【ザ・ファブル】196話「空気の男・・・・。」空気を一変させた男・・・・。

山岡のアジトで、佐藤兄妹、ミサキ、マツと役者が揃った。
佐藤は正体を明かし、ユーカリと素手の対決になる。
佐藤はユーカリを倒したが・・・・

あらすじ

倒れたユーカリは、ビリヤードのキューを掴んで佐藤に殴りかかる。

が、佐藤は避け「素手で―――やるんじゃなかったか？」

ユーカリはキューを置き、構える「なんか　おかしいな～　当て勘が狂って気持ち悪い―――」

佐藤「狂っちゃいない―――　俺のほうが強いだけだ―――　6秒だ―――」

ユーカリがジャブを打つが、佐藤の右ハイキックがユーカリの顔面に当たりノックダウン。

佐藤「あっ・・・　1秒やった―――」

アザミが佐藤に近づく。

山岡「アザミ―――　もうわかってると思うが―――　佐藤の空気に惑わされるな！」

佐藤と向き合うアザミ（なるほど―――まるで強さのオーラがない―――　そこらの通行人となんら変わりない空気―――　暗殺者の完成型とはこうゆうものなのか―――・・・？）

佐藤は声を出さず、唇だけ動かす（俺を知ってるな　なぜ山岡に言わなかった―――）

アザミも声を出さずに唇だけ動かす（当然、山岡も読唇術ができる　気をつけろ―――　ボスの命令だ！　山岡を拘束する―――）

アザミが踏み込みパンチを繰り出し、佐藤はガードする。

佐藤が右ストレートを出すが、アザミは避け、佐藤の伸びた右腕を掴んで一本背負い。

倒れる佐藤にアザミはフィンガージャブを繰り出し…

感想

空気の男・・・・。

佐藤と手合わせしたユーカリ「当て勘が狂う―――」
人間相手だから当然サンドバックに打つようではなく―――相手がこの後どういう動きをするか、ある程度先読みして攻撃をする―――。先読みが出来るほど当て勘がいい―――。だが、気配を消せる佐藤は、次の動きの気配も読みにくい―――だから当て勘が狂う―――。人間だから身体能力や反射神経などに限界があるが―――佐藤は当て勘を狂わせることが出来ることでアドバンテージを得ているのか―――。鉄工所で佐藤を見た砂川は、山岡に「どんなだった？」と聞かれ「まるで散歩してるみたいな男やった―――」と言っている―――。散歩感覚で暗殺が出来る―――これが暗殺者の完成型か―――。ユーカリは頭に血が上って、素手のルールを破りビリヤードのキューを掴んでしまった時点で負けていた―――・・・・。

空気になるだけでなく、さらに空気まで変えられる―――

いざとなったら空気を読まないこともできる―――

相手のペースに飲まれない―――マイペースで他人に干渉しないだろうな～と思わせて暗殺か―――。プレイボーイとは空気を読む達人といっていいだろう―――その河合でも空気が読めない―――これが暗殺者の完成型か―――。

そして闘うと、当て勘を狂わせるだけでなく、ユーカリの直線的なジャブに対して回し蹴りでカウンターを返せるとかどんだけ速い―――！

通行人の空気でこの速さ―――最高傑作の名に恥じない―――。圧倒的不利な状況の空気を一変させた―――！

空気を出していた男・・・・。

前から、アザミは何のために出てきたんだ～？　同じ現役のファブルを出すにしてもユーカリだけでいいだろう―――。二人も出す意味があるのか～？　漫画的に何かしら理由があるのか～？と思っていたら―――役目があった―――!!

佐藤に読唇術で「ボスの命令だ！　山岡を拘束する―――」

ボスから命令されてたか―――。ボスは山岡が佐藤に何かするだろうと読んでいて、山岡の直属の部下のアザミに命令していたのか―――。これでボスが来なかった理由が分かった―――。アザミが佐藤明に気付いても山岡に言わなかった理由が分かった―――。真相が明かされて―――これは宇津帆編でヒナが途中から「両親を殺したのは宇津帆だ」と解っていたのが判明した時みたいに―――アザミの今までの行動を振り返ってみると面白い―――。

アザミが一日早く日本に帰ってきたのも―――
ボスから誰か代理を派遣されて、ソイツに仕事を引き継いだから日本に早く帰ってこれた―――？

スズムシがユーカリに敵わないと土下座した時―――
ユーカリが銃を取り出して始末しようとしたが、アザミが止めて「もう一人呼んで2対1ならどうだ？」と提案した―――。スズムシを消すのを止めた―――？　他にもアザミは、弟子入り志願したスズムシに「山岡に部下は30人いたが訓練中に28人死んだ」と忠告している―――。これは無駄に被害者を増やさないためか―――？

洋子が最初にアジトに乗り込んできた時―――
マツやスズムシの相方をどうしたか気にしていた―――。これも無駄に被害者を増やさないためもあるだろうが、もし洋子が殺していたらアザミはボスの代わりに始末していた―――？

その後、洋子とユーカリが闘いそうになり、山岡が「勝手にシナリオ進めてんじゃねーよ！」と怒った時―――

アザミは山岡の顔を見ている―――。これは「今、拘束するために動くべきか？」と考えていたのか―――？

アザミが山岡にボスへの忠誠心を聞いたのは―――
ボスから命令を受けていたからか―――。山岡の行動の真意がボスや組織にプラスとなる行動だったらボスに報告して、後は山岡を泳がせていただろう―――。山岡に引退を進めたりしていたのは、世話になった山岡に対して「ここで止まってくれないか？」という僅かな最後のチャンスは残されていないかという思いか―――？

アジトで山岡に佐藤明がいると分かった時―――
洋子が暴れだしたが―――

佐藤がいるプレハブを見ずに、山岡と洋子の闘いを見ている―――。アザミがこの後に洋子を投げたのも、山岡に始末されないようにするため―――？　今回、佐藤と手合わせする前に、洋子に「おまえはとにかく動くな―――」と言ったのも、余計な怪我をさせないとともに、山岡を拘束する時に邪魔をさせないためでもあるだろう―――。

佐藤がプレハブから飛び出てきて、ユーカリに銃を向けて洋子を盾にとられて硬直状態になった時―――
アザミが「銃を置け―――　俺と素手でやろう―――」と言い出したのも犠牲者を出さずに事態を解決させるためか―――。アザミと素手でやる前にユーカリが割り込んできたが、結果的にはアザミの真意を知らないユーカリが気絶して良かったと思う―――。

石原が連れてこられた時―――

アザミが気付いたのは佐藤の気配に気付いたんじゃなくて―――事前に佐藤の顔を知っていたからか―――。（洋子のほうは洋子が乗り込んできた時にアザミが驚いていたから知らなかった）
顔を知らなければアザミでも気づかなかったか―――？
ボスから山岡を拘束する役目を命じられるぐらいだから、現在のアザミは山岡より強いだろう―――。そのアザミでも、佐藤と向き合ってもそこらの通行人と変わらない空気しか感じなかったから―――アザミでも見抜けなかったか―――・・・・。この表情は―――顔を見て佐藤明だとわかったが、気配が一切感じられなかった！という驚愕の表情か―――？

そう考えると今日の佐藤はピリピリしてると見抜いた田高田社長は、社員の調子をちゃんと見抜いている―――経営者としてプロか―――。

アザミの目的が分かり―――空気が、流れが一変した―――。アザミの花言葉「触れるな」は、皮肉にも名付けた山岡に対して「ボスの逆鱗に触れるな」という役目の意味になってしまったな―――・・・・。

空気を読んだ男・・・・？

佐藤はアザミに投げられたが―――投げたとこのコマは

二人とも上が黒い服だから一瞬どっちが投げられたのかわからんかった―――・・・・これは佐藤が負けたのか、空気を読んでわざと投げられたのか―――？
わざとなら―――やはり山岡を拘束するため―――？
山岡は長年プロとしてやっているだけあって警戒心が強い―――ユーカリと再会した時もアザミと再会した時も挨拶代わりにジャブを打たせてる―――

これは普段から気を抜かないようにしているんだろう―――。恐怖心が無い山岡ならなおさら―――。
そして佐藤がアザミに勝ったら山岡は警戒を解かない―――。アザミが倒して、佐藤が行動不能の状態になったと思わせたら―――佐藤は気配も消せるし―――山岡の隙を突ける―――！　そこで拘束か～？

でも、ちゃんと拘束できるんだろうか―――？　山岡がミサキを攫ってこいと言った時、「ヨウコは、いざって時には自害する―――そういう教育をされてきた―――」と言っていた―――。山岡は拘束されたら、自分で命を断つんだろうか―――？　拘束されてボスの所まで連れて行かれたとしても、消されてもおかしくないし・・・・。そういえばミサキを攫うとなった時、マツが山岡は焦っていると感じていたが、山岡はボスに目をつけられたと気付いた―――？　洋子の部屋の監視カメラでボスに見られたと思ったのか―――？

疑問だったアザミの行動の真意が分かり―――この後どうなるか気になる所で読者の空気を読まずに今年のファブルは終わり―――・・・・。


来年も『ザ・ファブル』という面白い漫画を―――ハッピーなお年玉を貰えますように―――。