年が明けた太平市。
正月も終わり、佐藤は引っ越したオクトパスでバイトする毎日。
地位を上げてファブルを使う側にまわりたい砂川。
砂川に雇われた二郎はターゲットを決め、準備を進める。
あらすじ
オクトパス
佐藤「配達終わりました―――」
配達から帰ってきた佐藤にバレンタインデーの事を聞くミサキと社長。
佐藤の答えは「女がなぜか男にチョコを渡すという―――アレか・・・・?」
なぜチョコを渡すのかを説明するミサキ。
バレンタインデーのチラシのイラストの依頼がきていて、それを佐藤に任せてみるためだった。
砂川経営のキャバクラ
砂川と武器商人が二人で話をしている。
砂川「―――で どうなんやアレから様子は―――? 例の計画はちゃんと進んでるのか?」
武器商人「あっちはプロよ――― 待つしかないよ~」
武器商人がいつもの様子と違う事に気づく砂川「こっちはすでに幹部連中や、よその組とかの根回しで金も動いてるんやぞ!」
武器商人「今回の件が片づいたら身の振り方を考えようと思って・・・・ まあ仮に―――この歳で引退ならよくやったほうよ」
砂川「おいおい・・・ オモシロくなるのはこの後やのにか~ やっぱりいつもと違うぞォ~!! 何にビビッてんや?」
武器商人は山岡を思い浮かべるがそれは口に出さない「この俺がビビるって? 砂っちゃん―――やっぱりピリピリしすぎよ~!」
駅前
ミサキが会った痴漢を探している洋子が駅から出てきた。
洋子「痴漢って・・・なかなか会わないわねぇ~ おかげでまたアクセサリー買っちゃった・・・・」
駅を出て町中を歩く洋子。
前方に立つ男に気づく。
その男は山岡で、洋子は幼いころにファブルに入った時のことを思い出す。
その時のボスと目の前にいる男(山岡)が喋っている事を思い出す。
佐藤の家
社長に「普段は何で寝ているか」を聞かれた事を思い出す佐藤。
部屋のベッドを見る佐藤「ベッド・・・・か・・・・」
携帯が鳴り、出る佐藤「あ~ もしもし・・・」
洋子からの電話だった。
「ちょっとこっち来てよ! 今すぐ!! 重要事項よ!!」
電話は切れる。
スマホを見つめる佐藤。
佐藤を見つめるインコのカシラ。
感想
佐藤に甘く、社長に甘くないミサキ・・・・。
オクトパスは引っ越したけど―――配達の自転車(通称”ポルシェ”)は変わってないんだなぁ~。佐藤が人並み外れた早さで配達できるからこのままでいいのか―――。
バレンタインデーを「女性が男性にチョコを渡す」としか知らない佐藤に説明する社長とミサキ―――。
佐藤が”ふつう”の事を知らない事に二人ももう慣れてきたなぁ~。
オクトパスがイベントのチラシの依頼を受ける事で、佐藤が知らない”ふつう”の行事に触れることが出来る―――。”ふつう”を目指す佐藤にとって、オクトパスを受ける前に落とされた古着屋やライン工場に採用されなくて結果的に良かったと言える―――。
バレンタインデーの事を説明するミサキ「もともとはチョコレート会社が作ったイベントみたいなもんなのよ。チョコを売るための―――」
佐藤「きっかけは陰謀か―――・・・」
バレンタインデーを作った本命を見抜く佐藤―――。少しの情報で要領よく把握する―――プロや―――。
前は社長のベッドを気にしたり(自分の身体のこともあるかもしれないけど)、今度はミサキがチョコを上げたかどうかを聞いたり―――佐藤は他人に興味を持ってきたか―――? サトウと言う名前なのに、甘さが好きじゃない佐藤―――素人の甘さが気になりだしたか~?
甘くない砂川・・・・。
砂川鋭いな~。武器商人が二郎の家に行くことを避けていると見抜いたり―――二郎が自転車を要求してきたことで”職人タイプ”と見抜いたり―――。鋭い洞察力がある砂川―――そして小島が邪魔となったら消そうとしたり―――ファブルを味方につけたいと思えば、組長か若頭を消そうとしたり―――昇格できそうと分かれば、幹部や他所の組にも根回しする実行力もある―――。これだけ出来るヤツなのに砂川が若頭になれなかったのは何故―――? 穏やかにやりたい組長が、砂川の強い野心を警戒したからか―――?
本人は気づいてないようだけど―――
神経質だから―――細かい事にも目が止まって色々気づくんだろう―――。
神経質だから―――宇津帆や鈴木にイジられるほどハゲてしまったんだろう―――。
洞察力が鋭い砂川なら、佐藤と一緒にいるクロの様子を見ればもしかして見抜くんでは―――?
真黒住宅に住んでいる組長の遠い親戚とクロが頻繁に会っている―――そして電話を受けた時に様子がおかしくなる時がある―――と聞けば怪しむだろうし―――。
ファブルと結び付けなくても、地位を上げたいクロが組長に取り入るために親戚に近づいて親しくなろうとしていると見るかもしれない―――砂川がそうとれば、組を掌握したい砂川はクロの動きを把握しようとするだろう―――。
クロの”兄さんとの甘い日々”はそう続かない―――?
甘くない記憶を持つ武器商人・・・・。
武器商人はファブルを見てビビって引退を考える―――。
二郎はファブルがいると知って引退前に手を出そうかと考える―――。
この二人の違いは、過去にファブルにされたことの違いか―――?
二郎は山岡をファブルと知っていながら普通に喋っているから、過去に何か嫌なことをされたという訳では無いだろう―――。
武器商人は山岡に左目を何かされた様子だった―――。怖さを知っているからファブルが来ると思うと逃げ出したくなる―――。今回、砂川が成功すれば”現役の本物のファブル”と接触する機会が増えるだろう―――。本来なら武器商人なんだから武器を売るチャンスなのに、それでも逃げ出したくなる―――。武器商人が今までの行いを振り返り―――寓話(ファブル)の登場人物になぞらえると結末が悲惨な事になりそうだから逃げようと思ったワケか―――。過去にどんなことがあって左目を潰されたのか知らないが―――ファブルに対して甘くない、苦い記憶を持っているんだろう―――。
武器商人が今やりたい事の本命は逃げ出すことだけど、今までの砂川との付き合いで最後は義理で付き合っているんだろう―――。会ったらビビる程の山岡に殺し屋を頼んだのだから、砂川には何か借りがあるんだろう―――。でもそんな砂川相手にも「ファブルにビビってる」事の甘さは見せないのはプロか―――。武器商人がここまでやってこれただけのことはある―――。
ファブルを甘くみている二郎は痛い目にあって―――甘くみていない武器商人は逃げ切れる―――? ファブルに関わった時点で、どっちも無事に引退できそうにないなぁ・・・・。
記憶力が甘くない洋子・・・・。
痴漢を見つけるのはそう甘くないかぁ・・・・。洋子が隙きがなくて甘さを見せない事もあるんだろうけど~。
山岡の姿を見てボスに引き取られた時の事を思い出す洋子―――。
ボス「この娘はウチで面倒見る―――」
山岡「へぇ~ なるほどボスが・・・・」
山岡の”なるほど“とは―――? ボスが洋子を預かる事を聞いて納得する理由がある―――? 洋子は10歳の時に家が火事になって両親が亡くなり、組織に引き取られた―――。洋子の家の火事を起こしたのはもしかして―――? 記憶力が良い子がいると聞いて、組織に引き入れたいボスがやった―――? 山岡の様子は『普通の民家に火事を起こさせた事を不思議に思っていたが、ボスが引き取ると聞いて納得した』から”なるほど”と言ったように見える―――。本命は『組織が火事を起こした』か―――?
洋子は引き取られた経緯はこの時は詳しく語らなかっただけなのか―――? 洋子自身も本当に知らないのか―――?
組織の三つの心得―――
第一『誰だろうと油断するな。赤子だろうが疑え』
に組織の人間が忠実なら、もし洋子の家の火事を起こしたのが組織だとしたら、”記憶力の良い娘”の前で下手なことは言わないように気をつけるだろう―――。
山岡は洋子の前にわざと姿を見せたのか―――? 洋子が記憶力が良いと知っているだろうからわざとか―――? 山岡が狙いの本命が分からない―――。現時点で『佐藤を巻き込む』ことはしていないからボスとの約束は守っているけれど・・・・恐怖心が無くて退屈している山岡のことだから、破られるのも時間の問題―――。
プロとして風呂で寝ずに―――”ふつう”にベッドで寝ようか?と考えている時に洋子からの電話―――。
佐藤が”ふつう”になろうとしてもそう甘くいかないのか・・・・。