みそいれにしやす

面白いと思った漫画のあらすじ、感想、考察などを書いてます。ネタバレが嫌な人は注意して下さい。

双亡亭壊すべし

【双亡亭壊すべし】48回「タコハ絵鬼神」イヤなコトは笑って追い出すべし!

投稿日:2017年3月29日

鬼離田姉妹の長女の菊代が取り憑かれてしまった。
菊代に絵の中へ放り込まれた次女の雪代と三女の琴代。
凧葉と紅が絵の中に飛び込み、琴代を救うことに成功した。が、凧葉と琴代は続けて雪代を救うべく、再び絵の中へ…

 

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あらすじ

絵の中の凧葉と琴代

雪代は取り憑かれ始めていた。救うには身体のスキマからツタ状のモノを追い出すしかない。

琴代は凧葉の絵を依代に鬼神を降ろそうとしていた。

琴代「古来より、外から出来る魂は『物』に宿ったものだ。依代は『万物』オーケーじゃ。我が加幻満流鬼神招請の秘法は普通、行者に降ろす… 人の身体にあふれる『生命の力』を使って、現世に大いなる力を揮うためにな」

琴代「『生命の力』に次いで鬼神の力の源になるのは『人の思い』… 『念』の力じゃ。人の生み出す物は全て『念』の力が宿る。各書画にも鬼神は降り来るのじゃ」

凧葉の絵から鬼神が飛び出て、雪代の身体のスキマから中へ入っていく。

琴代「特に画に降りた鬼神は、力はか弱きものなれど…薄い! それは今、閉じようとしておる、雪代姉の心のスキマに侵入すること甚だしい!」

凧葉「信じられねえ… オレの落描きが動き出して…」

琴代「あとは雪代姉の内に入ったヤツらの<サカナ>どもと、おまえの絵の童子様のどちらが勝つか…じゃ。負けたら雪代姉も菊代姉さまと並んであたし達の敵になる! そしたらあたし…イヤ、あたし達に勝ち目は無い… タコハ おまえはあの落描きにどんな『念』を込めた?」

凧葉「オレの行ってた美大ってさ… すっごい金持ちや変人とかいてさ…」

凧葉は父親の塾の倒産でバイトの日々を送っていた。金持ちの美大生は海外旅行やなど色々な経験をしていて、物を知らず色々な経験がない凧葉を見下していた。

凧葉「知ってるコトや見聞きした経験は、他人をだまらすコトに使わないで、これからの自分がマシに生きてくために自分で使やイイのに。だからオレはふざけて笑い飛ばしたかったんだ。オレが絵を描く時は、金がなくても物知りじゃなくても親に恵まれなくても、安い絵の具がありゃ色んなモンが描けるんだぞ~ ざまーみみろって… なるべくゆかいでオモシロイもんを描いて、そんな足んねえモノはみんな笑い飛ばしてやるぞって」

琴代「あたし達も同じ… つらくて… ひもじくて… ろくになんの思い出もない… だから笑っているのじゃ… 笑うしかないのじゃ」

笑い出す琴代。雪代も同じように笑い出す。

琴代「雪代姉がおまえの絵に込められた『念』に応えてらっしゃるよ! そうそう雪代姉笑って!もっと! イヤなコトやイヤなヤツらは、みんな笑って追い出してよ雪代姉!」

絵の前の紅達

宿木「さっきは柘植の力で帰ってこられたのだろうが… もう、あの2人は帰れまい…」

柘植紅「いいえ、きっと大丈夫… 凧葉さんが一緒だから。私はあのヒトがいなければ…助からなかった」

紅「タコハさんは頼りないし… 何かと争う強さも持っていません… ですが、この<双亡亭>に対抗する何か… 大事なものを秘めているような気がします…」

イイイ イイイイ

 

絵から音がする。

紅「ほら… どうです!」

絵から凧葉と琴代、そして雪代も出て来た。

感想

凧葉の”何か”で双亡亭に対抗するべし

紅が言っていた「凧葉には双亡亭に対抗する何かがある」。
笑い飛ばすってところか? 凧葉は父親が塾を倒産して狂ってしまい、それから貧乏でバイトの日々。他の美大生からはバカにされていた凧葉。美大を卒業して絵本を描き出版社に持ち込んでも断られる日々。凧葉はそんな状況でも心折れずに笑って前を向いていた。双亡亭に対抗できる”何か”は、凧葉の心折れない前向きな陽な部分なのかな? 笑い飛ばすコトが念として入った絵から出たタコハ絵鬼神が、辛い過去で落ち込む雪代を救うことのなったのか。
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双亡亭の絵に吸い込まれても、過去のトラウマを見せられても心が折れなかったどころか過去のイヤなことを既に乗り越えていた凧葉。双亡亭に入ってくる者がみんな凧葉みたいな者だったら取り憑かれないし、対抗できそう。でも過去をふり返って「あの時ああすれば良かった…」と思わない人間はそうはいないだろうなぁ。

絵描きよりまずは菊代と会うべし?

絵の中にいた絵描きも周りから色々言われて悔しがっていた。その心のスキマを元凶っぽい”着物を着た女の子”に入り込まれて、上手いこと利用されているのかな?
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で、それを凧葉が解消してあげるっていう展開か? それがあるにしてもかなり先の展開だろうなぁ。まずは菊代姉さまとの戦いか?

凧葉の絵から出た鬼神が雪代に入っていく時、琴代が「今、閉じようとしておる、雪代姉の心のスキマに…」。過去のトラウマを見せてできた心のスキマから双亡亭の”何か”が取り憑くっていうことか。

その”何か”を琴代が<サカナ>と呼んでいたのはなんだろう? ツタみたいに見えるのに。青一は侵略者のことを「深海魚のおぞましいトコロだけでたらめにこね上げたようなヤツを<ウツボ>と呼んでいた」とあったが、
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琴代がサカナと呼んだのは侵略者と繋がりがあるってことかなぁ? 侵略者は双亡亭に既に入り込んで(もしくは取り込まれて)いたのか? 双亡亭と侵略者の関係はまだ謎だなぁ。

心のスキマが閉じればもう無理? 心のスキマが閉じてしまった菊代はもう救えないんだろうか? 菊代から取り憑かれたモノを排除できれば、あの絵描きも救える可能性が出てきそう。

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