逃亡を続ける山岡は、砂川に続き水野も始末した。
砂川と水野の遺体処理は、二郎捜しも任されているマツに任された。
佐藤とアザミはそれぞれミサキと社長を守り、ユーカリと洋子はタッグを組んで山岡の襲撃に備えていた。
あらすじ
倉庫
山岡がアジトにしていた倉庫には、砂川と水野の遺体が置かれていた。
クロとスズムシに話しかけるマツ「今晩、遺体を埋めてくるから二人とも待機しといてくれ――― 明日の朝には戻る――― 朝イチで京都まで走ろう―――」
スズムシ「あの・・・ 遺体を埋める所って・・・ その・・・オレのツレもそこに・・・?」
マツ「あ――― 同じとこや―――」
スズムシ「一緒についてっていいですか? 埋まってる所に線香のひとつでもあげてやりたくて。マツさんを恨んでるとかじゃないんです。自業自得なのはわかってます! でもアイツ・・・・ツレやったんスよ―――・・・・」
クロ「マツさんの秘密の場所やろ? いいのか? いいなら俺も一緒に行って死体埋めるの手伝うで―――」
マツ「そのほうが段取りいいか――― 今晩11時に出発する――― それまで睡眠でも取ってくれ―――」
スズムシ「ありがとうございます!」
洋子の家
海老原が、洋子とユーカリに銃を渡しに来ていた。
海老原「銃を用意した――― サイレンサー付き3丁――― アザミや佐藤に配ってやってくれ―――」
洋子「アタシのは?」
海老原「ヨウコは俺のリボルバーを持ってろ――― サイレンサーがないぶん、いざって時に狼煙に使える―――」
洋子「アタシだってねぇ―――」
海老原「マツから聞いてる――― 誰も殺らずにきたんなら、それに越した事はない――― おまえには手を汚させたくない―――― ユーカリってのはおまえやな―――」
ユーカリ「あ―――」
海老原「ヨウコとミサキを守ってくれよ――― 二人に何かあれば俺だって寝つきが悪くなる――― じゃな―――これから幹部会で頭イタイわ~」
洋子「海老原さんも気をつけてねぇ―――」
海老原は出て行った。
洋子「なんか悔しい――― 山岡に引き金を引くのを一回ためらっただけで子供扱いね―――・・・・」
ユーカリ「子供じゃねえよ。女として見てるんだよ―――」
洋子「この状況でそう思われるのがイヤなのよ―――」
オクトパス
社長は取引先と電話をし、ミサキと佐藤はパソコンに向かっている。
洗濯をしていたアザミにユーカリからメールが届く「ポストに花火」
アザミは佐藤に口パクで「銃が届いた」と知らせ、玄関のポストから銃と、オクトパスに届いた郵便物も回収する。
中に戻ってきたアザミ「社長―――郵便です―――」
社長「お~ ありがとう。ふぅ~デリ○ルのチアシだと――― ま―――アザミも増えたし、なんでもせんとな~、久しぶりやなデリ○ルのチラシなんて―――」
その言葉を聞いたミサキは小島にデリ○ルの仕事をやらされそうになった事を思い出し、鉄工所でマスク姿の男に助けられた事を思い出す。
ミサキ(気づいてたけど―――・・・・ わかってなかった―――・・・・ 勝手に巻き添えにされてるって思ってばっかりだったけど―――)
佐藤の背中を見るミサキ(そう――― アタシはずっと守られてた――――)
感想
山籠りを思い出す男・・・・?
マツだけが知っている”秘密の墓場”に遺体を埋める―――。クロはそれを見送ろうとした―――が、マツが帰ってくると思ってるけど、万が一逃げる可能性を考えないのか―――? マツは逃げないだろうが、クロは一応お目付け役として同行しているのに―――。
マツ・クロ・スズムシの三人は砂川と水野の遺体を埋めて、そのまま京都に向かうだろうから、夜11時の出発までに山岡が来なかったらこの3人はセーフか―――? でも二郎を見つけられたら捕まえないといけない―――。用心深い二郎が無防備にキャンプをしていると思えないので、山岡に狙われる代わりにそこで危険があるな―――。マツは二郎と会っている、クロは死のリストの写真で顔を知られている―――。スズムシがキャンパーとして偶然会ったようにして近づく―――? 不安だな―――・・・・。クロがボクシングを習っていた事が役に立てばいいが―――。それよりも佐藤と一緒に山籠りした時の知識が役に立つか―――? そっちのほうが読者にとっても、クロにとっても嬉しいだろう―――。
仇が討てなかった事を
思い出す女・・・・。
海老原から見れば洋子もファブルだが、ミサキと同じく守る対象なのか―――。一線を超えるかどうかはそれだけ大きい―――。その一線を超えていない洋子は、「洋子より100倍強い」と言った佐藤に食って掛かったことがあった―――。殺し屋組織に所属しているのに、殺しを経験していなかった負い目からか―――?
宇津帆が最期に手榴弾を投げて撃たれるように仕向けた時、洋子も銃を向けたが、撃ったのは鈴木だった―――。あの時、鈴木がいなかったら洋子は撃っていたのか―――?
洋子も厳しい訓練を受けたが、一線を超えていないことで子供扱いされてどうなんだろう―――。ユーカリは「子供扱いじゃなく女として見てる」とフォローしたが―――ミサキが痴漢に会った時には「女の弱みにつけこむ、卑劣なやり方が気にくわない」と言っていた―――。洋子は女の武器は使うが、女だからといって弱く見てほしくないんだろう―――。仇を取ろうと山岡に向かって行った時も、相手がファブルの幹部だろうと、佐藤には頼らなかった―――。私情なので巻き込みたくなかったのもあるだろうが、女だから助けてほしいとかじゃなく、1人のプロとしてやりたかったのもあるだろう―――。溜まった鬱憤と、親の仇である山岡を目の前にしたら次は引き金を引くのか―――?
自分の身体の事は
思いやらない男・・・・。
単独で動いている海老原―――。洋子からも心配されたのに1人で行動―――。「今回の事が終わったら」って、今こそボディガードが必要なのに―――・・・・。でも連れてくるなら高橋だろうし・・・・高橋だと盾になるぐらいしかできなさそうだし・・・・。
砂川と水野は行方不明としているが、幹部会で説明を求められそうだが上手くまとめられるのか―――? 次の若頭も選ばなければいけなくなったし―――山岡からは命を狙われているし―――二郎も捕まえないといけない―――。ストレスで倒れた事のある海老原はまた倒れそう~。だがこれらを上手く処理できれば、ファブルのボスも認めてくれるだろう―――。
訓練時代を思い出す男・・・・?
ユーカリからのメールで「ポストに花火」。銃のことを隠語で花火―――。佐藤も小島の部屋に侵入した後、海老原に報告する時に銃を花火として言っていたな―――。銃の隠語で花火は別にファブルだけの隠語ではないだろうが―――。花火というものは楽しい物なのに、銃は同じく火薬を使う物なのに怖い物―――。でも使い方によっては命を守れる物―――。今まで命を奪う訓練をして、何人もの命を奪ってきた手を、今度は生かすために使うことになった―――。
ポストの中にその花火が入っていて、それを見るアザミの目つき―――。
プロの目やな―――。
殺し屋の目――― 冷たい目――― 一線を超えた者の目―――・・・・。アザミは小さい頃から山岡に指導してもらったとはいえ、躊躇せずに撃ちそうだな―――。
想いを出す女・・・・。
佐藤から守られてたことに気づいたミサキ―――。オクトパスで貝沼が刃物持っていた時、佐藤から守られたのも察したかな―――? 貝沼がミサキの部屋に仕掛けた盗撮器を佐藤が外したのは知らないだろうが、あれは知らぬが仏―――。でも刃物を持った貝沼から守られた事を知ったら、「貝沼を消したのは佐藤くん―――?」とか勘違いされないだろうか―――。殺し屋だと知っても、佐藤の本質を見抜いていればそれは無いとわかるんだが―――。勘違いをギャグと描かれたとしてもブラック過ぎるからやらないか~?
思い込む読者・・・・。
山岡の死のリストの中の砂川と水野が消された―――。だがこの二人は山岡が始末せずとも、海老原が始末していたからそう驚くことでもないし、いなくなって悲しむキャラでもない―――。だが、次からは居なくなると寂しいキャラばっかりだな―――。この章で出てきた新キャラのユーカリとアザミは戦いでプロとしての見せ場を見せてくれたら退場してもいいかなと思ってたが、アザミの泣き芸やユーカリの人間臭いところを見ると残ってほしいなぁ~。キャラに愛着が出てきたところで消すのが話としてはドラマティックになって盛り上がるが、それをするために今魅力的に描いているのか―――? 読者がキャラに愛着を持つようになって人気が出ると消しにくくなったりするが、作者として―――キャラを消す恐怖心はあるのか無いのか―――。果たしてどうなるか―――・・・・。
『マツの隠し武器』を知ってる山岡が『秘密の場所』を知らない訳ないから、3人ヤバいかも…
ただ、そうなるとクロまでリタイアになるからなぁ…
山岡の神出鬼没は予想出来ん。
同感です
スズムシが線香をあげたい、なんて言うから埋める場面がクローズアップされてきたかな──
この頃、スズムシにも情がわいてる。遅かれ早かれリタイアするんでしょうが…
最期は、山岡からの『弟子になるならー』って条件を断って撃たれそう。
最後の最後で、自分のスジを通して…
さすがにカッコ良すぎですかね?
ユーカリにフラグが立っちまったような
ユーカリ最後の言葉
(ぐっ・・・ 同情する ぜ 山岡さ・・・)
山岡対ラスボス佐藤、勝ったり負けたりしてこそ際立つ死闘。
○組長毒殺→山岡の勝ち
○倉庫に潜入成功、ヨーコとミサキ開放→アキラの勝ち
○倉庫から脱出し砂川、水野を始末→山岡の勝ち
○死体処理のマツ、クロちゃん、スズムシ、を狙う山岡を阻止→アキラの勝ち
こんな感じで頼みます。
海老原のリボルバーはヨーコへ…
山岡に対するケジメは、海老原が受け継いだルガーによって執り行われると予想しています。
ルガーを組み直したのはヨーコなので、ヨーコは間接的には仇を取ったということで。
おおっ!イイね!
マジそうなる事願います!
鋭い。予想通りでしたね。そういうことか、あの海老原のトドメは。
私も 山岡の最期は 海老原さんの手で下されるのでは?と思っています。ルガーでなのか、はたまた 怒りの 自ら鉄拳制裁なのか──?
「おまえの最期の言葉聞いといたる───」
山岡ハン
「──────────────……」
って 山岡ハンの 最期の言葉にも
スポット当たりまくりです──!
ぷつふー、お前じゃねーだろ とかでしたね。最期の言葉、より、誰が看取ってくれたか
二郎は見つかるのか?
この流れでいくと紆余曲折の末、最終的には見つかるだろう、と読者皆が思っているはず。実際そうなるだろう。
と、なると二郎捜索隊のマツ、クロ、スズが全滅することは無い───
しかし線香抱えたスズは一番危ない。
山岡は(最後の言葉)が聞きたいから、マツ、クロのいきなり狙撃は無いと思うが、スズの(最後の言葉)には興味無いと思うから狙撃で瞬殺しそう───
残るマツ、クロだけで山岡から逃げるのは不可能だろうから、そこでアキラが登場する?
私見による「ファブルの法則」
「兄さんに初対面で攻撃してヒットした奴は命が助かる」