雅のいる要塞化された東京まで来た明達。
東京の周りを囲んだ壁が聳え立っていて、邪鬼のエテ公がバラバラにされちまった…
あらすじ
吸血鬼の兵器によってバラバラにされたエテ公。
鮫島「邪鬼でさえ 歯が立たない…」
明「これが…東京の壁… 誰も超えられない…」
勝次「しかしクソハゲ。マジでどうすんだよ。こんな壁どうやっても超えらんねェよ。どうやって東京に入るんだよ」
鮫島「そうだな。エテ公がここで壁に穴でも開けてくれりゃ楽だったんだけどな。仕方がない。別の道で行こう」
勝次「別の道?」
鮫島「何言ってんだよ。元々弟が東京から逃げてきたその道を行くはずだっただろ。コイツは壁超えなんてしてねェよ」
勝次「じゃ どうやって来たんだよ」
精二「死ンダ… ミンナ… 死ンダ…」
ボソボソ喋る精二。
勝次「なんだって?」
鮫島「案内するからついて来いってよ。行くぞ明」
明「ああ」
同情した表情でエテ公を見る勝次。
鮫島「どうしたクソガキ」
勝次「ン? いやさ。こんな切り刻まれちゃうとなんかエテ公もかわいそうだなって」
鮫島「フン ただのエロジジイの成れの果てだよ。くだらん事言ってないで行くぞ」
勝次「…まァな。バイバイ エテ公」
街中を進んでいく明達。
精二がボソボソ言い出す。
鮫島「ン? この辺だと? おいチビども。この辺に穴があるってんだけど探してくれ」
穴を探していると、川を見つけた明達。
ネズミ「川に出たぞ」
勝次「そうか! 川を泳いで東京に入るのか!」
しかし川が壁に当たる所には鉄格子が嵌められてあった。
勝次「駄目だよ。川からも鉄格子で入れなくなってるよ。ったく 鴨はいいよな。能天気で」
川を泳ぐ鴨。
いきなり精二が川に飛び降りた。
鴨は飛び降りてきた精二に驚き、飛んでいく。
勝次「何やってんだよ!! 鴨追い立てて。子供かよ!!」
精二のマスクの目の所の穴から涙が流れ出す。
いきなり叫び出す精二「ウオオオオオオ ウオオオオオオオ」
鮫島「バカッ 大声出しやがって」
川に下りて精二の口を塞ぐ鮫島「ここだってまだ壁の近くなんだぞ。見つかったらどうすんだ!!」
精二「ウウ… ナカマ…」
しゃがんで川の水の中から頭蓋骨を拾い上げる精二「ナカマ… ココデ死ンダ… 傷ツイタ ナカマ… 俺ガ ココマデ 運ンダ…」
鮫島「精二… 辛かったんだなお前…」
何かに気づき、橋から飛び降りる明「危ないっ」
明は精二を押し倒した。
鮫島「なっ 槍っ!!」
明は飛んできた槍から精二を守ったのだった。
ウー ウー
サイレンが鳴り出す。
勝次「サイレンだ!! 見つかっちまった!!」
川にかかるハシゴを登り始める鮫島「逃げるぞ!! もっと槍が来る。壁の死角に入らないと!!」
川に残って叫び出す精二「ウガアア ウガアア」
鮫島「何やってんだ精二!! 逃げろバカ!!」
精二「ココダ兄キ… ココニ…入リ口ガ…」
鮫島「何っ」
川底の壁に寄りかかっていたトタンを掴んで盾として槍を受ける精二「コレデ…フセグ…」
トタンに隠されていた川底の壁には下水道の横穴があった。
明「トタンがあった所に穴が… 下水の穴か…?」
精二「カクシテオイタ… 入リ口ダ… 槍ハ マカセテ ハヤク…ハイレ…」
精二が盾になってくれている間に明達は穴へと入っていく。
明「ついに…東京に…」
感想
ったく 先生ェはいいよな 能天気で
サブタイトルが「鴨」だからてっきり吸血鬼を鴨にして壁の中へ侵入したり、人間を鴨にしてる吸血鬼が出てきたりすんのかァ?と思いきや、そのまま鴨が出てくんのかよ!
そしてその鴨も別に深い意味がねェじゃねェか… 先生ェは長期連載になっちまってサブタイトルを考えるのが面倒なのかァ? でも今回は「穴」とか「ナカマ」じゃ駄目だったのかァ?
なんだよ急に失禁ムードかよ
気持ち悪ィな
ネズミの失禁汚ねェ! ケーブルカーに乗っている時にエテ公に追いかけられてた時にも失禁してたのにまた失禁しやがった!! 迫力があるでけェ金剛とか見ちまった後なのに、邪鬼が吸血鬼の武器でやられちまっただけでそんなにビビんのかァ? 小学生の勝次がそんなにビビんねェでいるのに大人のネズミは情けなくねェのかよ… 「俺は小学生には強ェんだよ!!」っていってた威勢のいいネズミはどこいっちまったんだ? 壁が怖かったとしても追いかけて迫ってこねェんだから、壁に近づかなければいいだけじゃねェか。それとも最近、人間が吸血鬼に噛まれて失禁するシーンがねェから代わりにこんなところで失禁させてんのか? でも読者がそんな変態ばかりとは思えねェし… 先生ェの考えはよく分からんんな。
クソハゲ!! この救世主様を呼ぶにはクソを付ける必要があるのか!!
勝次が鮫島の事を「クソハゲ」と呼び出す。ハゲだけではなくクソまで付けてきやがった! 鮫島も勝次の事をクソガキ呼ばわりしているから、勝次もクソを付けたのかァ? でも悪く言いながらもこの二人は絆が出来ていってるなァ。吉川の最後も鮫島も一緒に看取ってあげたし。東京から帰れたら、勝次は芦ノ湖の海賊船に住んでもやっていけそうだなぁ。吉川(吉川は旧姓で本当は山本)も勝次が明だけではなく鮫島とも仲良くやっているのを見たから心置きなくあの世へ旅立てたんだろうなぁ。東京で勝次と鮫島は無事に帰ってほしいなぁ… でもこのまま行くと雅と対決するんだろうし…心配だなァ…
邪鬼とは何度もやりあった かわいそうなのも熟知しているつもりだ
今まで人間側なのに邪鬼を倒す時になると「なんだか邪鬼もかわいそうだな」って言うヤツがいたけど、今回は同意できるなァ。エテ公はただ女を追っかけてただけじゃねェか。ススキ草原で痴漢をしてたけど… あの女への執念を見るとちょっとはいい目にあってもいいんじゃねェか?と思っちまうけど、ススキ草原で人間を喰ってたなァ… やられちまうのはしょうがねェか。
コイツらが鮫島兄弟
見かけによらず
仲間思いの奴だ
精二に仲間がいたのか。精二は芦ノ湖では遊覧船のリーダーをやっていたが、それに抜擢されたのは兄の鮫島の権限もあったはず。ろくに喋れねェしマスク被ってるしで、東京では一人で行動していたと思い込んでいたなァ。極度の人見知りでマスクをかぶってる精二と仲良くなったんだから仲間はそうとう良いヤツだったのか? それとも精二の強さを頼りにしただけのヤツだったりしたんだろうか?
トタンなんかで槍を防いで「穴に早く入れ」と言ったり精二もなんだかんだでナカマ思いなのか? でもトタンで槍が防げんのかよ!
精二「こんな事もあろうかと
トタンだけはずっと隠していたんだ
最高の盾を作ってやるよ」
それに壁の中には槍がどんだけあるんだァ? 後で回収できるとしても大量に投げる必要あるのかァ? 邪鬼に対してなら大量に投げるのも分かるが、人間相手なんだからそんなに警戒しなくてもよくねェか? 数人の人間なんて吸血鬼達ならなんの脅威もねェはずだが… もしかして壁の中にいるのは吸血鬼と思わせといて、実は吸血鬼から身を守っている人間達だったりするのか? 中に篭っているのが人間なら壁を作って警戒するのは理屈が通るが… 壁の中には吸血鬼達がいるというのは先生ェの高度なミスリードか?
仲間を思い出して大声で泣いている精二の口を塞ぐ鮫島。
へ? マスクの上から口を塞いで声を抑えられるのか?
コイツらのやってる事はよくわからんな
話半分で見ておこう
みんな 下水道に入ったな!! 行くぞォ!!
要塞化した東京への入り方は下水道からか。川の鉄格子は、牢屋ごと吸血鬼を斬れる明ならあんな鉄格子もスパッと斬れそうだけど…って思ったら槍が飛んできて穴に避難するように逃げなきゃならなくなったなァ。
入った下水道の中には、また邪鬼がいそうだなァ… たまには人間サイズの強敵と戦ってほしいんだが、でも精二も加わって邪鬼と戦うのも面白そうだなァ。
面白ェわ やっぱ邪鬼との戦いはホント面白ェわ
と言わせてくだされ 松本光司様ァァ!!