雅と姑獲鳥と再戦するために上野を目指す明達。地下鉄の線路を通って池袋駅まで来た。そこから地上に上がる道を探すのだが…
あらすじ
池袋駅の階段を上がっていく明達。
ネズミ「池袋となると、さすがに階段も広いな」
改札口を抜けると壁や駅の施設などが崩れていた。
ネズミ「なんだかすげェ崩れてるよ。せっかくの広さが台なしだ」
瓦礫の隙間から水が出ている。
鮫島「水が漏れてんぞ。外は雨かな」
明「とりあえず少しでも上に出られる場所を探そう」
瓦礫の間を進んでいく明達。
明「あそこの階段の所、明かりが… 地上に出られるんじゃないか?」
鮫島「俺が地上に出た時は夜だったからほとんど闇だった。ようやく本来の東京の姿が拝めるな」
階段には岩があったが、鮫島がどける。
階段を登って地上に出ると…
そこは水に囲まれていた。
ネズミ「海… 一面海じゃないか!」
戸惑う明達。
階段の下から聞こえてくる声「海じゃないよ。これは湖」
声の主はゆかぽんだった。
鮫島「あま… ついて来たのかよ」
ゆかぽん「由香。呼び捨てでいいよ」
由香は話し出す「ここは国連軍から爆撃を受けたの。日本以外の国だってこんなパンデミックほっとけないでしょ。どこからか雅様が池袋にいるって聞きつけて、ここは集中的に爆撃を受けたのよ」
明「そういえば前に雅を池袋サンジョインで見たって奴いたな」
由香「で、ボコボコになった地面に雨水や地下水がたまって、このとおり湖になったって訳」
鮫島「何てこった… 待てよって事はそうか。あの夜のクレーターも爆撃によってできたって事か…」
ネズミ「考えられない… じゃあ本当にここが都会だった池袋なのか…」
由香「そうよ。あのでかいのがサンジョインの成れの果て」
傾いているビルを指差す由香。
明「どうするか? そうやって上野に行くかだ」
鮫島「そうだな。泳いで行くったって限界があるし方向もわからねェからな。とにかく船のようなものがほしいな。乗り物が」
由香「案内しよっか?」
鮫島「小学生だろ。道なんてわかんのかよ」
由香「失礼ね。これでも26よ。仕事柄、幼く見せるの得意なんだから」
鮫島「26歳? お前、明より年上なのか!」
由香「上野方面から筏で逃げてきたの。一緒に筏で行く?」
明「いいのか? 俺たちと旅するとかなり危険な目にあう」
由香「大丈夫。長生きしたって別にいい事ないし。死んじゃったらそれでもいいよ」
鮫島「フン たいした女だ。さすが26歳」
由香「年の事は言わないでよ!」
明「よし その筏で行こう。案内してくれ」
感想
先週の話は無駄な話だったんじゃねェのか?と言っちまったが、先週ゆかぽんを助けた事が繋がった! 彼岸島に無駄な話は無いということか! なんたる緻密な漫画…
コイツがネズミ
見た目とは違い
詩的表現が出来る奴だ
すっかり変わっちまった池袋駅を見たネズミ「賑やかだったんだろうな。昔の人の笑い声が聞こえてきそうだよ」。
詩的なことを言うじゃねェか。足手まといの吉川を連れていることを「楢山節考」と言ったり、文学に精通してんのか?
コイツが鮫島
見ての通り
力の強い奴だ
階段を岩が塞いじまっているのを見た鮫島「このくらいの岩ならどかせられるだろ」って
どかせられねェよ!って鮫島は普通の人間じゃなかった! 吸血鬼ウィルスで身体がデカクなっちまった人間だった! 船のマストも持ち上げたことがある馬鹿力を持ってやがる人間だった!
無駄な話が無ければ、無駄な登場人物もねェってわけか。でもこの階段を岩で塞がれているのはいらねェんでは… これで1ページ消費しちまってるし…
結局、ページ稼ぎだったんだろうな
先生ェの笑い声が
聞こえてきそうだよ
コイツが彼岸島
見ての通り
引き伸ばしが多い奴だ
池袋駅から地上に出たら一面水だらけだった!
それは爆撃の跡でそこに水が溜まっちまっていたという事だった!! 氷川台駅から地上に出た鮫島が見たクレーターは、爆撃の跡だったのか! てっきり邪鬼が暴れて出来た跡かと思っちまってたが伏線だったとは… やはり無駄がねェ。
そして本土で出会ったケンちゃんが言ってたことは、あながち間違いではなかった!
雅を消すためだから、東京への爆撃が一番強かったはず。ケンちゃんが居た地方では、この通信が途絶えた世界なら正確に伝わっていねェのも仕方ねェ。
国連軍が爆撃したってことは世界に知られているってことだろ? そして今は爆撃が起こってねェし、外国人部隊が上陸したって情報もねェ。もしかして外国にも吸血鬼ウィルスは広まっちまったのか? 吸血鬼ウィルスを持った蚊が荷物に紛れて、もしくは外国人部隊が感染が広がった日本に上陸して感染しちまって帰国して… それで外国に感染が広がっちまった可能性は高いなァ。…へ? やべェ! このまま行くとアメリカ編とか始まっちまう! 彼岸島はまだまだ続くは、先生ェは外国へ取材旅行に行けるはで最高じゃねェのか?
読者「彼岸”島”だろ
引き伸ばしなんてできんのかよ」
先生ェ「失礼ね
これでも漫画家よ
仕事柄
引き伸ばすの
得意なんだから」
コイツがゆかぽん
見ての通り
幼く見える奴だ
ゆかぽんは先週あれだけ取り乱しちまっていたのに、今週のゆかぽんは普通の女の子じゃねェか。地下アイドルだったゆかぽんが、地上に出て正常になったってことなのか? それとも地下アイドルをやっていたら、あの程度のことは日常茶飯事ということなのか? ひいいいいい 地下アイドルは地下にいるから真っ暗、マクラ営業もしてるっていうことなのかァ? 先生ェはこんな社会の闇も斬っているというのか!
で、ゆかぽんの筏で上野に行くって事だが… サンマみてェな邪鬼が出てくるんじゃねェのか?
彼岸島の周辺にいたサンマ邪鬼はどっかに言っちまったから明は彼岸島を出られたわけだし、雅の周りを守っていても不思議じゃねェ。それとゆかぽんは「上野から来た」って言うが上野は姑獲鳥が居るところだろ? 怪しいなァ。でもあのデブ吸血鬼に襲われたのは演技には見えなかったが… 一箇所気になるセリフが
由香「どこからか雅様が池袋にいるって聞きつけて…」。雅”様”って呼んじまってるぞ? 国連軍が雅を狙っているのを知っているということは、ゆかぽんも雅が諸悪の根源ってことは知っているってことだろ? それなのに様付で呼んだりするのかァ? 無駄がねェこの漫画に、無駄に”様”をつけるセリフを言わせるだろうか? ゆかぽんは吸血鬼側の人間なんじゃねェのか? そういえば彼岸島は、女に騙されて彼岸島に渡ったのが全ての始まりだった…。もしかして歴史は繰り返すというのか!?