週刊モーニングで連載中の中年ダンス漫画。作者は常喜寝太郎。
【踊れ獅子堂賢】のあらすじ
父親が大病し、下着メーカー「シェリル」を引き継いで2代目社長になった獅子堂賢(40歳、独身)。従業員は2632人の業界内でも有名なメーカー。引き継いだはいいが、ただのお飾りで周りの意見に同意を求められて「はい」と答えて承認するだけ。
学生時代はボクシングをやっていたが、今はやりがいのない日々を送るだけだった。ある日、新卒採用の最終面接に参加することになり、そこでも周りの意見に従うだけだった。が、ある学生・椎名まなかを見て獅子堂が意見を出して覆して採用する。積極的にはなってみたが、それでもお飾り社長からは逸脱出来ないでいた。そんな自分に嫌気が差し、以前通っていたボクシングジムを尋ねるとそこはダンススタジオに変わっていた。流れで社交ダンスを体験することになり、講師の女性と踊りだす。獅子堂は恥ずかしくて下を見ながら踊っていたが、久しぶりに汗をかいたことで何かが変わる気がした。そして目を上げると…ダンスを相手をしてくれたのは椎名まなかだった。
「踊らされる」から
「踊りだす」へ
1話の内容と、掲載誌が青年誌ということから、大人の恋愛話かと思いきや…そうではない。主人公の獅子堂賢は苗字の通り、獅子として堂々としている!ということでもなく… 元ボクサーなのに戦う姿勢を忘れて流されるだけ。社長という地位は勝ち取ったものではなく、親から受け継いだものなのでイマイチ身が入らない。獅子堂賢には何か特別な能力や経営センスがある!というわけでもなく… 流されるまま日々を過ごしていた。そこから社交ダンスに出会い変わっていく…という物語。
社交ダンスと椎名まなかとの恋愛、その一辺倒だと思わさせるが… そうでもなく、話の軸が変わっていく。この漫画で描かれるのは…
獅子堂賢は、ダンス大会出場を始めたり… 恋愛したり… 婚活もしたり… 社長業にやる気を出したり… さらには事業拡大もしたり… M&Aもされたり…
漫画で描かれる軸は色々変わるけれど、それはダンスの踊るジャンルを変えるのよう。ひとつに絞っていないので、逆に飽きが来ない。そして軸が変わってもストーリーが散漫にならないのは、変わらないところがあるから。それは…ステップを踏み出すこと。この漫画では40歳の獅子堂賢が新たなステップを踏み出すことが描かれている。
新たなステップを踏み出すのは怖いが、パートナーがいると踏み出せる。さらに仲間達がいると楽しみになる。