太平市の太平興信所の所長・宇津帆。
将来のカモにするために子供達が免疫なしで育つように暗躍していた。
洋子の家に襲撃にきた鈴木は洋子に返り討ちにされる。
縛られた鈴木は佐藤の指示で貝沼を開放しようとしたが、貝沼は崖の下へ滑落した・・・・。
あらすじ
山の中、洋子の家にいる鈴木に電話をする井崎。
崖の下に落ちた貝沼を見た井崎「死んでます―――! どうしましょコレ・・・・?」
鈴木「しかたない… 証拠が残らんように埋めちまえ!」
井崎「えっ? 埋めるんですかァ!?」
電話を切る佐藤「残念だ・・・ 誰も死んでほしくなかった―――・・・・」
電話を来られた井崎「一人で処理せえって~!? 宇津帆さんになんて言うねんッ!? くそっ!!」
鈴木のロープを解く佐藤「もういい――― 帰っていいよ―――」
台所の鍋の様子を見る佐藤。
鈴木は持ってきた銃やナイフを懐に入れ、無言で外に出る。
外にいる鈴木に聞こえてくる声。佐藤「今日の味つけはいいぞ―――」 洋子「あら そう―――?」
再び家の中に入ってくる鈴木(今度は靴を脱いでいる)「どうして俺を帰す―――!? 顔を見られたら始末するだろ――― この業界の鉄則だ!」
鍋の味見をしながら答える佐藤「俺達の鉄則は組織にある――― 業界じゃない」
鈴木「俺が帰ってからペラペラ他にしゃべると思わんのか? 武器そろえてまた狙いにくるかも―――とか警戒しないのか?」
奥の部屋で飲んでいる洋子「警戒? そういうのはね。脅威を感じた時に初めて使うの・・・」
佐藤「よかったら鍋どう―――? 腹減ってるやろ―――・・・・」
鈴木の顔を見て何かに気づく佐藤。その佐藤の反応を見て不思議がる洋子。
出ていく鈴木「ジャマしたな」
洋子に聞く佐藤「なんか怒ってた?」
洋子「そりゃ――― プライドがズタズタでしょうに。でも――― 本当に帰していいの? 何かしゃべられたら ここに住めなくなるわよ」
佐藤「アイツは大丈夫――― ニオイだ・・・ あっちもプロだ―――」
佐藤「貝沼くん―――・・・ そうか・・・ 俺は身近な人間には 誰も死んでほしくなかったな・・・ 今まではほら――― 逆だったから・・・ 悲しいとかじゃない――― なんか残念で・・・」
洋子「食べなよ――― 冷めるわよ~」
佐藤「あ―――」
一方、外に出た鈴木は険しい表情をしていた・・・・
感想
貝沼はどうやらダメか・・・? 残念な結果か・・・。
いずれは一般人らしく対応―――?
インコのカシラを飼い始めた佐藤は「大事に育てたい。そう思っている」。ミサキちゃんが小島とのイザコザに巻き込まれた時は「誰かを本気で助けたいと思ったのは初めてだ。あの娘が笑ってると俺も楽しい気持ちになる」と言っていた。責任を感じたのか、ヒナコのリハビリにも付き合っていた佐藤。そして今回、貝沼が死んだと聞かされた佐藤「残念と感じている」。
今まで仕事とあればプロとして命を簡単に奪っていたし、小島の死ではなんとも思ってなかった佐藤―――。身近な人間の死で変わっていくのか―――?
鈴木は開放・・・?
鈴木を帰すのか―――。帰した理由がプロだから―――。
佐藤がファブルだという証拠を聞かれると、鈴木は無様に負けたことを言わなければならない―――。プロとしてのプライドがあれば負けたことを言わないということか~?
ファブルと会ってオモチャの銃で簡単にヤラれたことを喋ったフードとコード。それをオチョクッていた鈴木―――
プロなら負けたことを言うのは恥ずかしいということか~? 負けただけではなく「顔を知られた相手は始末する」という業界の鉄則も守らなくていい相手と舐められたことにもなるし・・・。
そういう業界の鉄則を知っている佐藤は鈴木を開放したということか―――? 整形までして仕事を続けている鈴木(井崎でも整形?と気付いたから佐藤なら余裕だろう)なら喋らないという結論か―――。まぁ再び襲ってきたとしても脅威ではないようだし、喋られて真黒住宅に住めなくなったとしてもお金は持ってるから引っ越せばいいし―――。
鈴木はどうする―――?
家に上がる時に今度はちゃんと靴を脱ぐ鈴木―――。今度は話を聞くという意思表示か―――。そんな鈴木の「警戒しないのか?」という疑問に「脅威を感じたら初めて使う言葉」と返される鈴木―――。言葉通り、銃を持った鈴木が戻ってきても一切警戒していない佐藤と洋子―――。鈴木が出て行くときも佐藤は鍋の味のほうが気になってたみたいやし―――。
鈴木は非日常の殺しを持ち込もうとするが、佐藤どころか洋子までも日常を崩さない―――。圧倒的な格の違い―――
皮肉にもフードとコードの前で余裕を見せて飲んでいた鈴木と被っている~。
顔を知った後でも放置された鈴木―――。バカにしていたフードとコードと同じように放置された鈴木―――。ヒナコはファブルの仕事を目撃していても放置されている―――。これは脅威がないからだろう―――。鈴木は自分のことを『フードとコードと同じどころかヒナコと変わらない扱い』だと知っただろう―――。ただ負けただけではなく、こんな対応をされたら鈴木のプライドはズタズタ・・・・。でもこの表情・・・
心折れて諦めたという顔ではない―――。これはまた襲撃しそうな表情―――。
鈴木はプライド捨ててなりふり構わずに仲間集めたり武器をいっぱい揃えてたりして向かって来るのか―――? それともプライドを取り戻そうと、あえて一人でハッシュパピーだけで向かって来るのか―――?
おみそさんへ、
作者、貝沼くん切ってしまいましたネ〜。
井崎の苛立ちが気になります。
適当な処理をして貝沼くんが発見されてしまうとか。
鈴木には屈辱もあるんだろうけど「命を救ってもらった」恩義も、感じているんじゃねーかなー。まー、おちょくられたような感じもあるけど、自分より圧倒的に格上のものを見させられて、命を救われた。まぁ恩義?
確かにリベンジ再襲撃の可能性もあるけど。そうじゃねくって、もうこの兄妹(?)には手出しするまいと感じていても、不思議はないのかなぁ……。人間の心理って、深いというか、微妙というか。人間の運命って、ほんと紙一重の判断で、変わってくるというか。あと貝塚は、助かるんじゃないかなー。このあとまたちょこっと状況の変化的なものが起きて。