陰陽トーナメント第5試合
芝原剛盛 対 上杉均
上杉は左アバラ骨を数本、パウンドを顔面に何度も浴びて大ダメージを負う。
起死回生の煉獄に入れたが、芝原に返され逆に鈎突きを食らってしまった。
あらすじ
鈎突きを入れた芝原はそこから煉獄を開始する。
里見は、芝原が1度目の煉獄封じ(裾を踏んで膝蹴りを出させなくする)をエサに、2度目の煉獄封じ(上半身を動かして遠近感を狂わせて空振りさせる)を備えていた事を分析する。
里見「最初の煉獄の時点で2度目の煉獄に備えていた。一度しか通じない煉獄封じを2種用意して。予想外。極好(ジーハオ、優秀と言う意味)」
入江文学は、芝原は5手区切りである煉獄で次の5手に何の型を出すのか決めていると分析。
文学「本来は相手の動きに合わせ6手目を決めるんだよ。先に何を打つか決めていたら単純にダウンして煉獄から逃げられるだろ」
十兵衛「まあ…今ダウンしたらそのままパウンドで終わりだけどな」
文学「何よりガードが空いている部分に打ち込んで深く刺せる可能性が高いのが本来の6手目なんだよ。それを捨てるという事はダメージ半減だろうな」
十兵衛「それでも次の試合までには修正してくるだろう。芝原が関と対戦する時には俺たちぐらいの煉獄が打てるようになってんじゃねーの」
文学「たぶんな」
煉獄を続ける芝原は、上杉の呼吸が乱れていず、死が眼前に迫る病人のような細い呼吸だと分析。
上杉もそれを悟り「一度膝を着けば再び立ち上がる事は出来ないであろう」と思っていた。
ただ上杉は薄れゆく意識の中で数えていた
上杉は秒数を数えていた。
上杉(芝原の煉獄は続いても90秒…。芝原も煉獄の弱点を知っている。倒しきれなかった時の…反撃を考慮して…体力を残して打ち終える。あれしかない。煉獄が止んだ後の…一撃に賭ける…)
煉獄を食らっている上杉は途中、意識が飛びながらも立ち続けた。
芝原(限界)
芝原は煉獄を止め、バックステップで下がる。
上杉はそれを追うように前に進む。
右を振りかぶる上杉。
芝原佑「金剛!!」
胸の前でガードを固める芝原剛盛(それしかないよな)。
十兵衛「ガードの上から!!」
三代川「打つ!」
山本陸(打て)
上杉の手は、右は心臓を、左手は二本抜き手(人差し指と中指)で目を狙った。
しかし芝原はそれも予測していて防いだ。
芝原「一瞬騙されたよ。だが考えてみれば山本陸じゃないんだ。ガードの上から打って致命傷を負わせるなんてできるわけないわな」
芝原「一本貫手なら入っていた。だが―――だがよ… お前が逆転するには両目同時に潰す以外ないものな」
返事が出来ない上杉。
芝原「もうオイラの声はお前に届いていないか…。たまたまだ。本当にたまたま。オイラが勝てたのには運が絡んでいる。オイラは煉獄を知っていたが、お前はオイラが打撃を使う事を知らなかった。もし1回戦でなく、手の内を明かしているであろう2回戦で当たっていたら勝てたとは言い切れない。上杉聞こえているか? オイラは生まれて初めて本気で戦った。全力を出して戦ったと胸をはれる。上杉聞こえているか? 死ぬ前にお前と戦えてよかった」
目突きを止めた時点で全員が予測できた
決めきる事の出来なかった
四方投げで最後だと
四方投げをすべく、芝原は上杉の左手首を掴み、背中合わせの状態になる。
上杉(手本にすべきは富田流ではなかった… 入江無一、文学… 佐藤十兵衛でさえ指導者から学んだ正しく癖のない技を使う。手本にすべきは正当な指導者から学んでいない癖のある技。極限の状態で打つ癖のある技はむき出しの極意のみで形成される。手本にすべきは富田流ではなかった… 手本にすべきは―――梶原)
梶原が第1試合で披露した肘での金剛。工藤をダウンさせた金剛を、上杉は芝原の背中側から打つ。
一撃
金剛
金剛は決まり、芝原はダウン。
見ている者は、驚きのあまり全員立ち上がっていた。
十兵衛「やりやがった」
静まり返る会場
十兵衛「やりやがった!!!」
橋口「上さぁん!!!!!!」
上杉(…橋口? …なぜここに? …声が弾んでいる? …ああ… そうか… 陸先生が帰ってきたのか…)
上杉も倒れ、芝原の上に折り重なってしまった。
感想
もっと高く昇る
誰の手の届かない高さにまで昇る
里見は、芝原の2度の煉獄封じを分析する。種を撒いておいて、それを布石に2度目の煉獄封じを成功させた。芝原は手順を守ってする合気の使い手らしい戦い方。理屈を詰め重ね、それを利用する戦い方。
文さんは、芝原の煉獄は次の型を決めていないと分析。相手の体勢を見て、5手目の最初の一撃が一番決めやすい型を選ぶのが本来の煉獄。芝原がそれをするにはまだ習得する時間が無い。
芝原を知る者は思う―――
末期がん患者なのに次に繋がるのか!?
末期がん患者なのに、煉獄を習得し、さらに繋ぐ部分を修正して使えるようにすると予想される芝原剛盛。技を積み上げる。死ぬまで、最期まで積み上げる。
武術に完成はない
死ぬまで修行し続けなければならない
芝原剛盛。この言葉に二言はない。
人は私の事を愚かと笑うかもしれない
だがいきなりの話し掛けなど出来るはずがない
そんな中、カワタクはピエロだな。煉獄の6手目の重要性をわからないなんて… 金メダリストだというのに… 解説するには無知な人が必要だからその役割をカワタクが担っているんだろうが… 高野くんではダメだったのか? 高野くんは上杉が金剛を決めようとしたとき、芝原がガードをした事に気づき、舌打ちをしている。
上杉が新道塾に復帰した時に駆けつけたように、まだ新道塾に未練というか自分の軸は新道塾の空手にあるから上杉が負けそうになって辛かったんだろう。けして人見知りで会話に参加しなかったワケではない…のか?
高野照久は上杉均が勝つ事を確信している
だがその方法がどうしてもわからなかったので
試合に集中する事にした
いずれやる知らない人との会話に備えて
人は私の事を愚かと笑うかもしれない
だが予想を百発百中する人などいるはずがない
十兵衛達の会話で「芝原が関と対戦する時には煉獄を修正してくるだろう」。あん?関が勝ち上がると思っているのか? 今、見ている試合が始まる前、どっちが勝つと予想していたんだよ。「ヒゲじい負けそうじゃん、芝原思いの外強ぇな」と言ってたじゃねーか! 上杉が勝つと予想していたのに、芝原が押しているじゃねーか! 第1試合も梶原が屍を使って勝ちそうになった時に、屍を警戒しようとなっていたのに、結局工藤が勝ったじゃねーか! 富田流の試合予想は信用できねえ。じゃあ次の第6試合は睦夫が勝つのか?
十兵衛君… いくらなんでも外しすぎだと思う
もう完全に天気予報士レベルじゃないか
無駄な長話…
年寄りにとっては当たり前だよな
フェイント金剛からの目突きを防いだ芝原は、上杉に感謝の言葉をかける。しかしおじいちゃん話なげーよ。トドメさしてやれよ。敬意を評して上杉の冥土の土産と言ってあげているんだろうが、もうすぐおじいちゃんも冥土に行くじゃん。
芝原剛盛「上杉 聞こえているか?
俺…お前に何度も同じ
『上杉 聞こえているか?』と
話…しかけている…?」
上杉均「うっうっ3度目です」
恐ろしいのは状況に応じて
売れないモノマネ芸人のように
真似する対象をコロコロ変える事
上杉はそのまま冥土に行かずに… 裏肘金剛!? 山本陸の技じゃねーのかよ! お前はなんでもかんでも真似するのな!
お前、新道塾を背負うフリをしてるけど
他流派と会うたびに技をパクってんじゃねーよ
梶原柳剛流は、色々な流派を取り入れた流派。さらに梶原修人は秘伝書を取り寄せて学んだ。指導者から教えてもらっていないから、どうしても修正できずに癖が出てしまう。
でも富田流である文さんは十兵衛に「やってるヤツが相手なら”技”をパクれ!!」とアドバイスしてるんだけどなぁ。煉獄もパクったし。決めてとなった「極限の状態で打つ、癖のある技はむき出しの極意のみで形成される」っていう意味がよく分からないなぁ。いつもなら癖があるが、極限の状態だと無駄な力が抜けて癖が抜けて一番良い威力が出るってことか? 上杉が語ろうにも倒れてしまったしなぁ…
「多くは語らずか…」
(今どきの格闘技界の流派は入り乱れていると聞く。
上杉は俺の知らない世界を知っているというのか!?)
ヒゲじい「ちなみに癖の強さは
手本にする必要性の高さに比例する―――
覚えておけ」
(ためになる!!!)
空気の読めない男だった
癖のある技を真似て成功させた上杉。それを見た者は、全員立ち上がっている中、生野はともかく(山本陸と上杉は大和プロレスを襲撃した翌日に新道塾を立ち上げたので、生野は立てたとしても立ち上がらなかったかもしれない)、なんで反町は四つん這いなんだよ!
カブトを四谷怪談呼ばわりしていたが、上杉の顔も四谷怪談みてーになったから腰抜かしたのか?
梶原修人「超キモいんですけど
コイツ、俺が肘金剛使う事を知っているんですけど」
入江文学「ヤダ…クソキモい
ストーキング行為だな」
上杉が梶原の肘金剛を真似て決着!? そうすると梶原柳剛流の屍で第2試合決着。梶原柳剛流の技で第5試合も決着? 第1試合の勝者である工藤は梶原柳剛流の卜辻を学んだ。第4試合の決め技・サバ折りも、第1試合で梶原が工藤にされていたのを見て、金隆山が禁じ手を思い出して真似したかも知れないっ! 梶原が裏の優勝者じゃねーのか?
お前ら、眉毛が驚いて固まったままの人の
マネするの嫌がっているフリをしてるけど
試合するたびに梶原の技を求めてんじゃねーよ
助けてください
なんて空気が重いんだ
仲良くしようよ
誰が悪いわけでもない
己自身が技の、ページの
選択を誤っただけなのだから
最後に自分の流派の技にこだわったかどうか。芝原は合気の技でトドメを狙った。上杉は新道空手以外の技でトドメを狙った。しかし、他流派の技でも師である山本陸の”一撃”である事は通じていた。そして 上杉は橋口の弾んでいる声を聞いて「陸先生が帰ってきた」と感じた。実際は上杉が勝った?事で橋口の声が弾んでいたんだが、この事は上杉が山本陸の域に達したことを表している? 上杉は山本陸より打撃が軽かった分、回転力があって煉獄を使いこなせたが、今回”一撃”を出せたことで山本陸の領域にようやく達せたのかもしれない。だが手本にした梶原の肘金剛の結果は…
「お前、第1試合もその結果も全く見てないだろ?
『梶原の負け』で終わったのも知らないだろ?」
上杉「嘘だろ…梶原死んだのかよ」カタカタ
「梶原は生きてるよ」
で、両者ノックダウンで終わり? 第4試合も両者リタイアで終わっている。このあとに戦う選手も試合後には次の試合を戦える状態ではないかもしれない。工藤、十兵衛、片腕折れた文さんはまだ戦える状態にある。どうなるのかなーってところで今回の話は終わり。そして次の掲載はまた「掲載号が決まり次第、紙面にてお伝えします」? 来週号の予告には乗っていないので…平成での掲載はもう終わりかよ! 巻末コメントで「無理を言って沢山ページをもらったのに終わりまで描けませんでした。令和2年ぐらいにはネーム描くのだるい病を治したいです」。令和2年1月に治るとしても後8ヶ月後…
掲載予告を止めた時点で
読者全員が結末を予測できた
決めきる事の出来なかった
決着をほうり投げて平成最後だと
なんか芝原が長話してわざわざ投げ技を使わせて無理にやられたような展開に見えた…
ここで上杉を立たせずダブルノックアウトにしたのは、芝原の勝ちか引き分け(両者リタイア)のどちらかかな?
両者リタイアが続くのは避けて欲しいですなー
薬の作用で芝原が立ち上がってくれると嬉しい