佐藤が山岡と対決するために、ボスがお膳立てした場所は倉庫だった。
倉庫にいた海老原が山岡と対面。
これから来る佐藤を返り討ちにすると言って山岡とアザミは倉庫で待ちかまえるが―――
あらすじ
佐藤の家
オクトパスの荷物を配達中の佐藤は家に帰り、レクサスに乗って倉庫へ向かう。

倉庫
倉庫の中では、カウンターの中にアザミが座り、山岡と海老原はテーブルを挟んで対面でソファに座っていた。
山岡「せっかく俺に会えたんだぞ――― なんか聞きてえ事とかねぇのか~?」
話せるのは最後になると言う山岡に海老原「命のやり取りを簡単に口にするんやなぁ~。恐怖心がないってのは そういう事なんか?」
命の話になり、海老原は佐藤に以前「命とは何か?」と質問して返ってきた答えを話す「アイツはインコを飼ってみたが大事に育てたいと言いやがった―――。俺には充分な説明やったわ―――」
山岡「俺はもっと現実的だよ――― 世間が称える命なんて・・・さほど価値はない! 気楽なもんさ~ 人間ってのは人に都合の良い一般論を常識だと刷り込まれる―――。自殺なんて―――死にたいヤツは死ねばいいんだよ。この世に向いてない人間だっている―――」
海老原「おまえこそ この世に向いてないわ―――」
山岡「だよな~ だが死に場所と死に方は選びてぇもんだ―――」
倉庫前
バイクに乗ったユーカリが倉庫前に到着した。
ユーカリが道の向こうに目をやると、車から降りてこっちに歩いてくる佐藤の姿が見えた。
ユーカリ「やっぱり来たか―――」
佐藤「あ―――。仕事として――― プロとして―――」
佐藤が山岡の傍からユーカリを救出しようとしたこと、ユーカリがクロと洋子を助けたことをお互い指摘しあう。
ユーカリ「そして今はおまえから――― 山岡さんを助けようとしてるぜ―――」
佐藤「俺の仕事は山岡だけだ―――」
佐藤はユーカリはボスのもとに行けと言うが、ユーカリは聞き入れない。「ヨウコとも話した――― どう転ぼうと恨みっこナシだ―――ッ!」
ユーカリ「入れよ―――」
倉庫のドアを開けるユーカリ。
倉庫内
倉庫内にいた山岡と海老原とアザミの3人は、倉庫にユーカリと一緒に入ってきた佐藤に気がつく。

山岡「なんだよォ――― アキラ オイ! ふつうに入ってきやがって~ もっと他の登場はなかったのかよ」
佐藤はオデコを叩いてスイッチを入れる。
山岡「他にスイッチの方法はねーのか オイ~ッ!! 気がゆるむんだよォ―――!!」
佐藤はポケットから覆面を出し、頭に被った。
目が輝く山岡「おぉ~ そう――― こなくっちゃな!」
感想
覚悟した男・・・・?
佐藤がポルシェからレクサスへ乗り換えた―――。

ポルシェと言っても社長がオクトパスの配達用の折りたたみ自転車をポルシェと呼んでいただけの偽りの物―――。乗り換えたレクサスは偽りでなく本物のレクサス―――。偽りの生活から本当の生活へ―――偽りの仕事から本当の仕事へ―――切り替えた―――。
佐藤の今まではターゲットは仕事で初めて知る人だっただろう―――。でも今回は違う―――。ターゲットの山岡はともかく、障壁となるアザミやユーカリとは―――アザミとは「ふつうの暮らしは楽しいやろ?」と楽しさの共感を得ようとした仲―――ユーカリとは一緒にメザシを食べたり、山岡を拘束するよりユーカリの救出を優先しようと考えるまでになっている―――。アザミとユーカリがジャマになった場合―――消す覚悟は出来たんだろうか―――?
覚悟した事はある男達・・・・。
この倉庫内にいる5人は全員、誰かの命を獲ったことがある―――。しかし命の事については―――
海老原は命のことを「この理不尽な世界で唯一平等で大切なもの」と言っていた―――。
佐藤は飼い始めたインコを大事に育てたいと思い―――山岡の拘束よりユーカリの救助を優先していた―――。
ユーカリはクロと洋子を助けた―――。
アザミも山岡が暴れる中、犠牲者を出さないように動いていた―――。
そしてアザミとユーカリは、佐藤に殺されるかもしれない覚悟で育ててくれた山岡に付いた―――。
殺し屋として育てられた佐藤とユーカリとアザミでも、命は価値があるものだと理解している―――。刷り込まれなくても命は大切だと理解している―――。
山岡は、砂川や水野どころか、弟子で慕ってついてきてくれるユーカリをも消そうとしていた―――。恐怖心が無い山岡だけは「さほど価値はない―――。命は大切だと、都合のいい一般論を常識だと刷り込まれる―――。」と命を軽んじている―――。その命を軽んじている男の命を―――これ以上犠牲者を増やさないために、先代の仇をとるために、命を取ろうと―――育ててもらった恩を感じ、命をかけて守ろうと―――それぞれが信じるものに命を懸けるために男達が集まった―――。命はさほど価値は無いと言っているのに、その人の命のために人が集まった―――。現実を見れていないのは山岡だった―――?
覚悟は済んでいる男・・・・。
山岡「死に方は選びてぇもんだ~」
山岡が望むのは佐藤に殺されて記憶される事―――。海老原としてはこれだけ好き勝手やられて、望む死に方をされるのは我慢ならんはず―――。海老原が山岡を討てば、望む死に方をやらせなかったと一矢報いれた事になるが―――・・・・。だが海老原には命を懸ける覚悟が必要になる―――。
そこへ―――ドラマチックな事が好きな山岡を裏切るかのように、佐藤明が倉庫内にふつうに登場ぉ~。

思わず山岡さんもツッコむ、ふつうの登場―――。ちょっとした用事で寄りましたよって感じでしれっと現れた―――。佐藤にとっては殺しもふつうの日常として訓練されたから当たり前か―――。でも次にとった行動は異常な行動で、その後に異常な結果をもたらす―――

海老原は佐藤に借金まみれの元プロレスラーをけしかけた時に佐藤がスイッチを入れる方法を見ていて知っているから―――佐藤が本気モードに入ったと察したか―――。
山岡は佐藤の顔を知らなかったが、佐藤のスイッチの入れ方は知っているのか―――? 変な動作をしたからスイッチを入れたと読んだのか―――? ツッコミつつも冷静に状況判断している―――。さすがプロ―――。水野のコスプレを見ても冷静にプロとして対応したからこれぐらいは平気か―――。でも佐藤が覆面を被ったら明らかに嬉しそうな表情―――隠せていない―――。山岡が命を懸ける価値があるものがとうとう訪れるということで喜びを隠せていない―――。
覚悟した男・・・?
顔も正体も知っている者しかいないのに佐藤は覆面を被った―――。覆面を被るのはプロの仕事をするということだろう―――。
この後、6秒で倒すのか―――?
ユーカリとアザミがジャマになった場合、殺すかどうか―――佐藤は答えていない―――。 佐藤がスイッチを入れた時はユーカリと出会ってからじゃなく、山岡の顔を見てから―――それが答えか―――? 偽りの佐藤明の生活が、本物の殺し屋としての生活に影響を及ぼすのか―――? 佐藤の銃には弾丸が3発しか残っていないが―――その3発はどこへ向かうのか―――? 覆面を被ったのは、佐藤明の本心を覆い隠すためなのか―――? 現在の佐藤にとって、命を懸ける価値があるものは―――プロに徹することなのか―――友達になれたかもしれない人の命なのか―――。
来週激戦でござるな
相変わらずおみそさんの文章はすごい引き込まれますね(*´ω`*)
3発で何ができるのか…
次号が楽しみすぎます!!
ついにアキラがトントンしたか───
まさか次週は京都山中二郎篇だったりして──────
山岡がアザミとユーカリを殺す
次回は間違いなく京都の山の中の話。
アキラが放ったおもちゃ弾が
山岡の額(扁桃体)に食い込み、いきなり人間的な感情取り戻したりしてな
自分は「恐怖心をとりもどした後でクマに喰い殺されないかなぁ」、と妄想してます。佐藤に記憶されて死にたいなんていう、山岡の願いなどかなえさせてはなりません。
物書きされてる方ですか?
惹きこまれる文章書きますね。
ポルシェとレクサスの件でハッとさせられました。
余計な会話をせず、もの凄い早撃ちでパンパンパンと3発を顔面に打ち込んで終了。殺傷力の低い改造銃だから顔面だな。6秒どころか2秒で終了。
次週がヨーコ、マツ、二郎の京都山中篇になってもやむ無しだが──
せめて──扉絵でいいから、海老原、山岡、アザミ、ユーカリ、が横一列に並んで、アキラのトントン変顔を真似る絵を見たい───
想像したら、ワロタ
特に
海老原、ユーカリのトントンで笑いたいですね
次号「バリカンの男」… 二郎かな。
今回の、人の命についての会話は面白かった。とおして読んで思ったんですが、この作品、人の死についてすごく厳粛です。アクション作品にありがちな嗜虐性を排しています。映画版「ザ・ファブル」で違和感感じた部分はそこが大きいです。
全く同感ですね。
ユーカリ何してたんだろ、一人外で。ふと思う。
明との件の会話シーンを作者が描きたかったからとしか思えん。
まつさんがいないから買出し係かと。
今思うとプロレス退治はスイッチ要らなかったんじゃ…
赤子でも油断するな。の精神じゃないかな?
洋子との手合わせで、手加減できないって言ってたし。
スイッチしなくても、ヨーコやクロちゃんボコしてましたもんね笑
しかしこの展開だと、あと4、5話くらいで終わりそうなんだが────
コミックス最終巻を計算すると、あと12話程は必要じゃね?
山岡、二郎を仕止めた後はアザミユーカリを従えてボスを射つのか? 最後の最後は痴漢二人組を懲らしめてチャンチャン────なのか?
さてアザミ、どう出るー。
海老原に銃携帯してるか、倉庫に入って来るなりまず確認したアザミ。
まず海老原が山岡に撃たれないよう、下手に巻き込まれないよう、海老原には銃を捨てさせて山岡の驚異から遠ざけたのか。
まだまだー、どうなるか。
此所に来てすら、まだアザミ、ユーカリの死線が視えない。
この現場で山岡の事を良ーく知ってるのはユーカリでありアザミだ。明よりも海老原よりも。
仕留めるかー
明 VS 山岡一派
例の タイマー表示で
ほんの数秒で 片付くのでは?!
明は 誰も殺さず
海老原にケジメをとらせるお膳立てまで─────
明は この数十分で
山岡との決着、オクトパスの仕事を完遂
仕事早!っ
(テーマ1)作者が描きたいものとはー
(テーマ2)アザミよ、お笑いの扉はまだ開かれているー
(ジョン・ル・カレ的封殺方法その1)
的(敵)を騙すには、まず味方から騙せ
、敵味方全てを騙せ
(ジョン・ル・カレ的封殺方法その2)
各々、本当の的は?敵は?
己自身でしょ。
己のことは己にしかわからない。
己を知り尽くしたときこそ答えが見えてくるのでは。
芯のブレてる奴では誰からも信用されない。
騙すというか、相手から試されるのでは。
無知な奴ほど人を傷つける。
騙すとは、偽装隠蔽などのネガティブ要素。
試すとは、危機管理などのポジティブ要素。
綺麗事しか言わない奴こそ悪だろ。
作者と編集者のプチネタバレによると、次週(バリカンの男)とは山岡の事のようだ───
マスクを被ったアキラに5分だけ待て、と言う山岡にユーカリがコンビニ袋に入ったバリカンを投げ渡す───
(ユーカリはバリカン調達の為、一足遅れた)
アキラはトントンでスイッチ、山岡は丸刈りでスイッチか?───
(たしか、ヨーコの幼い記憶の中の山岡も丸刈りだったような)
しかし、ユーカリだけはウツボ配下だった鈴木と似た感じで最後は(あばよ元気でな)みたいになりそうな───?
死に方を選べる人間、望むような死に方が叶う人間ってそうそういないだろ。
それが世の現実。
どんな最期であれ、誰しもある意味これで良かったと想い、これが最善だったのかなー、とー。
死んだ本人が納得して想うものではなく、あくまでも残された人々が想う事だと思う。
煽り運転や私怨の放火やなんかで理不尽に命が奪われたりするこの世の中。
どう死ぬかよりも、どう生きてきたかを考えてみれば、他人の命も、自分の命の尊さもちょっとは分かるやろ。
同感です。
理不尽こそが悪です。
命は奪うものではありません。
食肉も人間が生きていくために生き物から命を頂いてるんです。
山岡さんは、ストレート表現しすぎてますが、
世の中の人が現実を知らなすぎていることを問題視してるかもですね。
生きづらい世の中ですね。
高橋はどこ行ってんのかね?
犬に噛まれて死んでみるとか。
世の中には生きたくても生きられない人もいるのに。
生きづらいなか生きている人もいるのに。
死に方を選ぶなんてネガティブなこと、口が避けてもいえませんね。
哀れというか、かわいそうな人というか、弱いというか。
怖いですね、恐怖心を知らないっていうのは。
もう生きられないとわかっていても懸命に生きてる人のほうが、
強く尊敬できる人間だと思います。
そんな生きざまこそが、きっと記憶に残るんでしょうね。
僕が生きる今日は♪
山岡さん、あんたが、「つまんない、くだらない、退屈で死にそーだ」と思っている今の時間と今日って日は、昨日亡くなった人が、なんとかして生きたかったー
なんとしてでも生きたかった。今日はそんな日なんだよーん、なんて。
何たらってバンドの曲の歌詞の一部にもコレと似たよな言葉あったなー。で、この歌詞の部分もまた誰だったっけかの受け売り。
受け売りですが。
ファブルは所詮は生殺与奪。だからこそお伽噺のような存在なんだろ。
快楽で他の命を弄ぶの、人間くらいか。
ネコが死にかけのネズミで遊ぶのは野生の本能的な狩りの習性からかな。ある意味動物の純粋さを表してるような気がするが。
アリンコやシロクマやら、自然界の野生動物は己と子孫繁栄の為にのみ積極的に他の命を食らうけど。
保身や快楽、一方的な思い込みや一時的な感情で他の命を弄ぶのって、人間くらいか。
娯楽漫画だからあまり哲学求めすぎると疲れるよ
アザミ仕事しろ
きっとわかろうとしなければプロにはなれないんでしょうね。