクロちゃんに洋子の部屋の録画チェック依頼でしょう、あの電話は。
ミサキちゃんが売春強要されていた時も、佐藤は異変に気付いていた。洋子の異変にも当然気付いていたし、二郎をチラっと見かけただけでも事件の前触れを察知していた。
二郎は二郎で、チラっと佐藤の気配を察知しただけで、瞬時に姿を消す早技。こんなのとは関わっちゃ危険とよく理解していた。ここまで慎重居士でやっと無事退場できたようですな。
一コマ一コマ緊張感のある漫画だ。ほんと面白い。カラー版も寄生獣のようにそのうち出るだろう。色付きだと一層楽しめる筈だ!!
あと二日くらいで大方事件は終わりを迎えそうだが、似顔絵の締め切りは事件で守れるや否や。
いつも読みやすい感想と考察ありがとうございます!