山岡は暇潰しで、マツに地下格闘技の男2人を呼んでユーカリと遊ばせていた。
一方、洋子は太平市に山岡が来ていると知り、山岡に会って確かめたい事があると言い出した。クロから「砂川と確執がある、幹部の水野の様子がおかしい」と聞いた洋子は・・・・
あらすじ
山岡のアジト
地下格闘技の男とユーカリがスパーリングを始めたが、ユーカリの強さに逃げ腰になった地下格闘技の男。
土下座して見逃してもらおうとするが、山岡達は受け入れない。
ユーカリ「もういいよ コイツ――― 昨日の勢いがないんじゃ――― 面白くない・・・・ 次―――行こうぜ―――」
ユーカリは銃を出して男に向ける。
アザミ「もう一人呼んで2対1ならどうだ~? 少しは遊べるかもよォ~」
アザミの案を採用したのか、ユーカリは銃を置く。
アジトの外
アジトの外では、マツがもうひとりの家格闘技の男と車で待機していた。
マツ「15分たった――― 入っていいぞ―――」
男「ホナ 稼いでくるわ~」
男が車から出ようとすると、目にスプレーを掛けられる。
目をつぶって動きが止まった男の背後から腕が伸びてきて首を締め出す。
それを見たマツ「さ・・・佐藤ヨウコ・・・」
男は気を失い、洋子は車の中に寝かせる。
洋子「どうしてアタシを知ってる?」
マツ「小島の一件の時 砂川の指図でアンタら兄妹を調べた事がある―――」
マツ「もちろん 砂川にも誰にも話してない――― 今は―――アンタらの上司の山岡の下で動いてる―――・・・・」
洋子「山岡の・・・・? じゃあ山岡は今、中ね~!」
山岡のアジト
アジトの扉が開く。
中にいる男、山岡、アザミ、ユーカリ、地下格闘技の男の4人が振り返る。
洋子の写真を見た事があるユーカリは、入ってきたのが洋子だと気付く。
洋子「山岡―――」
山岡「佐藤ヨウコ―――・・・・」
洋子の姿を知らなかったアザミ「えぇ~? この娘―――!?」
山岡「ちっ なんなんだよ~ 俺のシナリオじゃ おまえの出番はもう少し後だったのに~・・・・ 楽しみが減ったじゃねーか~」
洋子「出番・・・・?」
アザミ「マツは? 表に二人―――男がいたろ? どうやって入った?」
洋子「紳士的に会話したら―――アタシの立場を理解してくれたわ。アタシだって素人じゃないの! こんな場所、調べたらすぐわかるわよ~」
山岡「―――で なんの用なんだ? 佐藤ヨウコ―――」
洋子「アンタを二人で話したい―――」
地下格闘技の男を指差すユーカリ「それよりまずコイツをなんとかしようぜ――― なんなら佐藤ヨウコにまかせるか~?」
山岡は男に「この女を動けねえようにしたら解放してやる―――」と提案する。
男はその案に乗る。
洋子「なるほどね―――・・・・ 誰も捜してくれない男!―――として選ばれたのね~」
洋子は男の首と腹部に手刀で攻撃し、腹部に蹴りを入れる。
男は倒れる。
ユーカリ「さすがボス直系―――」
山岡「だろ~」
拍手するアザミ「お見事―――!!」
3人のファブルを見る洋子。
感想
乱してきた男達・・・・。
山岡は地下格闘技の男の事を詳しく知っている―――。マツから聞いただけだろうけど―――暴力だけでなく、情報も大事だということを知っている―――。暴力への備えは、何も力を付けることだけではなく、情報を得ておく事も備えというわけか―――。
山岡のシナリオが洋子の登場で狂ったが、このまま部下を洋子と戦わせる―――? 一応、洋子から山岡に接触したシナリオにはなっているから、ボスへの言い訳は出来るが―――。暇潰しの遊び相手がいなくなったユーカリは洋子と手合わせしたいんじゃないだろうか―――。洋子は、山岡の部下の名前がユーカリとかアザミとか聞いて「何?その名前」とか言って爆笑す・・・プロとしてそんな隙は見せないか―――? 山岡やユーカリも水野の姿を見て笑って隙を見せることをしなかったし―――。でも洋子はユーカリに勝てるのか~? 洋子は負けるが、佐藤がユーカリ相手に余裕を見せてアザミが言ったセリフ―――
「もう一人呼んで2対1ならどうだ~?」が、佐藤がユーカリとアザミを一度に相手するシナリオの前振りだったりして―――。
乱れる中に居ることを
避けてきた男・・・・。
洋子の登場にマツは冷静で「アンタらの上司の山岡の下で動いてる―――」。やはり佐藤兄妹がファブルだと知ってたか―――。
マツ「小島の一件の時に調べて知った―――。」。あの時、マツは真黒住宅に小島の遺体処理に行ったが、佐藤とは会わなかった―――。その後、砂川から「海老原にファブルを使って小島を鉄工所から拉致されて消された」と聞いている―――。
海老原側から真黒住宅で小島を処理したことを―――そして砂川側から海老原がファブルを使ったと聞いたら、あそこに住んでいるのはファブルだと繋がる情報を知り得たんだろう―――。佐藤兄妹の事を砂川に報告しなかったのは、山岡が怖かったのもあるが、佐藤兄妹から狙われないように「自分は中立でいよう」という事もあるだろう―――。だから洋子にもあっさりと「砂川の指図で探ったことがある」など事情を話したんだろう―――。
だからマツは山岡にも忠誠を誓うってわけでなく―――そして山岡の死のリストに載っているからこのまま無事に引退させてもらえないと感づいているはず―――。何かしらの逃亡のシナリオを用意してあるだろうけど、素人の娘も逃さなければならないから逃げられないだろうな・・・・。
ボスに見出された女・・・・。
「山岡と会って確かめたいことがある」と言って―――そして前話のクロとの会話で、洋子がいずれ山岡のアジトに乗り込むだろうと思ったが、いきなり乗り込んでくるとは―――!
そして洋子つえ―――!! 格闘技経験がある男を―――1人目の奇襲は当然だが、2人目は真正面から圧勝―――!!
体格差で負けないように、急所である首を狙っているな~。
でも倒したはいいが、山岡達から「止めを刺せ」と言われたらどうするんだろう~? 洋子はまだ殺人はしたことがない―――。それは信条なのか、それとも今まで機会が無かっただけなのか―――? とにかく、鈴木が言っていた「殺人者には殺人者だけにわかる特有のオーラが出る」―――鈴木でも分かるんだから、さらに勘がいいファブルが見抜けないわけはない―――。そこを突かれたらどうするんだろう―――? 片方だけが殺せないっていうのは実力が近い時には不利になるが・・・・。
洋子はこのアジトに向かってくる前に―――佐藤には何か言ってきたのか―――? 何かしらのメッセージを残してきたのか―――? 一人のファブルとしてのプライドで特には知らせていないのか―――? 佐藤から「何かあったら逃げろ」とレクサスのキーを渡された時に「ナメないでくれる?」と反論した―――。鈴木にやられた事や、佐藤との手合わせで洋子のプライドは傷ついている・・・・。だから佐藤に黙ってアジトに来た可能性もあるが・・・・。プロとしてそこはちゃんと割り切っている―――?
洋子側からは山岡の他に、佐藤が見かけた男(二郎)も居て、最低でも二人以上は居ると分かっていても、それでも乗り込んできた―――。それだけ確かめたい事が洋子にとって重要なんだろう―――。その確かめたい事は―――”両親”が亡くなってボスに引き取られた時に会った山岡に聞く事で―――洋子にとって重要な事といえば”両親”の事を思い出したら泣いてしまうほど大事に思っていることがあった―――から両親が亡くなった火事の真相だと思う―――。それを危険を犯してまで確かめに来るということは、山岡が真相を知っていると確信があったはず―――。山岡が関与したんだろうか―――?
洋子が筋肉痛になるまで鍛えていたのは、火の粉が降り掛かってきた時のためだったんだろうか―――? それとも山岡が親の仇かも知れず、自分の手で仕留めるために鍛えだしたのか―――? 洋子のシナリオはどうなっている―――? そして無事に帰れるシナリオをちゃんと考えてからきたんだろうか―――?