山岡が太平市で暗躍する中―――佐藤は社長の計らいでミサキとバッファローで飲むことに。そこには洋子と再会したいプレイボーイの河合が居た。
あらすじ
佐藤が入店した時に言った「ヨウコと来た事がある」「前に一度妹と」の言葉とマスターが「佐藤くん」と呼んだことで、河合は目の前の男が『洋子の兄』だと気づく。
河合「ひょっとしてヨウコちゃんのお兄さん!?」
佐藤「え?」 マスターも「え?」
佐藤「あ―――妹はヨウコだ。確かに―――ヨウコの兄かな・・・」
河合(チャンス到来ッ!! 無様にウンコを漏らした屈辱を返上するには―――この兄に気に入られるしかない―――!!)
河合「マスター、俺から彼に一杯!」
マスターは”バッファローのモハメド・アリ”こと河合ユウキの動きを観察しつつ、佐藤に瓶を差し出す「コレ―――河合くんから」
佐藤「河合くん・・・?」
河合「いいのいいの――― ヨウコちゃんのお兄さんでしょ? 妹さんとは二度ほど一緒に飲んでるねん―――いいカッコさせてよ~」
ミサキがカウンターに顔を出す「あら―――河合くんいらっしゃい―――」
河合「ミサキちゃん久しぶり―――」
「河合はミサキも狙っていた」というマスターの心の声の解説が入る。
河合はミサキの前でも佐藤にすり寄る「お兄さん体調はどう―――? ヨウコちゃんから少し聞いてたもんで―――しばらく体調が良くないって―――」
事情を察した佐藤「まあ―――はい・・・今日は良い!」
河合「良かった!」
ミサキ「佐藤くん、アタシも飲んでいい?」
佐藤「どうぞ――― そういや―――ミサキちゃんと初めて会ったのがこの店の前やった!」
ミサキ「あ~ チンピラに絡まれてた時・・・」
佐藤「あ―――鼻血を出して泣いた―――」
河合「残念やな―――・・・ もう少し兄さんと早く知り合って――― 俺がその場にいたら・・・ 俺が守れたのに―――」
「守りたくなるから」という理由で佐藤とミサキの分を奢る事にした河合。
ミサキと佐藤は河合に礼を言う「河合くんありがと―――」「オゴリ? どうも―――スイマセンです」
河合「いえいえ―――♪」
ミサキ「河合くんもこっちで一緒に飲んだら~?」
河合はミサキの言葉に乗り、佐藤の隣に座る。
河合「じゃあ あらためてカンパイ!」
河合に肩を触られた佐藤は
河合に手刀を当ててそこから倒そうとする事を考えるが、我慢する(危ない―――あんまり知らない男から急に触られたから、つい攻撃してしまうとこやった―――・・・)
河合「ビクッとして大丈夫? お兄さん―――」
ミサキ「ホラ カンパーイ♪」
佐藤は空気を変えようと洋子に電話をかける。
ミサキ「ヨウコちゃんも来たらって!」
河合は耳を澄まして固唾をのむ。
スマホでテレビ電話として繋ぎ、佐藤と河合が覗き込む画面に、部屋にいる洋子が映る「あっ! 河合くん――― こんばんわ――― 兄と一緒なんですね~」
河合と飲んだ時の事は「酔って覚えていなくて何をしたか恥ずかしくて連絡出来なかった」と言う洋子。
河合はそれを聞いて自分の醜態を見られていなかったと思い、安心する「ヨウコちゃんは何もしてないよ。可愛かったよ―――」
その一部始終を見ていたマスター(いや! ヨウコは覚えてるぞ!! 君が―――ウンコを垂れ流した事も全部―――ッ!!)
勿論洋子も覚えていたが、まだ河合と遊びたい洋子は忘れたフリをしていた。
だが、今はトレーニングをしているので全身筋肉痛なので断る洋子「そっちに行きたいけど今夜は行けないの。明日朝早くて・・・」
河合「あ~ そうなん―――」
自分のスマホを見るミサキ「あれ? 社長から仕事入ったから来れないって!」
社長はミサキを佐藤とくっつけるために嘘を付いていた・・・。
感想
兄さんの好みのものをハメたい男・・・・。
河合の今のターゲットはミサキより洋子か―――。まぁ洋子にはベタボレだったしなぁ~。河合がミサキにそれだけ惚れていたとしたら、ミサキが不定期出勤だとしても出勤日を聞き出してもう落としていたかもしれない―――。洋子に対しては、醜態を晒した可能性があるのに再び会いたがっていた―――。プレイボーイならそういうトコロを見られたらもう会いたいとは思わないだろうに、また会いたがっている―――。ミサキは遊びの相手としか見ていないだろうけど、洋子はもしかすると河合にとって初めての本気の相手かもしれない―――。河合自身はそんな事は気付いていなさそうだけど・・・・。
河合はケンカは弱いのか―――。洋子と初めて飲んだ時に体を鍛えていると言ってたけど―――
それは洋子の推測通り、やはりモテるための見せかけの筋肉か・・・。でもこれはある意味モテるためのプロだと言える―――。
佐藤に近づくために奢ろうとして、きっちりミサキの分も奢る河合―――。洋子を狙いつつ、ミサキの脈も残しておく―――。プロか―――。
洋子が来れないと知った河合は、佐藤を落とすために全力を注ぐことになると思うが―――男を落とすワザも持っているんだろうか―――? 男の落とし方ってのを覚えたら河合はもっとプロになれる!
夜に営むのは”暗殺”の男・・・・。
不意に河合に触られた佐藤―――
ピクッと反応してしまったけど、洋子も河合に触られた時にピクッと(こっちはワザとだけど)したから―――
逆に兄妹だと思い込ませるのに良かったかもしれない―――。気が弱いという設定にも合うし~。
でも反撃せずによく我慢したな~。大阪へ向かう時に立ち寄ったSAで車上荒らしに触られた時は―――
反射的に手を出してしまったのに―――。
今では触られても我慢出来るようになったし、さらに笑顔も作れるようになった―――
それに今はカウンターに座って背を見せている状態―――。初めてバッファローに来た時は店内を見回せる隅っこの席に座っていたのに―――。”ふつう”になりつつあるのか―――? もし河合に手を出したらの想像で河合を倒した後にミサキの顔を見るのは―――
ミサキの事を気にしているからか―――? 単純にこのバーの中で今後も付き合いがあるのがミサキだけだからなのだろうか―――?
佐藤はだんだんと”ふつう”の人に近づいているが、今の太平市は山岡とユーカリが暴れている状況―――。段々気が緩みだし、殺しのスキルが落ちてきている佐藤―――
自分自身もナマッたかと思っている佐藤が、中国の前線でバリバリ仕事をしていたユーカリとぶつかった時に勝てるのか~? 反対に洋子はプロとして鍛え始めたが―――・・・・。佐藤はボスから「臨機応変ってのを覚えたらおまえはもっとプロになれる!」と言われて”ふつう”の生活を体験して人間としての視野は広がったと思うけど・・・・。
大勢の人と交わってきた男・・・・。
マスターはあくまで傍観者か―――。洋子と河合の対決にもプロらしく公平に扱ったからな~。そんなマスターとしてのプロが佐藤を見たら本性を見抜いたりするんだろうか―――? 田高田社長が飲みに行っているスナックのママは佐藤の目を見て”泣きべそ”だとは信じなかったが―――
マスターも職業柄色々な人を見てきただろうし・・・・。佐藤が実際は強い男だと分かっても、プロとして黙っておくかなぁ~? 触らぬ神に祟りなしってのを覚えたらマスターはもっとプロになれる!
真実をスワップさせて交わる男女・・・・。
洋子と繋がりたいから「あの夜は何もなかった」と嘘をついた河合―――。河合というオモチャを手放したくないから「あの夜の事を覚えていない」と嘘をついた洋子―――。佐藤とミサキをくっつけるために「仕事があるから行けない」と嘘をついた田高田社長―――。
人と繋がりたいがために自分勝手な嘘をついた河合と洋子―――。人と人を繋げたいために優しい嘘をついた田高田社長―――。寓話なら―――我儘な嘘をついた河合と洋子は痛い目にあって、良い嘘をついた社長は良い目にあうはずだが―――・・・・。社長の望み通り、佐藤とミサキの間は進行するんだろうか―――? 佐藤とミサキがねんごろになるより先に―――年号が変わってしまうそうだけど・・・・。
これはこれで面白かったけど
肝心の部分がまったく進んでねぇw
山岡とユーカリの話が進んで欲しいのに、焦らさないでくれ~
山岡さん恐怖を感じないみたいだけどユーカリともう一人の組織の人間が、佐藤にあっさりやられたら恐怖を感じるかもね。
強さの次元が違いすぎて。
今更ですが思考の中でも方言決めてるって、トントンの精度すごいっすね