【ザ・ファブル】198話「逃げる男・・・・。」自分の価値観からは逃げられない人達・・・・。

山岡のアジトで佐藤兄妹、ミサキ、山岡、ユーカリ、アザミ、マツと役者が揃った。
佐藤とアザミが手合わせをすることにあるが、アザミがボスから「山岡を拘束しろ」と命令を受けていたことを知り、佐藤はアザミと協力して山岡を捕獲しようとする。
だが山岡は銃を持っていたので逃げることに成功。
車で逃亡した山岡を、佐藤とアザミも車で追いかけ出し・・・

あらすじ

逃げる車内の山岡

両腕にケガをしながらも、運転を続ける山岡「ちくしょ～　イテェな～　俺のシナリオを邪魔しやがって―――・・・・」

バックミラーに追いかけてくる車を発見する山岡「あぁ―――!?　マジかよォ―――」

追いかける車内の佐藤とアザミ

アザミ「車を転がす体力はまだまだありそうだな―――・・・」

佐藤「逃げられた―――　殺らずに拘束するってのには慣れてない―――」

アザミ「じゃあどうして　もっと早い段階から戦わなかった？　おまえの力なら　俺たちなんか　すぐに制圧できただろ」

佐藤「あんたが敵か味方か　わからなかった―――　戦うにも　どこまでやっていいか判断がむつかしい―――　ボスは　なんて言ってる？」

アザミ「佐藤兄妹に害となるなら山岡を殺らずに連れてこいと―――　おまえの顔はボスに写真を見せられた―――」

佐藤「なるほど―――　とにかく今は山岡をなんとかしないとな―――」

アジトの倉庫

スズムシは目を覚ましていたがフラフラの状態。

洋子「そこ（ソファー）に座っときな―――　動くなよ―――　変な動きをする度に一本ずつ骨を折ってあげるわよォ～」

洋子はプレハブの中を覗き、ミサキに声を掛ける「ミサキちゃん―――」

ミサキ「ゴメン―――　少しそっとしといて・・・・　いろいろ頭の中が整理つかなくて・・・・・・」

洋子「そうね・・・・　ゴメンね―――」

倒れたユーカリの様子を見ていたマツ「ヨウコ―――」

ユーカリが目を覚ましゆっくり起き上がる「あれ・・・・　山岡さんは―――・・・・」

洋子「逃げたわよ―――」

マツ「佐藤アキラとアザミが今追ってる―――　本当や―――」

洋子「詳しい事情は私達にもわからないの―――　二人が戻るまで大人しくしててくれる」

ユーカリ「あ!?　誰が誰に指図してんだ!?」

洋子に殴りかかるユーカリだったが、胸の痛みで動きが止まってしまう。

洋子「やめな―――　兄の攻撃で　たぶん何本か　アバラにヒビが入ってる―――」

洋子「ひとつ聞くわ―――　組織の者として　あんたは　誰の言葉で動くの―――？　山岡―――？　ボス―――？」

ユーカリ「・・・・」

一方、山岡と佐藤の2台の車は、夜の工業地帯に向かっていった・・・・

感想

逃げる男・・・・？

山岡は佐藤に右腕を撃たれて、洋子に左腕を撃たれている―――。

佐藤が撃った右腕のほうが流血が多い―――。洋子が撃った時は山岡はハンモックに包まれていたから仕方ないが、佐藤の銃の腕前はさすがや―――。でも山岡は、ここにきてもシナリオのことを気にしている―――。やはり逃げるよりも、自分の命よりも、シナリオが優先順位が上か―――。今もただ逃げるんではなく、シナリオのクライマックスに向けて走ってるのか―――？

時代で
陰る女・・・・。

アザミがボスから言われた命令「佐藤兄妹に害となるなら山岡を殺らずに連れてこい」―――。
“佐藤兄妹”に害となるなら―――
佐藤だけでなく洋子も入っている―――。最高傑作と呼ぶくらいだから佐藤はボスのお気に入りだろう―――。だから佐藤を守るのは分かる―――。でも洋子も入れるのか―――？
これはボスが洋子に対し、組織に入れた経緯に罪悪感を感じて、佐藤と同じように一般社会に戻れるなら戻してやりたいと思った―――？　それとも佐藤にとって、殺しをしたことが無い洋子は一般社会への橋渡し役として大事な役目だからなのか―――？
佐藤でも仕事で巻き込んだヒナコのことを気にかけていた―――。海老原と話していた時や、山岡を殺さずに連れてこいと言うボスを見ると、情もちょっとぐらいは持ってそう―――組織を揺るがす者には情け容赦ないが―――。佐藤は時代遅れだから一般社会にかえしてやりたいと言っていた―――。記憶力がいい洋子も―――撮影・録音・検索が携帯できる端末で済ませられる時代ではもう必要の無い能力と言える―――。

逃げた男・・・・。
逃げなかった男・・・・。

洋子に脅されるスズムシ―――。洋子が初めて倉庫に来た時に一回ヤラれてるからな～。スズムシは命は助かったか―――？　改心していればいいんだが―――自分の命惜しさに、ミサキを攫ったり―――襲おうとしたり―――・・・・もう改心しなさそうだが―――・・・・。蜘蛛の糸はもう切れてしまってそう―――・・・。

マツは殺しもやってきたが―――今回は娘のため、洋子のため―――自分の命が危ないにも関わらず、人のために動いた―――。それが報われたのか、このまま無事に終わって娘と一緒に暮らせそう―――。

疑問を
投げる女・・・・。

洋子がユーカリに聞く
「組織の者として
あんたは誰の言葉で動くの―――？
山岡―――？
ボス―――？」
組織の者としてじゃなく、一人の人間として親の仇を討とうとした洋子―――。組織を敵に回しても仇を討ちたかった洋子―――。しかし敵討ちはすでに諦めた感じがする―――。ボスからの命令「殺しをするな」―――今まで殺しをしたことが無い洋子の中にある人としての良心―――洋子が山岡を殺らないと決めたのは―――
ボスからの命令―――？
人としての良心―――？
引き金を引くまでにためらったし、引いた時はつらそうな表情をしている―――。

一線を超えられなかった洋子は一般人と近い感覚をしている―――。オモチャの銃ではガンガン撃ったけど―――。

目覚めたばかりで状況がつかめず、頭の整理がつかないユーカリはどっちだ―――？　楽しめればどっちでも良いと言いそうな気もするが―――組織の者としてならボスじゃないといけない―――。ボス直系の最高傑作に簡単にヤラれてしまったから、観念してボスに忠実な部下になるか～？　「誰が誰に指図してんだ!?」と洋子に殴りかかったのをみると、強い者には従うという考えを持っていそう―――。

頭の整理がつかない人がもう一人いる―――今まで佐藤兄妹をヘタレの元格闘家の兄と飲んだくれの妹と思っていたミサキ―――。
ミサキは佐藤兄妹のどの姿を見て判断して動く―――？
倉庫内で見た佐藤兄妹―――？
今まで接してきた佐藤兄妹―――？

佐藤の活躍でユーカリにはアバラにヒビが入った―――ミサキの気持ちにもヒビが入った―――。ミサキが佐藤兄妹と離れたいと言い出したら―――佐藤はどう動く―――？　そのまま逃がす―――？　追いかける―――？　まずはプロとして―――山岡を追いかけて捕まえないといけないが―――。山岡・洋子・ユーカリ・ミサキが状況が変わった中で「自分はどう動けば良いのか」にそれぞれの考え・価値観で答えを出そうとしている中、佐藤は人として―――ミサキに対してどう動く―――？