みそいれにしやす

面白いと思った漫画のあらすじ、感想、考察などを書いてます。ネタバレが嫌な人は注意して下さい。

ザ・ファブル

【ザ・ファブル】174話「戯れる男・・・・。」戯れで確かめる男、本気で確かめたい女・・・・。

投稿日:

ファブルの山岡が、砂川を真黒組の若頭にしようと暗躍する太平市。町中で山岡の姿を見かけた洋子は警戒。水野からアジトを奪った山岡は、マツに元のアジトから荷物を持ってくるよう指示。マツが荷物を纏めようとしていたら一人の男がやってきて・・・・

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あらすじ

元のアジト

二郎が使っていたアジトで、山岡の荷物をまとめていたマツ。

そこに入ってきた男「誰だ――― おまえ・・・・」

マツ「山岡さんの手の者や――― 山岡さんの指示で荷物を運ぶとこ――― ハンモックやらを・・・・」

男はしばらく眺めた後、持っていたカバンを置き「そうか―――手伝おうか?」

マツ「え? あ・・・・ あ~」

男は手伝いつつ、壁に貼ってあった写真のことに触れる「その写真は? またあの人の趣味か―――? その写真の中にアンタのもあるのか? 気をつけたほうがいい――― それは山岡が道楽で選ぶ死のリストだ―――」

マツ「わかってる。そういう事、話していいの? ずいぶん親切なんやな~」

男「仕事が仕事だから普段はなるべく、人に優しく気遣いを持つようにしている。それがいい隠れ蓑になるからな~ まさかあの人がってヤツだ―――」

男「それよりアンタ――― 死相が出てるぞ――― ネガティブになりすぎなんだよ――― 死相を自分で作ってる。俺はそうゆうのに勘がいい――― もう少し楽に考えたほうがいいぞ~」

マツ「そうやな・・・・」

アジト

水野から奪ったアジトではユーカリはダーツを、山岡はビリヤードを楽しんでいた。

そこへマツと男が入ってきた。

男「よォ~ いいアジトじゃね―――か!」

山岡「タイミングよくマツに会えてよかった―――」

男「アジトの住所は聞いてないからな」

山岡「とりあえず休め―――!」

いきなり男は山岡にフィンガージャブを放つ。
新しいファブル
山岡は頭を傾けて避け、ビリヤードのキューで突き返す。

男はジャブを放った反対の手のひらでキューを受ける。

山岡「よ~し。マツ――― ビールだ! 再会にカンパイしよう」

洋子の家

佐藤が洋子の家に入ってきた。

中に居た洋子「あ――― 来た来た! どうせヒマでしょ! カレー食べる? 明日――― バレンタインだし、タコちゃんにチョコ渡しといてよ」

椅子に座る佐藤「わかった―――」

洋子「最近、真黒組静かね~・・・・ クロちゃんや海老原さんからなんか聞いてる?」

佐藤「いや――― おまえが気になってるのは真黒より―――山岡なんやろ? 山岡ってのは―――子供の頃、一回会っただけやろ? どうしてそんなに気にする―――」

洋子「両親が火事で死んだ時・・・ショックで―――しばらく少し記憶障害があったけど―――いろいろ思い出すのよ。あの時の光景・・・ アタシ―――記憶力ハンパないから~」

子供の頃に見た山岡の唇の動きを思い出す洋子「山岡に会って確かめたい事があるの―――」
山岡 洋子

感想

勘に頼れる男・・・・。

新たに現れたファブルの男――― 部屋に居た知らない男(マツ)を見て、指をコキっと鳴らしていたが―――
新たなファブル
事前に聞いていたマツの特徴、部屋の様子(壁に貼ってある山岡の死のリストなど)から、コイツは本当のことを言っていると見抜いたか―――。確かに勘がいい―――。

マツに「死相が出ている」と言ったファブルの男―――。死のリストに入っていること、警戒している様子、だけど突っかかってもこない覇気がない様子を見て、ちょっと会話しただけで「ネガティブに成りすぎのせいで死相が出ている」見抜いた―――。確かに勘がいい―――。

ユーカリに山岡が「倉庫に入ったら2秒で現場のスキャンしろ」と言っていたが―――現場を瞬時に把握してどう動くのが最善か―――これが出来なければ一流の殺し屋と言えないのか―――。鈴木も佐藤の”勘がいい”トコロを褒めていた―――。銃の腕前や格闘術より”勘がいい”というのが殺し屋にとって一番重要な素質なんだろう―――。海老原に「ハコスカの鍵をもってこい」と言われて、本当に鍵だけを届けた”勘の悪い”クロは、プロにはなれないだろう・・・・。

ファブルの男「普段はなるべく、人に優しく」か―――。これは男が言うように”隠れ蓑”の意味もあるだろう―――格好もそこらに居そうな坊主にメガネと地味―――が、山岡みたいに、最初はナメていて調子に乗った相手が、追い詰められて恐怖に落ちる落差を見て楽しむために戯れで優しく振る舞っている部分もあるんだろうか―――?

戯れる男達・・・・。

ビリヤード、ダーツそれぞれ遊んでいても、ドアが開くと見る―――。気を抜かないプロ―――。

ダーツの投げ方に文句を言うユーカリ―――。型に嵌まることを嫌うのか~? 反対に、新たに来たファブルの男は、普段は優しく振る舞って―――頭も坊主で地味な姿―――と周りに溶け込もうとしている―――。周りに馴染んで気配を消せるっていうところもユーカリとの強さの違いか―――?
倉庫を襲撃した時はユーカリの強さが際立っていたけど―――ドレッドヘアだったり―――襲撃時に派手にシャッターを鳴らしたり―――ダーツの投げ方が気に入らずに我流で投げたり―――職業病を隠せないユーカリに対して、新たに来た男は自分を殺す事が出来るのでユーカリとは格が違うってのを感じる―――。山岡から花言葉が”記憶”のユーカリと名付けられたのは、記憶力が良いだけでなく記憶に残ってしまうという意味も込められたんだろうか―――?

ユーカリもやったが―――いきなりジャブするのはお互いの調子を確かめる意味でもあるのか―――?
新しいファブル
フィンガージャブというより張り手みたいに見える~。
指をコキと鳴らすのが攻撃に移るルーティーンであり、佐藤にとってのオデコトントンのようなスイッチでもあるのか―――? マツを会った時に指をコキと鳴らしていたのはマツを攻撃しようとしていた―――?

戯れで殺されそうな男・・・・。

挨拶代わりにジャブを打って戯れる―――こんなヤツらの中にいるんだからマツは元殺し屋だったとはいえ生きた心地はしないだろう―――。でも逃げようにも娘の居場所を知られている―――。さらにファブルの山岡だけでなく、ユーカリともう一人の顔も知ってしまった―――。勘が良くなくともマツに死相が出ているのが分かる・・・・。マツは武器商人として―――武器を売って、他人を不幸にして利益を得ていたわけだから―――寓話(ファブル)に始末される最期というのは当然の報いなのかもしれない・・・・。

戯れを辞めて鍛えだした女・・・・。

洋子は、バレンタインで田高田社長にチョコを渡す間柄になったか―――。クリスマス会で洋子は田高田社長を父親の姿と重ね合わせていた―――10歳で両親を亡くした洋子は、物心ついた頃から親がいなかった佐藤よりも寂しさがあるんだろう―――。今は居ない父親に対して出来なかったことをタコちゃんにしているんだろう―――。

洋子が両親を亡くしてボスに引き取られた時、山岡と会っていて引っかかる事があるという―――
山岡 洋子
山岡の口の動きで洋子に聞こえないように喋ったことを読んでいた―――? まだ10歳で普通の家庭に育っていただろうから、この時は読唇術は使えなかったけど、ハンパない記憶力で口の動きは覚えていて後で勉強して解析したのか―――? 山岡が口を動かしたのは、おそらくこの後―――
洋子 10歳
ボスが子供を引き取ると聞いて山岡が言った言葉は「なるほど。ボスが」。つまり、ボスが洋子を引き取ることに山岡は納得したということ―――。洋子がファブルに入ると聞いて、山岡の疑問が解決したということ―――。その山岡の疑問は、一般家庭の家に火事を起こしたことではないだろうか―――? これは前にも書いたけど―――記憶力が良い洋子を組織に引き入れるために、そしてなるべく小さい頃から鍛えるために、組織が火事を起こしたんではないだろうか―――? 記憶障害になったのは両親を亡くした影響だろうけど、その無くなった記憶の中に放火の形跡があったりして―――? 洋子は山岡に会って確かめたいというが・・・・会えるのか―――? 山岡を警戒していた洋子が、鍛えだしたとは言え一人で会いに行くとは思えないが・・・・佐藤と一緒に行く―――? もしそうなると佐藤に興味を持っているユーカリが手を出しそうだな―――。もし手を出せば、それはファブル同士、手加減できずに―――戯れでは済まないだろう・・・・。

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