太平市の太平興信所の所長・宇津帆。
将来のカモにするために子供達が免疫なしで育つように暗躍していた。
ミサキの部屋に盗撮器を仕掛けていた貝沼。ある日、貝沼はミサキを襲おうとしたが、鍵を変えられていて持っていた合鍵が合わなかったため、ミサキの部屋に入れなかった。その時、宇津帆の部下の井崎に見られてしまう。
その後、ミサキの部屋を太平興信所を名乗りミサキの了解を得て、盗撮を調べる宇津帆と井崎。宇津帆達は貝沼が仕掛けた盗撮器を回収し、新たに盗撮器を設置した。
太平興信所に「深刻な問題で大事な話がある」と言われた貝沼親子。貝沼と母親が太平興信所で宇津帆と話し合いを始めた―――
あらすじ
太平興信所。
貝沼親子は宇津帆とテーブルを囲み、話を始める。
宇津帆「とりあえず今後のことも考えて公平な話し合いをするために――― この会話は録音させて頂きますので了承願います。」テーブルにICレコーダーを置く宇津帆。
宇津帆「とりあえず息子さんに幾つか質問するので――― 正直に答えてください」
宇津帆「貝沼悦司くん、23歳ですね――― 今は一人暮らしだったかな―――?」
貝沼「あ・・・ はい―――・・・」
宇津帆「今――― お付き合いしてる女性はいますか?」
貝沼「いえ・・・・」
宇津帆「清水ミサキさんをご存知ですか? どういった関係ですか?」
貝沼「あ・・・はい・・・ ただの仕事場の同僚です―――」
宇津帆「このミサキさんは以前タレント活動をしてまして――― 私の知り合いが最近芸能プロダクションとして小さいながらも独立しまして――― このミサキさんの復帰に力を注いでいました―――!」
宇津帆「そんな中でミサキさんの身辺調査の依頼を受けまして――― すると出てきたんです。ミサキさんの部屋から・・・・ 盗撮器が――― 悦司くん。身に覚えは?」
貝沼の母親「えッ!? あんた まさか・・・!!」
貝沼「違うよ! 知らないよ! そんな事―――・・・」
宇津帆「少し前にミサキさんの家に押し入ろうとしたよね・・・? 合いカギ持って―――」
貝沼「調べてよ今! なんなら僕の家も調べてくれていいよ。誰かと間違えるにもほどがあるよ・・・」
貝沼の母親「そうよね! ウソなんでしょ!! 誤解よねッ!?」
部屋に入ってくる井崎「すいません・・・ 局との打ち合わせが長引きまして―――」
入ってきた井崎の顔を見てミサキの部屋の前で会ったことを思い出す貝沼。
宇津帆「この人――― 会ってるよね悦司くん・・・ 先に話した芸能会社の井崎さんです―――」
貝沼「いや・・・ あの日は・・・ ミサキをちょっと驚かそうとしただけで―――」
宇津帆「盗撮に関してはどう反論できますか?」
貝沼「盗撮なんかしてない! 僕が仕掛けた証拠なんてないだろォ~」
宇津帆「悦司くん――― ウソばっっかりついてる――― 気をつけないと誰も信じてくれなくなりますよ」
宇津帆はタブレットを取り出し、貝沼に映像を見せる。
そこには盗撮器を仕掛けている貝沼が映っていた。
宇津帆「人体感知システム――― これ以上ない証拠を残してるんです――― 残念ですが・・・ お母さんにこの画像は見せたくなかったが――― 悦司くんがあまりにウソが多いので仕方ない・・・ 他にも脱衣所、風呂、トイレなど―――・・・ 5ヶ所も仕掛けられてました―――・・・」
立ち上がる貝沼「待ってよォ~ 5ヶ所って そんな・・・僕は・・・」
宇津帆「もうウソはやめなさい! 誰も――― 信じませんよッ!!」
貝沼の母親「すわりなさい! 悦っちゃん! 悦司ッ!!」
井崎「盗撮に関してはミサキ本人にはまだ何も話してません――― 復帰前の大事な時期なので怯えさせたくないんです――― ただこっちの専属弁護士と相談しまして、不法侵入、ストーカー被害、盗撮、強姦未遂など――― 告訴する用意があります」
井崎「ミサキの復帰をめぐってかなりの額を投資してます――― 盗撮器があった以上――― こんな画像がどこに洩れたかもわかりません・・・ もしミサキの復帰が順調に進めば――― 回収できたであろう投資もムダになり・・・」
井崎「賠償金と慰謝料を含めた――― 1億2千万の請求を求めて裁判を起こします」
戸惑う貝沼親子。
宇津帆「まあ井崎さん。悦司くんはまだ若い――― 告訴すれば刑務所行きだ・・・ 世間体もよくない――― 示談で収める方向で話し合ってみてはどうだ? 1億2千万を裁判で請求して勝ったところで――― いいとこ8千万だろう―――」
宇津帆「裁判は時間も労力もかかる――― お互いのためにも――― 示談でもいいと思うが・・・ 悦司くんもこうして反省してる――― 示談金――― 半分の6千万で――― 水に流しませんか?」
感想
悪どい――― ウソを付いてとぼける貝沼に、盗撮器の数を盛るウソを混ぜて問い詰める――― 「告訴すれば刑務所行き。世間体もよくない」と味方のふりしながらさり気なく追い詰める――― でも6千万でいいのか~? 手間暇かけて脅して6千万・・・・ 割が合わんような・・・ ここからさらに搾り取るのか―――? でもユンボで埋めてたヤツからは一千万だったしな~。太平興信所の表向きの仕事で結構儲かってんのか~? でもそれなら非合法な事をやらずともいいようなぁ・・・・
立派なニワトリに育った貝沼悦司
ミサキを襲おうとしたことを問い詰められて「でも未遂やろ~!!」こいつアカン――― 合いカギのことを問い詰められて「調べてよ! なんなら僕の家も調べてくれていいよ」って言った後、宇津帆に「他に盗撮器などの証拠が出てくるんじゃないかな?」って簡単に返されてる――― もし本当に家を調べられたらどうするつもりやったんや――― 知恵も工夫もない―――
今後どうなる~?
これをどうするんやろ―――。主人公の佐藤が絡まずに終わるなんてことは無いだろうし、宇津帆がファブルのターゲットだったことも思い出したし、佐藤はどうにかして関わっていくんだろう―――。 佐藤は貝沼を庇う義理ないし、貝沼も佐藤に頼ろうなんて考えは無いやろうし・・・ 宇津帆がミサキも消えると言っていたから、佐藤がミサキに相談されて相手が宇津帆と知って動く―――のかなぁ~?