洋子が「話がある」と家に山岡を呼んだが、洋子は山岡を親の仇だと推測して攻撃しだす。しかし返り討ち。
山岡は「自分は洋子の両親を殺したし、復讐する権利がある。しかしその程度ではまた返り討ちにしてしまう」と言い、去っていった。
あらすじ
山岡のアジト
アジトではユーカリとアザミ、地下格闘技の男がいた。
ユーカリは、地下格闘技の男を鈴を付けた事からスズムシと呼んでいた。
ユーカリはスズムシにビールを持ってこさせようとしたが、ユーカリの居る位置は「超えたら殺す、命のライン」と言われたビリヤード台の向こう側。スズムシが戸惑っていると…
ユーカリ「臨機応変にやれよ~ そこは―――! おまえは政治家か―――? それとも役所か?」
アザミ「この国が個人事業主なら、とうに潰れてる―――。頭が固いだけで知恵と工夫がなさすぎる―――」
スズムシからビールを受け取るユーカリ「おまえはもっと知恵をしぼったほうがいいぞ――― そうやったら俺達から逃げ延びられるか―――」
スズムシ「あの・・・ もうひとりの―――・・・・ 俺のツレは・・・どうなったんスか・・・・?」
ユーカリ「さあな――― 直接 山岡さんに聞いてみろよ~ あの人はそういうとこは正直に答えてくれる―――」
アザミ「確かに――― 純粋な有限実行者だ――― 社交辞令ってのがない――― 約束は守る人だな~」
山岡が帰ってくる。ユーカリ「お帰り―――」
スズムシをけしかけるユーカリ「ホラ 聞いてみろよ―――!」
山岡に恐る恐る話しかけるスズムシ「あの・・・山岡さん・・・ 俺のツレは―――・・・」
山岡「ん? あ―――とうに死んだよ。マツがバラしたってさ。それよりヨウコだヨウコ!」
ユーカリ「な―――! 正直に教えてくれたろ」
ユーカリの言葉を聞いて震えているスズムシを見た山岡「!? あ―――すまない! 言い方が悪かったな~ こうゆう所にもっと気を遣うよう心懸けねぇとな!」
スマホを出して写真を見せる山岡「コレでホラ、ハッキリするだろ!」
写真はスズムシのツレが頭部を撃たれた後の写真だった。
何事もなかったようにアジトの奥に歩いていく山岡「だからヨウコだ ヨウコ―――ッ!! 上司の俺に殴りかかってきやがった―――」
アザミ「へぇ―――」
山岡「でもアイツの部屋、監視カメラだらけなんだよ~」
腰が抜けて座り込むスズムシ(ヤバイ・・・ ヤバイ・・・ 俺も殺される・・・・)
洋子の家
洋子は山岡と戦ったときのことを思い出していた。
洋子(スピードはほぼ互角だった―――・・・・ パワーと勘の良さで明らかな違いが出た・・・・)
アジトに居たユーカリやアザミのことも思い出す洋子(武器がいる―――)
スマホが鳴り、出る洋子「はい―――」
「銃がいるんじゃないか? 山岡を敵にまわすなら―――」
電話の相手はマツだった「さっき山岡とおまえが話している間に――― ポストに鍵を入れておいた――― あるアパートに銃を隠してる! 俺は山岡に監視されてるから、今は出入りしにくい」
洋子は家のポストの中に鍵を発見する「え―――あったわ。住所は?」
マツ「おまえの兄が協力するなら教える―――」
洋子「兄は関係ない――― 私の問題よ!」
マツ「じゃあダメだ。おまえじゃムリだ―――!」
マツは自分はもうすぐ用無しで消されそうだが、娘が人質にとられていて逃げられないから信じてくれ。確実に山岡を殺さなくてはいけないと言う。
マツ「佐藤明の協力があるなら住所を教える――― 期限は明日の夜7時―――!!」
電話を切るマツ。
佐藤の家
佐藤はジャッカル富岡出演の昼ドラの録画を見ていた。
ドラマの中のジャッカルは「自分は確かにバツ9だが、おまえはバツ3だろーが!」と口説いていたアイに詰め寄るが、「だからどうしたジジイ!」と言い返されてしまう。
佐藤「まったく先が読めん・・・ このドラマ―――」
感想
罠を掛ける男・・・・。
鈴を付けたからスズムシと呼ばれている地下格闘技の男―――。ユーカリにビールを持ってこいと言われても、ビリヤード台の向こうの”命のライン”を超えてしまうから戸惑うスズムシ―――。臨機応変に動けって言われても怖いやろ~。知恵と工夫を使えと言われても、ユーカリの裁量次第だから、ラインを超えるのは怖い・・・・。ビリヤード台の上に瓶を滑らすぐらいしかできん・・・・。それでも泡が出ると怒られそうだし・・・・。生きた心地がしない・・・・。
ユーカリがスズムシに「知恵をしぼって生き延びる方法を考えろ」っていうが、これはユーカリが楽しむための罠だなぁ・・・・。力を使って暴れていた男が、ちょっとした掛け違いで力で支配されるという逆の立場になるのは自業自得か・・・・。ファブル(寓話)にやられてしまうのも仕方ない・・・・。
映り合うファブル・・・・。
山岡「上司の俺に殴りかかってきやがった―――。でもアイツの部屋、監視カメラだらけなんだよ~」
忘れてた―――! 洋子の部屋は真黒組が仕掛けた監視カメラがあったんだった―――!!
洋子の家に来た時、山岡は左右を見ていたが―――
監視カメラを見ていたのか―――。佐藤も真黒住宅に最初に来たときにガレージの監視カメラを発見していたし、宇津帆に太平興信所に招かれた時も「監視カメラが潰されている」とちゃんと見ていた―――。現代に対応するためには監視カメラを見つけるのは当たり前のスキルか―――。洋子は家の監視カメラに気づいていないのか―――?
洋子が山岡とは「スピードはほぼ互角」と見ていたが、カメラに映されていたから手を抜いていたとかあるんだろうか―――?
カメラの映像は、洋子はファブルだと知っているクロにまた消してもらうのか~?
洋子を手玉に取った男っていうことでクロが変に食いつかなければいいが・・・・。
駆け込む男・・・・。
掛け違う女・・・・?
掛け合う心配・・・・。
マツと洋子が電話を掛け合い接触―――。マツが佐藤兄妹に頼って駆け込んできたか―――。面白くなってきた―――。武器商人として中立でいるように物事を俯瞰で見たり、山岡にヤラれた過去があるから―――勝てない相手には自分の力だけで解決しようとせずに、強い者をぶつければいいと考えたか―――。アザミは「山岡は約束を守る人」と言っていたが、リタイヤを考えているマツを組長をヤッた犯人に仕立て上げようとしていたが・・・・。犯人にはするが、逃亡はさせる気か―――?
マツはここで洋子が山岡と敵対していることを知った―――?
洋子がいきなり来て、一人を首を締めて気絶させたからな―――。山岡と友好的だったらそんなことはしないだろうと感づいたか―――。
マツは洋子に信用されるために、娘が人質に取られていることを明かした―――。洋子はマツが組織の者ではないと知っているから、用が無くなると消される立場であると洋子も分かっているだろう―――。洋子はマツのことを信用しただろう―――。マツは他人を頼る、利用することで生き延びようとしている―――洋子はこのまま自分で仇を討つなら自分はどうなってもいいのか―――? 山岡に両親を殺された洋子が、山岡から娘を守りたいと他人を頼るマツの話を聞いて、佐藤に頼ろうと心変わりするんだろうか―――?
一人で闘う方法だけ考えていると、力量の差が大きいから結局は玉砕覚悟になってしまうと思うが・・・・。仇を討ちたいなら、偽りだけど兄なんだからちょっとぐらい心配を掛けてもいいのだが・・・・このまま掛け違いに気づかずに突っ走っていくんだろうか―――? そうなるとさすがに佐藤も様子がおかしいことに気づきそうだが―――。
でもマツの協力を得るなら、佐藤に事情を言わなければならないが・・・・。佐藤はどう動く―――? 火の粉がかかってくるだけでなく、自分から火の中に飛び込んでいかなければならなくなるが―――。自分からは動かずに、あくまで兵士としてボスの命令を待つんだろうか―――? 今までは散歩みたいなものだった(宇津帆の時は怪我したけど)から軽い気持ちで動いたんだろうけど、今度は散歩では済まない強さの相手で、さらに上司だからな―――。洋子が困っているとなったら助けるんだろうか―――? 佐藤は洋子に「火の粉がふりかかりそうになったら逃げろ」と言っていたから、掛け合う心はもっているだろう―――。
佐藤明が協力するとなれば、マツから銃を用意してもらえる―――。銃を使うことで、佐藤が目指している「知恵と工夫で普通にある物だけを使い、スペシャルなものは自分の身体だけ」という目標からも逸れてしまう―――。でも本物の銃無しで、オモチャの銃で組織の人間に勝てるんだろうか―――? 銃を持ち出すかどうかで佐藤の本気度を測ることができるだろう―――。「素手での勝負をしよう」と掛け合ったらユーカリはのってきそうだけど―――。
ユーカリ達との対決も楽しみだが、佐藤の気持ちの変化がどうでるかも楽しみ―――。
掛け替えの無いヒロイン・・・・。
ジャッカル富岡が出演している昼ドラ『愛という名のウィークデー』
ジャッカルが口説き落とそうとしている相手はバツ3か・・・・。ジャッカルに「一億だったら抱かせてやる」と言っていたり、曜日で女を変えるタツヤの花金の女になることに文句を言わなかったが―――
バツ3なら納得~。バツ0でもいるだろうけど~。
でもバツ9の男、曜日で女を変える男に、ヒロインがバツ3の女て、どんなドラマや~。筋書きが読めん~。
この昼ドラのヒロインは開き直ったが―――
山岡の感動巨編のヒロインに選ばれたミサキは痴漢相手にも強く言えなかった・・・・。ミサキがどう絡んでくるのか分からん(山岡が佐藤をおびき出すための餌にする?)が―――感動巨編のラストには佐藤とミサキがお互い気に掛け合うような仲になるんだろうか―――?