洋子がマツから銃を受け取って、山岡のアジト襲撃の計画を立てる中―――
佐藤は、洋子が山岡と会って親の仇だと知ったこと、洋子が銃を用意している事を知る。
ユーカリはスズムシを連れ、ミサキを攫うために車で出発。その車には引退するマツも同乗。マツは、このまま解放されるか始末されるか疑心暗鬼に陥る・・・・
あらすじ
車内
日が落ちかけている時、スズムシの運転で助手席にユーカリ、後部座席にマツが乗車してドライブ。
スズムシが逃げないように銃をチラつかせるユーカリ。
スズムシ「マツさん・・・ 俺のツレ・・・殺ったのアンタやろ・・・・ 最後の言葉とかあった?」
マツ「ま――― 俺の娘もマワすと息巻いてた――― おかげでなんの罪悪感もなく、仕事ができた―――」
ユーカリ「よーし! この辺で止まれ――― ここでいいだろマツさん? この通りを50メートルほど行ったらアンタの隠れ家なんだろ?」
マツは隠れ家がバレていたことに驚く。
ユーカリ「短い間だったがありがとな~ 引退して娘と暮らすんだって―――?」
マツ「あ・・・まあ」
ユーカリ「元気でな―――」
車を降りようとするマツに銃を向けるユーカリ。
固まるマツ「!?」 娘の咲良のことを思い浮かべる。
ユーカリ「冗談だよ! 警戒しすぎだろ~!! まあ―――無理もねえか! 悪い悪い! じゃあな――― 出せ―――!!」
スズムシ「はい」
マツをおいて車は走り去っていく。
マツ(解放された―――? あの山岡が俺を―――・・・)
マツ(でも山岡達は俺の隠れ家の事を知ってた―――・・・ 銃を隠してたのもバレてる可能性がある―――・・・・ ヨウコに今夜の襲撃を中止させないと―――俺はもうあの倉庫には戻れない―――・・・・)
マツは洋子に電話するが繋がらない。
マツ「くそッ! 9時に倉庫―――」
電話を見ると時刻は19時40分。
マツは娘やアザミ、山岡を思い出し思考を巡らす。
マツ(いやだ・・・ もう―――・・・戻りたくない――― やっと自由になれた――― ヨウコ・・・ すまん――――)
山岡のアジト
テーブルを挟んでソファで向かい合う山岡とアザミ。
アザミ「マツを自由にしてよかったのか?」
山岡「マツは脅威にならない――― それより部下や下の者との約束は果たす―――俺の信用だ―――」
アザミ「ボスへの忠誠心はどうなんだい?」
山岡「上の者にはワガママ言うさ――― それが俺の特権なんだよ―――」
山岡は、死のリストからマツの写真を取って燃やす。
山岡「今は佐藤明に会うまで死にたくねーな。ワクワクして仕方ねぇ――― ボスにして最高傑作と言わしめた男だ」
オクトパス
社長とミサキが仕事をしていた。
社長が壁の時計を見ると8時40分。
社長「ミサキ―――そろそろあがれよ~ 佐藤も配達からもうすぐ帰ってくるやろけどな~ 一緒に帰るか?」
ミサキ「いいですって別に―――・・・ そういうのやめてくださいよ―――」
ミサキは帰り支度を始める。
社長「もう暗いから気をつけてな―――」
上着を着たミサキ「は―――い お疲れ様です―――!」
公園
あたりは暗くなり、ユーカリ達が乗った車は公園の入り口に止め、ミサキを待ち構えていた。
感想
ツレが戻らない男
になった男・・・・。
スズムシはマツからツレの最後の言葉を聞いて絶望しただろうな―――。
なにせこれから女を攫いに行くところだし―――。最期まで人間性を失っていたツレの最後の言葉を聞いて、最後ぐらいは善行をして人間らしくしようと考えるだろうか―――? ちょっとぐらいの善行ではもう戻れないほど悪行を積み重ねているが・・・・。だけど最後にミサキを助けることがスズムシにとっての蜘蛛の糸になるのかも・・・・。
このまま戻らない?男・・・・。
マツは銃を隠してある隠れ家は山岡達にバレていないと思っていたが―――バレていた・・・・。マツは洋子と組んで欺こうとしたが、結局山岡の掌の上か―――。これでは山岡の脅威にならないな―――。そのおかげで解放されたけど―――。
しかし解放されたマツはこのまま娘のところに行くのか―――? 洋子は山岡に勝てる可能性は低い、それはマツも分かっていた―――。なのに自分が助かりたいがために洋子に銃を渡して、自分が焚き付けたような結果になってしまった―――。マツは娘思い―――銃を向けられ人生の最期だと思った時、思い浮かべたのは娘の咲良―――
洋子を見捨てて、ミサキを見捨てて―――娘の咲良と笑顔で暮らせるか―――? マツは殺し屋としてやってきたが―――スズムシ達を選んだのは用無しになった時、始末するのに罪悪感のない相手―――。 スズムシの連れを始末する時も”罪悪感”を口にしている―――。佐藤ですら仕事の時に巻き込んでしまったヒナコのことを気にかけていた―――。
裏社会に入って人間性を失うことは沢山あっただろうが―――娘と一緒に暮らすために引退するマツが、そこまで人間性を捨てたとは思えない―――。洋子やミサキが犠牲になると分かってて、このまま姿を隠すとは思えない―――。
マツができることといえば、倉庫前で洋子を止めるぐらいか~?
でも止めに行ったところで「今日、両親の仇を取る!」のテンションで来ている洋子は説得に応じるかどうか・・・・。洋子は人を殺したことが無いから、両親の敵討ちに来る時は相当の覚悟を決めてくるだろう―――。仇を討つまで戻らない女―――人間性が戻らなくなってもいい女になっていそうで、マツの言葉でそう簡単に止められるとは思えない・・・・。マツは身体を張ってまで肩入れするんだろうか―――?
もうひとつ、マツができることがあるとすれば佐藤明を呼んでくること―――。
山岡達が「人質をとれば佐藤明を誘い込める」と言って動き出しているから、マツは「佐藤明にミサキの事と洋子の事を言えば動いてくれる」と分かっているだろう―――。しかし佐藤明を呼びに行けば、佐藤と同じ職場のミサキを攫おうとしているユーカリ達と出会う危険性もある―――。
気取らない男・・・・。
下の者には付いてこさせるために約束を守り信用を得る―――。
山岡は恐怖心が無いから、何をするか分からないところがある―――。それでは部下が付いてこないので信用を得るために約束を守るのか―――。嘘や社交辞令を言わないのも―――性格もあるだろうが―――部下を信用させるためか―――?
上の者にはワガママを言う―――。
ボスに忠誠心はあるが、好奇心を満たしたいというワガママを許してもらおうとしてるのか―――? こっちから仕掛けずに向こうから仕掛けてくるようなシナリオにすると言っていたが、それは無理があった―――。ボスの最高傑作を試したいワガママを通してもらおうとしているが許されるんだろうか―――?
社交辞令を言わず、上の者にはワガママを聞いてもらう―――。恐怖心というブレーキが無くなって自制心が無くなった山岡はある意味子供~。ワクワクするものを見つけたら戻ることを考えずに突っ走ってしまう~。
“ふつう”じゃないことへ
戻らされてしまう男・・・・。
ミサキの帰り道(他のバイトに行く道かも知れないが)で攫うか―――。佐藤はもうすぐ配達から戻ってくるがミサキは一人帰っていく―――だがユーカリは公園で待ち構えている・・・・。
この公園は佐藤が通勤に通っている公園だろう―――。
出口は違うが、車止めの形が同じ―――。
佐藤が公園通って通勤していたのはオクトパス移転前だったが、現在のオクトパスは移転前と場所は近いらしい―――。
佐藤とミサキは住んでいる場所は近いから、ミサキと通勤ルートはほぼ一緒―――。まだ配達から戻らない男の佐藤が―――配達を終え、洋子を気にして早く帰宅しようとして―――ミサキを攫うスズムシに会うかもしれない―――。貝沼が変装して佐藤を襲おうとした公園(このあたりから貝沼は暴走を始めて戻らない男になってしまった・・・・)、ヒナコが鉄棒に捕まってリハビリしていた公(ヒナコは太平市に戻らない女となったが前へ進んだ―――)で―――今度はミサキが襲われているところを助けに入ることになるのか―――? そうなって佐藤がスズムシをやっつけると、ユーカリが出てくるのは確実―――。ここで佐藤とユーカリの対決になるのか―――? ”ボスの最高傑作”と普通のファブルとの違いを見せつけるんだろうか―――? 佐藤がスズムシやユーカリを倒して阻止した場合―――ミサキは佐藤の事をどう見る―――? ミサキから見た佐藤の設定は、泣き虫でヘタレの元格闘家―――。いざとなったら頼りになって凄いとさらに惚れてしまうのか―――? 鉄工所で助けてもらった覆面の男が佐藤だと気づく可能性もあるが・・・・。そうなると佐藤とミサキが今と同じ関係に戻らない男女になってしまいそうな・・・・。人間性を得ようとしている佐藤にとってはこれもいい経験になるかもしれないが・・・・。
ミサキがオクトパスを出た時は8時40分―――そうなるとスズムシがミサキを攫おうとする時刻はだいたい9時ごろになるだろう―――。その9時は洋子が山岡のアジト襲撃の時間・・・・。佐藤は間に合いそうにない・・・・。洋子はヤラれてしまうのか―――? マツが止めに入るのか―――? もう事態は戻らないところまで動いてしまっている・・・・。
マツにとうとう死亡フラグですね。アザミが言う様に考えすぎてとうとうフラグ立ったみたいな。
どんぐりの背比べや頭ひとつ抜きん出てる位で最高傑作と評するだろうか?って思いました。今回とんでもないハンデ戦になりそうですが読者がガッカリするくらい力量差を見せつけられそう。ユーカリもアザミも野生の熊とやりあえるとは思えませんもん(笑)
妙な正義感、一片の自尊心みたいな奴が出て死亡だろうな
或いは兄にギリギリ救われるかだね
だんだん佳境に入ってきましたね。面白くなってきた。ユーカリはたぶんここの公園で兄と戦うでしょうね。洋子が今死ぬとは思えないし襲撃を止めるとも思えないのでさすがにミサキと洋子の2人が人質みたいにされてる状況で山岡アザミに勝てるとも思えないから、とりあえずミサキは無事でユーカリは戦線離脱かな。
この章の事件はあと3時間くらいで決着しちゃいそうな雰囲気。
マツは佐藤の自宅や、勤務先も知っているのだから、タコ企画で検索かけて社長に連絡をとって明の電話番号を教えてもらうか、伝言で洋子の危機と倉庫の住所を知らせるくらいは出来るのではないか?洋子の襲撃を止めないと結局マツの手引きが発覚して娘ともども命の危機に再びさらされることになるのだから。
ユーカリ君の命はもう風前の灯だろう。「人生最後の日」と皮肉にも自分で言っている。ファブルにも関わらず雑魚キャラの言動が際立っている。今回佐藤明を「最高傑作」と漫画内でお墨付きが出たので、作者による本物証明がなされ、ユーカリ君の「どっちが本物か証明してやる」という健気なセリフは作者本人により打ち消されたと言ってよいでしょう。
読者も前から大疑問の、山岡はボスに逆らっているのではないか、が遂にようやくアザミ氏からでた。答えは「わがままを言う特権がある」ときた。
勝手な推測では、山岡の「恐怖心がない」は洗脳か人体実験などで無理やり奪い取られたということじゃないのか。
そしてアキラの頭のスイッチの切り替えとジャッカルへの病的な笑いの反応は無関係ではないと私は勝手な推測をする。これも洗脳や人体実験の賜かもしれない。
佐藤くんのボスが出てきて、山岡に蹴りをつけさせるんですかね。
私はマツは戻らないような気がする。「いやだ・・・ もう―――・・・戻りたくない――― やっと自由になれた――― ヨウコ・・・ すまん――――」
小島事件のとき、小島にしつこく請われて、マツはマグナムと弾丸を200万円で売った。
小島事件が落着後、カシラがマツに「銃を売ったなら俺の耳に入れといてくれよ」と、胸を開いて真実を教えてくれないか、と損得非難抜きで話した時、マツはすっとぼけて「俺は売ってない」と逃げたことがある。
こんな倫理上の前科があるので、今回同じように逃げると思われる。ただ、人並み以上に頭は回るし器用なので、倉庫には戻らないにしても、アキラに連絡をつけて洋子を救うことは充分可能なはずだ。。。。しかしまあドキドキさせやがるなぁ。。本当に面白い漫画だ。
アザミの核心を突く「ボスへの忠誠心はどうなんだい?」
下々への約束を守るというのは殊勝な心がけで立派だが、上司との約束は守りませんじゃ、ついていけないのが当然である。アザミの厳しい目付きは、そう言っているようにみえる。
山岡「ワクワクして仕方ねぇ」。。。
「アンタのワクワクのために、アンタの部下として、ボスにも逆らって、最高傑作の敵になって戦うってのか?」アザミの表情はそう言っているように思われる。
本来は「仕事」だからね
山岡の指揮のもと中国での仕事に、どう大義みたいなものを教えられたか?だな
アザミは山岡に殺されるか、殺すかだ
某ロボットアニメにて
主人公が睡眠学習によって
催眠術をかけられ恐怖を感じない
メンタルを育まれていた。
が、最終話で睡眠学習が解けて
ガクブルする主人公。
山岡の断末魔って恐怖で
失禁するんじゃないかと
思ってます。
ここまで書いてふと思いましたが、
佐藤が組織から目を付けられた
理由って先天的に恐怖を感じない
情緒性質の持ち主で
何があろうともフラットな
精神状態を保てるからなのでは?
今回は「プロをなめるな」ではなく
天然物と養殖魚の差を
見せつけられるのではないかと。
マツは元殺し屋だけど、娘さん大事にしてるし何とか生き延びて欲しいなぁ~
↑本文の「驚異にならない」は「脅威」なのかな
ご指摘ありがとうございます。
脅威の間違いです。
訂正します。
今週のヤンマガの97ページの左端の広告欄みたいな所に、「走れマツ〜」云々とある。いつもプチネタバレ的に次号の様子がごく端的に示されている。小さいながら重要コーナーである。来週もマツは出演するようである。
ちょっと引いて考えると、明と洋子を1年面倒みる形で住居も提供している組長を殺したというのは、ファブルという組織のボスの立場として、かなり悪い立場になっている。海老原に土下座して謝っても追いつかないほどでしょう。「君」じゃなくて海老原「さん」て呼ばなくちゃならない。今度はボスと海老原が反対の立場になりますなあ。しかも約束破りというのではなくて、謝ってもカネを積んでも取り返しのきかない人の死である。
これを考えると、もしかしたらマツはこの後、ボスに捕まって「〜君、今まで山岡と何をしてきたか訊こうか」なんて場面から、引退した二郎、山岡、砂川の切断した首を揃えてボスが海老原に謝罪するなんてことになるかもしれない。。。
佐藤はもう、作者の都合。。。、映画化決定という世間の爆発的人気という都合の面からも、元の非情な殺し屋には戻れないでしょう。要するに今現在、「ターミネーター2」状態であるからして、もはや殺すのではなくて守るのが任務である。映画「バックドラフト」に佐藤が素で出たら、最強の伝説の消防士にもなれるでしょう。
宇津帆編でも佐藤&洋子は戦いこそすれど殺しはせずでしたし、
1年間の休暇中に禁を破って佐藤が人を殺すとは思えないので
もし山岡一派が今回の一件で殺されるとしたら
お膳立ては佐藤と洋子が整えるにしても、トドメを刺すのは
海老原を本命、マツを対抗、大穴で水野と予想します。
海老原は砂川の粛清のために今後絡んでくるでしょうし
組長を殺されたかたきを討つという名目もあります。
マツもこれだけ娘絡みの伏線を張っておいて
洋子やミサキを見捨てるわけないと思いますので。
水野も海老原から挑発されて意味深な表情を見せていましたので
このまま砂川に利用されるだけで終わるとは思えません。
ボスがケリをつけるという可能性も無くはないですが。
二郎は戻ってこないのかな
https://twitter.com/tinpozaru
「次週ネームチラ見せ第28弾♪
10/22(月)発売YM47号ネームを
2pチョビ公開いたします。
携帯は繋がらないーー。
倉庫には帰れないーー。
ヨウコの襲撃を止めさせようと
右往左往するマツさんが
ヘナヘナとへたりこんでます‥‥。
決戦は今夜!
さあさあどうなるヨウコ姉さん」
ここで次号連載分、2ページのネームが公開されています。
マツは明に連絡をとろうと、引っ越し前のオクトパスのマンションへ走って到着したところが描かれています。
マツさんが葛藤の末、娘と同年代の洋子さんやミサキさんを見捨てることができなくて助ける事を選び、それが蜘蛛の糸になって、結果マツさんも助かる、って事になるのでは?いや、なって欲しいですう~
まっ、逆にユーカリもフラグ立った訳だw
兄の相手にはならんだろ
俺は鈴木みたく何らか良心を持ち合わせているアザミの存在が面白いけど