山岡のアジト。
ユーカリは佐藤に失神させられ、佐藤とアザミの素手での勝負となった。
その時、アザミは佐藤に「ボスから山岡を拘束することを命令されている」と読唇術で伝え、佐藤を投げ、倒れたところに掌底をしようとした―――
あらすじ
アザミの掌底が振り下ろされる前に、佐藤はハンモックの金具をアザミの肩に当てて止める。
佐藤はその隙に立ち上がる。
アザミと佐藤は向かい合い、佐藤が山岡に背を向ける位置になった。
佐藤は唇の動きでアザミに伝える「これ(ハンモック)で山岡を縛り付ける――― 少しは銃の狙いがつけにくくなる―――」
アザミは、ハンモックの片方の留め具を外し、佐藤ももう片方の留め具を外し、ハンモックの布を自分の身体に巻き付けた勢いで山岡の上半身に被せる。
山岡「!? おい!」
山岡は布で周りが見えない状態だが、銃を出し撃ち出す「おい! アザミ―――」
佐藤は身を隠す。
アザミは、ハンモックの土台の金具を山岡の足元に滑らす「ボスの命令だ! あんたを拘束する―――」
山岡「あー!? アザミ――― おまえ―――」
アザミも撃たれないように身を物陰に隠す。
周りを撃っている山岡の上半身が撃たれ、次に脚にも銃弾がかすめる。
洋子がテーブルの上にあった銃で山岡を2発撃ったのだった。
山岡は脚を撃たれ、足元の金具に躓き倒れる。
佐藤「ヨウコ――― 身を隠せ! あっちからは見えてるぞ―――」
洋子もソファーの後ろに隠れる。
佐藤とアザミは唇の動きでやりとりをする。
佐藤「弾はあと何発残ってる?」
アザミ「二発―――」
布に包まれてうずくまっている山岡のところからマガジンを装填する音が聞こえた。
佐藤とアザミは再び読唇術を使ってやりとりする。
佐藤「新しいマガジンか?」
アザミ「そんなはずはない。そういうフリのはずだ―――」
布を被ったまま立ち上がる山岡は、気絶しているユーカリに近づく「アザミ――― やってくれたなぁ~・・・ ちょっとアソんでるだけじゃね―――か! ガミガミゆうなよォ~」
佐藤「ヨウコ――― 銃を・・・・」
銃を渡そうとした洋子めがけて、一発撃ってくる山岡。しかし弾は当たらなかった。
佐藤(あと一発―――・・・・)
山岡「近いうちにもうひと盛り上がりしよう―――」
山岡は倉庫のドアから出ていった。
アザミ「ユーカリのジャンパーから、Z(フェアレディZ)のキーを持ってった―――」
倉庫の外でクルマのドアが閉まる音がする。
佐藤「ケガは?」
洋子「大丈夫―――」
佐藤「車はどこに置いてきた?」
洋子「出てすぐ右よ―――」
佐藤は受け取った銃を懐にしまう「ミサキちゃんを――― 山岡を追う――― ―――でないとあとが厄介になる―――」
佐藤が倉庫の外に出た時、山岡が乗った車が発進した。
先に外に出ていたアザミ「ダメだ。あの車だ―――」
佐藤「こっちにも車はある――― 今逃したらダメだ―――!」
感想
真意をヴェールに包んでいた男・・・・。
山岡は佐藤の事に気づかなかったが、アザミの目的も気付いていなかった―――。山岡に気づかれないとは、アザミもなかなかやる奴や―――。山岡の弾の数もちゃんと数えていて抜かり無い―――。それだからこそ、山岡が最高傑作と呼ばれる佐藤にぶつけようとしていたのがアザミだったし―――ボスがアザミに山岡の拘束を命令したのも頷ける―――。
反目に包まれし男・・・・。
アザミは佐藤を投げたが、山岡に近づくために投げたのか―――?
ハンモックは今まで山岡にとって安らぎ・くつろぎの場所だったのに―――
今ではハンモックのせいで危機に瀕している―――・・・・。
知恵と工夫でハンモックも拘束具に―――。
山岡「ちょっとアソんでるだけじゃねーか! ガミガミゆうなよォ~」って―――
遊びと言っても組織の者同士を戦わせだしたら組織自体が揺らいでしまう―――。ボスは言っていた「組織の屋台骨を揺らす者は要らない」と―――。
その組織を維持するための心得「誰だろうと油断するな」を守れなかった元自衛官は消された―――・・・・。佐藤に手を出した山岡は、組織の心得「ボスの言う事は絶対」を守れていない―――・・・・。遊びの範疇を超えてしまっている―――。組織に居るには、組織の心得に包まれていなければならない―――。反目の心に包まれた山岡は・・・・
“殺し”に関しては
慎ましい女・・・・。
洋子は撃ったけど真ん中ではなく端の方、まぁ左寄りだから心臓に近いとも言えるが…
次の銃弾は脚だから殺す気は無い―――。それにそもそも佐藤が持ってきた銃だから威力も大してない―――。当たりどころが悪ければ致命傷にもなるかもしれないが、山岡も急所に当たらないようにしているだろう―――。洋子はこれで気が少しでも晴れれば良いんだけど―――表情はなにか悲しげ―――・・・・。
山岡を追わなかったのは、これでスッキリしたから―――?
猜疑に包まれる?女・・・・。
悲しげな表情をしている洋子の後ろで、ミサキちゃんが見てる―――。ショックだろうな―――・・・・。佐藤が格闘出来ていても、元格闘家と聞いていたからそうショックではないだろう―――。だけど洋子なんて思いっきり人を撃ってるからな―――。鉄工所で佐藤から「コレはオモチャだから」と言われたことを思い出していたが、本当に銃の威力が低いとしても一般人からしたら人に向けて撃っているのは・・・・。それに銃の撃ち合いをして、その後も佐藤兄妹は平然としているからな―――。誰が見ても裏世界の人間だと分かる―――。でも真実の姿を見たとしても、佐藤は普段から乱暴はしていないし、力を使ったのもミサキちゃんを守るため―――。寓話では、普段の行いが良ければメデタシメデタシになるが―――・・・・。
つつがなしで行きたい男・・・・。
山岡は逃げるって言ってもドコに逃げる―――? ボスの命令と聞いたからには、組織からも逃げ続けないといけない―――。長年裏社会に居たんだから、組織にも知られていない隠れ場所は何箇所もありそうだが―――恐怖心が無い山岡は、このままボスに歯向かったりして―――
山岡の捨て台詞「近いうちにもうひと盛り上がりしよう―――」
この姿、かっこ悪うぅ~。オバケの格好してハロウィンパーティー終わった後の帰り際に「次の週末もパーティーしよう」って言ってるみたいやん~。まぁファブルは裏世界でも幽霊みたいな存在だけどォ~。でもこの倉庫から水野を追い出した時は、水野は間抜けな格好していたが―――山岡が追い出される時は、山岡が間抜けな格好になるとはなぁ~。恐怖心が無いということは、自分の無様な姿を見られてしまうという恐怖も無いということか~。
捨て台詞の話に戻ると―――山岡は自分が作った感動巨編のシナリオが壊れることを気にしていた―――。シナリオ優先の山岡は「なんなら俺が死んだっていい―――!」と言ってたぐらいだから、逃げて身を隠すことよりドラマティックに盛り上がることが優先か―――? 山岡の太平市の知り合いと言うと砂川だが、砂川の所に一旦逃げ込む―――? 銃もあるだろうし―――。
裏社会に生きつつ
人に
憎まれし男・・・・。
囲まれし男・・・・。
同じ組織の人間の―――山岡と佐藤―――。
逃げるフェアレディZ―――追いかけるレクサス―――。
時代について行けない山岡は、型落ちのフェアレディZ Z33(2008年に販売終了)に乗り―――時代に対応しようとしている佐藤は、レクサスRC-F(2014年に発売)に乗る―――。そしてフェアレディZは山岡が力づくで奪った車で―――レクサスは佐藤が譲ってもらった車―――。
安らぎに包まれるハンモックも使い方次第で拘束具になってしまう―――。力を持っていても結局は使い方次第―――周りが味方してくれるか、敵になってしまうか―――。山岡に残された、あと一発残った銃弾―――それは部下が離れていった山岡の残された一発、自分自身の命だけになってしまったことを意味するのか―――?
ファブルの者なのに―――いや、ファブルの者だからこそ―――寓話の流れから抜け出せないのか―――・・・・。
お疲れ様です。
さっきヤンマガをコンビニに買いに行ったのに福岡はまだ入荷してなくて明日入荷とか泣けてきたorz
しかし山岡はこのまま兄さんから逃げれるんでしょうか。兄さんの言う通りで今逃しちゃうと後々が大変ですよね。物語自体はまだまだ長引いてくれそうですが。
ハンモックで包む
それを予想した方が居られたが、すごい。
しかし山岡逃走は全く予想外だったなー
満身創痍の怪人山岡さん。気になるのは銃の
弾残数。ひょっとすると本当に新しいマガジン
を入れた可能性も十分考えられる。
もう一つはみさきちゃん。洋子ちゃんは
あの場でみさきちゃんに現状をどう説明するのか。
逃がしてしまったーー!
以前殺し屋次郎さんが山岡さんに渡してて
そのまま使われてなかった「逃げ道ルートDVD」と
「劇薬作りマニュアル」のネタがこの先の展開で
回収されるんでしょうか
劇薬はアルコールが引き金になるんで
洋子さんが心配!もうとっても心配!
1週間飲まなければ大丈夫って事だから
人を撃った洋子さんが反省のため1週間断酒って
奇跡が起こって欲しい
足組んだままハンモックに巻かれるって・・・かわいすぎます
アザミよ、何故弾倉の弾を抜いておかなかったんだよ────
山岡逃がしたら海老原と砂川の戦争だわ
即ちボスと山岡ってこと。
兄の勘だと厄介になる…って言ったのはこの辺を危惧してだろ
ヨウコの後ろで覗いてるミサキが心霊写真にしか見えないのですがw
はじめまして。お邪魔します。
自分が腑に落ちないのがアザミが山岡に「ボスの命令で拘束する」と言ったが、本当に拘束するなら言う必要があるのかな?と
山岡が銃にマガジンを装填する?したフリ?が兄さんの脳に「新しいマガジン」を装填したイメージがあったからアザミにマガジンと残段数の確認しましたね。
山岡が包まれながらZに乗り込み逃げる。アザミも山岡同様反ボスなのかも、と思いましたね。
弾は残り一発
反ボスだったとしたら山岡にハンモックをかぶせる前に佐藤をぎりぎりまで痛めつけておかないと後々山岡と車で逃げるときに面倒なことになります。
あほか
まさか倉庫内で決着が着かないとは。ハコスカ、レクサス、Zはそれぞれが時代を象徴しており、またこれから始まる?カーチェイスの伏線になっていたようで、感銘を受けました。
ハンモックに包まれた山岡の「おい!」には思わず笑ってしまいましたけど。倉庫に残された者たちのその後も気になりますね。
山岡に残りの銃弾1発が発射される時が、感動巨編のフィナーレになるかどうか。。
俺はまだアザミを100%信用したわけではない──
いい人だと思わせる芝居、だという可能性を排除したわけではない──
誰も信用するな、ラストはそんな試練が待ち受けている──
かもね?
同意です。
山岡が部下としてのアザミに「赤児でも疑え」をまるっと忘れてたのにはがっかりでしたが・・・
アキラの驚愕の顔を見たいがための山岡、アザミの芝居かも?
しかしアキラはそれも想定内だったりして?
うーん、どう転がっても面白そう!
来週はZ33とRC-Fで環状なめんなよの流れですかね??
環状上がる前に、修理工場付近でシーツ被ってウロウロしてる山岡さんを見つけ部品ドロと勘違いしたゼンさんがフルボッコでやっつけたりして…。
体1つが武器、ゼンさんはなにわのザファブル完成形かもです
いつも楽しく拝見しております^^
わたしの記憶だとアザミが中国から帰ってきたのは1日「前」なのですが(ユーカリが、明日じゃなかったっけー?とか電話くれたら迎えに行ったのにーとか言って、アザミは、段取りが良かったとか早いに越したことないだろ〜と言ってた気が…)、山岡が今回「お前の帰国が遅れた理由を考えておくべきだった」と言っているのがめちゃくちゃ気になりました…。どなたか、おや?となられた方いらっしゃいませんでしたか?
見直してみたら本当ですね!山岡劇場の”セリフ”だからこそのミスな気がしますね…
横から通りすがり失礼します。16巻見るとわかりますが、山岡は電話で2人一緒に戻るように話してる感じですが「わかった、じゃあお前だけでも戻ってこい」とユーカリだけ先に帰って後からアザミが帰ってきたから、その「遅れ」のことではないかと思います。
個人的には「ここで山岡を逃すところまでが作戦」とか「兄さんだけを連れ出す」みたいなアザミ裏切り説もかなり残ってます。
兄さんあっさり信じ過ぎでは?!笑
アザミ本当に味方説→(こいつは味方だという)兄さんの勘は絶対、作戦とはいえ山岡が死ぬリスクもかなりあった
アザミ裏切り説→あっさり逃げられた(拘束しろというボスの命令に反してる)上そこまで必死に追おうとしてない、(新しい弾を装填したのではという)兄さんの勘は絶対
佐藤明が信じたのは、
アザミがいうところの、
ボスの命令だからではないのか?
佐藤明は油断をしていないから、
味方であるアザミに対して、
山岡のマガジン装填を確認したのでは?
アザミも佐藤明もプロなので、
ボスの職務遂行に対し、
互いに協力者になろうとしているのでは?
個人の勝手な行動ほど、
組織の屋台骨を揺らすことになるため、
分業体制を徹底しているのでは?
チームワークのできないような組織なら、
対立組織から攻められて、
とっくの昔に崩壊してるはず。
アザミは仕事(上司)を全うし、
佐藤明は補助(部下)にまわっている。
山岡(管理職)は恐怖をしらない好奇心で遊んでるだけ。
ユーカリ(同僚)は言われたことだけやってただけ。
マツ(非正規)は娘のために嫌々やっていただけ。
スズムシ(外部)は山岡に利用されただけ。
ヨーコ(殺し未経験者)は個人的な恨みで動いただけ。
ミサキ(ファブル無関係者)は親切心から巻き込まれただけ。
真黒組(組長)はファブル外注者(二郎)に無秩序に殺害された。
寓話でいうところの、
山岡(主導者)、マツ(協力者)、二郎(実行者)は完全な悪。
砂川(依頼者)の件は、真黒組でケジメをとるのではないだろうか?
ある意味山岡の思惑どうり、
ドラマチックな展開になり、
最後を迎えることになりそうだ。
こんにちは。いつも楽しく拝読させて頂いております。
さて、今回は漸く動きましたね。
あれだけやられて、しかし逃げ出せる山岡は、間抜けなのかツワモノなのか不明です。恐怖感だけでなく、痛点もないのか(笑)。
恐怖感のない奴とのカーチェイスなので、次回以降はハチャメチャな展開になりそうですね。Zは旧式ですが南センセイのことですのでチューンドなでしょう。怪人操るチューンドカーの迷走に期待でしょうか。
皆さんご指摘の通り、正体を明かしたアザミですが、まだ釈然としない点が幾つか見受けられます。裏の裏、そしてまた裏をかく?展開にこちらも期待です。
いずれにしてもボスとエビ、ハゲの何れも現れず終了ということはないと思いますが・・・。
最後に、ミサキの邪魔さが非常に鼻につくのですが、これだけ事あるごとに明(洋子にも)と絡んで来るということは、最終的にメインテーマに関わる人物ということなのでしょうね。
私が気になった点は
前回号で アザミが洋子に 「おまえはとにかく動くな───」
と念を押した点。しかし今回号で
それを守らず 山岡を撃った点。これが今後の展開の前フリになるような──
左腕付近と、右足を撃たれた山岡──
運転するには けっこうなハンデかと思うんですが── ハンモックを被ったままの行動や セリフなど まだまだ余力を残してる感もありますねえ──
うーん山岡さん、嫌いじゃないです
わたしも気になりました!
もしここまでが山岡とアザミの「作戦」だった場合、山岡撃たれてるしリスク背負い過ぎでは?という点が引っかかっているのですが、山岡を撃ったのは2発とも動くなと念押しされたヨウコなんですよね。
この先どうなろうと勝手にせい。。。
それよりナニトモやなに友、すげえ面白いよ。。。ファブルしかまだ読んで無い人はおすすめ!沢山巻数あって、しかもカネさえあれば待たされることがないぞよ
アザミがボスと通じてる説の根拠は
(連れて来られたのがアキラだと知っているのに山岡には言わなかった。)
↑だったが、しかし実は言っていたとしたら?
(そうか、頭悪いユーカリには黙っておけアザミ、そしてお前は俺を裏切りアキラに味方をする芝居をしろ、最後にアキラの驚く顔を見ながら始末する)
それが俺の最高傑作のシナリオだ。
しかしアキラは、それも想定内だった。
そんな展開になって欲しい!
ヨーコ、ミサキちゃんには二人とも隠密刑事だとか言っとけ。
アザミが銃持ってた時、なんで山岡の足を無効化するように撃たなかったんだろう?
手作り銃だからかな?
ユーカリはマツに殺されるのかなぁ?
それとも拘束される?