陰陽トーナメント1回戦第4試合
金隆山康隆 対 川口夢斗
鉄砲、素首落としを喰らった川口夢斗。
2発のローキックを喰らって脚が変色した金隆山。
そしてコーナーにいる夢斗に金隆山が不知火型で迫っていく。
あらすじ
両腕を広げじりじりと近づき川口をコーナーに追い詰める
だがコーナーに追い詰められたのではなく金隆山の死角に回りつつチャンスを窺っていて結果としてコーナー側に寄ったにすぎないという事かもしれない
追い詰められているのは川口か金隆山か
川口の蹴りの間合いまで2人の距離が近づいた時、互いに勝利の情景が脳裏を過ぎった
夢斗はローキックで自重を支えられなくなった金隆山が崩れるように膝をつく情景
金隆山は掴んだ川口の骨をマッチ棒のように折る情景
共に勝利を確信したその時――― 川口が動いた
夢斗は右ローキックを放つ。
金隆山は脚を取ろうと両腕で掴みにいったが、蹴りは触る程度で戻される。
引く事が目的の偽装の蹴り。
偽装の蹴りを金隆山は両手で掴みにいってしまった
勝敗を左右するこの場面で川口は最大の武器である蹴りをフェイントとして使い―――ステルスパンチ
夢斗は左フックで金隆山の目の上の傷を狙い、両目を塞ぐ
しかも今は左大腿部に力が入らない金隆山は腰を落としながら右足を上げる事ができない
重ねられた策がこの一撃の選択にはあった
―――がそれでも843勝0敗0休の力士が背後をとられる事はなかった
右足でリングを掻くように力を入れ、掴むために川口を追った右腕を畳んだまま上方に―――かちあげ
無理な体勢からのかちあげはダメージを負わすものではなく、川口のバランスを崩すために放ったもの
川口は上体を反らしバランスを保つため脇から肘を離した
鉄砲に続く禁じ手の解放
鉈
右腕を片閂で極めている
閂で極めた右腕をマッチ棒のように簡単に折った
夢斗は右腕が折れる。
金隆山の乾いた目が見たものは脳裏に過ぎった情景
川口の目は濡れている 痛みのためか敗北を悟った悔しさからか
腕が折れて間接という引っ掛かりがなくなり強引に腕を引き抜く川口
川口(勝利を諦める事などあり得ない 親父 父ちゃん 母ちゃん 俺はここまで強くなったよ 弟よ その燃える目に映るものは―――最高にかっこいい姿を見せてやる!!!)
自重を支えられなくなった金隆山が崩れる姿
右ローキックを放つ川口
神木よ倒れろ!!!
感想
恐ろしいのは続けて掲載された事ではない
恐ろしいのは連載状況に応じてシームレスに前号と繋がっている事
前回の臨時ニュースが入った時の続きからか。って加齢臭がするおっさんのセクシーポーズからかよ。
何故か前回と微妙に変わってるし。
↓前回のコマ
スウの文字が前回より小さくなってる。もしかして一人になったからスゥっきりしたっていうのか? だから文字が小さくなっているのか?
文学「人は何故戦争などするのだろう…」
みなさん…川口…夢斗の…倒し方を…教えてください
今の金隆山の力で倒せる方法を
「掴まえて折れ」
80話の前半でしていた出場者達の予想。コーナーに追い詰めた金隆山、追い詰められた川口がどうするか。
・上杉均は「廻し蹴りか飛び膝蹴りでコーナーから脱出」と予想。
・佐川睦夫は「恐怖のノートだけは握りしめてとにかく逃げる」と予想。
・反町隆広は「川口はさらに脚を蹴る。金隆山は蹴った脚を掴んで折る」と予想。
・三代川祐介は「2人とも立てなくなる」という展開を考える。
・工藤優作は「掴まえて折れ」と言い放つ。
工藤の予想が一番当たってるじゃねーか! 怪力を持っている者は小手先のテクニックに頼らずにシンプルが一番と理解しているのか。工藤は新雪の野を進み始めて伸びしろ滅茶苦茶あるんじゃねーのか? 他の連中の試合見てさらに無茶苦茶伸びるんじゃねーか?
皆さ~ん聞いてください!!!
ここに予想の鉄人がいま~す!!!!!!
予想屋殺しと言われる男が誕生しましたぁぁ!!!
でもこの間にも十兵衛から平均20分ごとの嫌がらせを受けているんだろうな…
自らの意思で倒れる事も許されない
言葉も届かない
泣いても叫んでも懺悔しても逃れる術はない
それが横綱
勝利の情景を脳裏に浮かべた夢斗と金隆山。
夢斗は「ローキックを喰らって自重を支えられなくなる金隆山の姿」。
金隆山は「マッチ棒のように骨を折る姿」。
そして金隆山の勝利の情景が再現された。
でも金隆山は腕を折ったからって腕を離すなよ。ローキックを喰らうはめになったじゃねーか。金隆山の勝利の情景は腕を折るまでだったのか?
金隆山(本名・武田康隆)氏は
「だってこれで勝ちだと思ったんだもん」
「頭の中ではすでに勝利している」
などと今も狂言を繰り返している模様です
金隆山は腕を折った後にさらに追撃出来なかったのか? ”横綱の品格”を気にして出来なかったのか? 倒れた相手に追撃できないし、恐らく折れた腕をさらに攻撃するのも出来ないだろう。そして金隆山は横綱としてダウンすることも許されないと思っているんじゃないか?
金隆山「ダウンする事さえ許さないのか―――
とんでもない とんでもない とんでもない
とんでもないドS野郎が現れた!!!!!
こんなドSの後援会を私の前に遣わしてくださいまして有難う御座います」
“アレ”には名前があった
その行動からこう呼ぶ―――
足手まとい
そもそも金隆山には優秀なブレーンがいないんじゃ… 下総親方は金隆山に何も教えてないだろ? ガードもロクに出来ていないし。大会前の会見では後援会やファンに感謝の気持ちを述べさせたし。
ここで田島が言っていたように別の言葉(例えば「自分の強さを追求したい」とか)言えば、追撃出来たり、グラウンドで上からパウンド出来たり戦法が狭まらずに自由に戦えたんじゃないか? これは下総親方も悪いと思う。
この試合の勝敗はバックに付いている人の差で着くんではないだろうか?
金隆山は技や戦法を教えられないセコンド、品格を気にする後援会。金隆山の周りには足を引っ張る者しかいない。対する夢斗は、優秀で夢斗の事を理解しているセコンド、勝つための身体に火を入れてくれる両親と弟。ダウンから復活したり、腕を折られても反撃出来たのはできたのは川口拳治や実の両親や弟のお陰だろう。
金隆山のほうがファンやサポートしてくれる人は多いが、取り巻きが多くなるほど正しいアドバイスをしてくれる人間は少なくなっているんではないだろうか?
金隆山(今どきの総合の技は磨かれていると聞く
夢斗は俺の知らない世界を知っているというのか!?)
夢斗「ちなみに取り巻きの多さはアドバイスの精度の高さに反比例する―――
覚えておけ」
金隆山(ためになる!!!)
入江文学はこの戦い
実質片腕を利用した
夢斗も腕が折れた。
第3試合で文さんが骨折しても続ける様子を見て夢斗は「まだ…やるのか」と驚いていたが、いざ自分も同じ状況になると試合を続けている。これ以降の試合も骨折だけでは終わらずに試合を続行して、勝者もかなりの負傷を負っていくんじゃないか?
第1試合では工藤が左目を失明。
第2試合では十兵衛が鼻骨骨折。
第3試合では文さんが左腕骨折。
そして第4試合でも骨折。
夢斗が勝つかどうかはわからない、でも金隆山も脚が変色している。勝ち上がってきてもみんなボロボロで2回戦以降はグダグダなクソ試合しかねーんじゃねーの?
出場者全員が試合ごとに怪我を負っていくとなると、文さんは相当有利な立場にあると言える。この第4試合の勝者はどちらになろうともすでに両者ボロボロ。そして順当に行けば3回戦で、自分の片腕と言える弟子の十兵衛と当たる。文さんは2回戦に勝てれば、その後は休憩も長くとれて、反対のブロックを負傷しながら勝ち上がってきた者と決勝を戦う。これはかなり有利じゃねーか?
スタートラインは同じではない
陰陽トーナメント全出場者16名の中
組んで戦っている富田流だけが
数歩前に出ている