陰陽トーナメント1回戦第3試合が終了した。
ここで一旦、トーナメント開催会見の前日に時間が戻る…
あらすじ
階段を上がる里見賢治。
物音を立てずに階段を上がろうとしているわけではない
もとからこの男の歩行には音がない
3月下旬 東京はまだしんと冷えていた
室内の灯りは薄暗い
室内に入った里見「お久しぶりです。上杉さん」
室内には上杉が座って待っていた。
里見「上杉さんならトーナメント前でも会っていただけると思っていました」
上杉「進道塾は逃げないからな」
里見「違うでしょ。進道塾は逃げる。逃げないのは上杉均という個人です」
里見「空くんの事… 筋だけは通しておこうと思いまして」
上杉「本人がやりたいと言ったんだろ。筋を通すも何もない」
里見「いいんですか? 山本陸の息子ですよ」
上杉「帰ってくるさ。伸び悩み、壁に当たっていた。そのタイミングで新しいものに出会い惹かれただけ。どちらが強いかわかれば帰ってくる」
里見「…確かに。しかし山本陸の息子が進道塾を出たというのは相当の覚悟があっての事だと思いますよ」
上杉「空さんの話じゃない。壁に当って新しい物に逃げたのはお前の話だよ。帰ってきていいんだぜ」
里見「最強の格闘技は何か!? 一つの道を極めた先に最強はあるのか」
里見「あるわけがない。他競技・他流派のいいものは取り入れる。己が流派の形にこだわり、進化を拒んだ競技は最強たり得ない。打・投・極のすべてを学んだ上で己の資質にあった格闘技を選択。抽象的な表現で答えが複数存在する事になりますが、その選択の先こそが紛える事のない最強の格闘技」
里見「この工程を経て格闘技を選択した者はおそらく俺と田島だけ」
里見「陸先生がいなくなってどうなりました。この道場も閉めるんでしょ。これがかつて最強の空手と言われた進道塾の現在の評価ですよ」
里見「実はここ、私が初めて通った道場なんですよ。玉拳には道場がないので進道塾がここを出るならウチが入ってここから始めようかな」
上杉「お前、変わったな。昔は自分の強さだけを求めていた。それが自分の流派を作り、人に指導するなんて」
里見「遺言なんですよ。兄弟子が死ぬ間際に意拳とは違うのだから意拳の名を使うなと。まあ… 私が○してしまったんで。
多人数が○す気で襲ってきたので、最低一人は見せしめにやらなければ収まらなかった。今となっては後悔していますよ。もっと前、遥か前に手加減などせずに実力の違いを見せておくべきだった。次元の違いを見せつけておけば嫉妬する対象ではないとわからせる事ができたのに」
里見「兄弟子の遺言で変わったのではなく、人を○した後悔で変わったのかも知れませんね。…甘いと笑いますか?」
上杉「…笑わない」
里見「上杉さん… 人を○した事ありますね」
上杉「…俺は中坊の時 なかなかの不良(クズ)でね。地域では知らぬ者がいないほど不良中の不良だった。不良にデカい顔をしたかったんだろうヤクザが俺を見つけると胸倉を掴みナイフを出し、中坊の俺の口に突っ込んだ。空手を始めたばかりだった俺がその時、思った事はシンプルだった。本気で殴れる。殴って仰向けに倒れたところを顔面に踏み砕きを入れた。すぐに病院に運ばれたが死んじまったよ」
上杉「警察に事情は聞かれたが相手の素性もあったのだろう。俺が被害者で身を守るために仕方なく行った事故という事で処理された。だが検察は騙せても、空手の師匠には全てを見透かされ破門になった」
上杉「何もなくなった俺を拾ってくれたのが山本陸先生だった。陸先生は師匠の道場を辞めて独立し、俺を拾い進道塾を作った。陸先生と俺… 二人だけで始まったそれが進道塾だ」
上杉「だいぶ後で知った事がある。陸先生本人の口から聞いたわけじゃないぜ。偶然知った。ヤクザの報復がなかったのは陸先生が手を回していてくれたからだとわかった。俺が○したヤクザは陸先生の弟だった。
道を外してはいたが唯一の肉親で仲も良かった弟を○した俺を助けた。」
上杉「陸先生がいなくても進道塾は俺が命を懸けて守る。自分のために頑張るなんてのはすぐに限界が来る。だが守りたいものがあればその限界を超える事ができる。俺にはそれがある」
上杉「お前や田島にそれがあるのか? 最強の条件を揃えているのは俺だ」
里見「おっしゃる通りです。会見前日に会ってもらった甲斐がありました。胸襟を開いてご相談したい事があります」
感想
第4試合を始めようか
始めませんよ
逃げるのか?
逃げますよ
今回の話は第3試合で文さんが折れた腕をどうするかを描いて、もしかしたら第4試合の開始のゴングで引き!とか思ってたら全然違う話! 会見前日の話しかよ! このペースでトーナメントを最後まで描かれるの?
それにしても里見はペラペラ良く喋るなぁ。
里見はトーナメントの会見直前に「負ける事でしか得られないものがあるんだよ」と言ったけど、田島に「常に戦いに2度めがあると思っているからだ。お前死ぬな」と返された。里見はその会見前日にも上杉から「壁に当って逃げた」とか言われてんのかよ。里見はフルボッコじゃねーか。これでよく心が折れずにいられたな。
陰陽トーナメントの参加者はこういう戦い方をする
ここまでやる
里見も人をあ○めてるのかよカタカタ。
“経験あり”のカブトと”経験なし”の里見の対決だと思ってたら… 両方人を○した経験あんのかよ。でも里見は後悔してる。カブトは後悔はしていない(まあカブトの場合は相手がアレだし)。ここで咄嗟の時に躊躇しないするの差が出るのかな? 里見は「躊躇せず実力の違いを見せておけば良かった」と言ってるから躊躇しないかな?
そして上杉も経験ありかよ。山本陸の弟の顔面を踏み砕いたけど助けられた過去があったのに、無一を襲撃した時は山本陸の息子の海に「顔を踏み潰せ」
と命令する上杉はマジモンじゃねーか!
無一に「ぶっ○す」
と言ってたのもマジで○す気だったのかよカタカタ。
これなら芝原が末期癌と知っていても上杉なら躊躇なくいくだろうなぁ。進道塾の看板も背負ってるし。
工藤は人を○すことに躊躇しないし、梶原も致死の可能性がある毒を使った。佐川徳夫も十兵衛の顔を踏もうとしたし。櫻井もアンダーグラウンドで経験ある。上杉、カブトも経験あり、睦夫も当然ありだろう。さらに里見も経験ありだとは。田島もコロッセオでの大男やアンダーグラウンドのパクをヤッても後悔していなかった(むしろ楽しんでさえいた)。
帰ってくるよね 帰ってきますよね
すでに死んでいるんDEATH
もしかして全員ガラス玉が壊れてんのか? 関が同窓会してたけど、もしかして佐川徳夫みたいに同級生達は関しか見えてなかった幻だったりするのか?
何の流派をやっていても人こ○しすぎる。
こいつらは人を○しすぎなのではないだろうか
俺は入江文学が最強だという事を確信している
だがその条件がどうしてもわからなかったので漫画に集中する事にした
いずれやる田島彬との戦いに備えて
今回の里見と上杉のやり取り。里見が言っている「流派にこだわり進化を拒んだ競技は最強たり得ない」、上杉が言っている「守るものがあれば限界を超えられる」とそれぞれが思う最強の条件を言った。
これは第3試合の『入江 対 櫻井』にもかかっているのか?
“やってるヤツが相手なら技をパクれ!!”の富田流の文さん。技をパクらずに身体が覚えている技で戦った櫻井。
守りたいもの(富田流や仇を討つという父親との約束)がある文さん。守りたいものが自分が強いということしか無い、というか憶えていない櫻井。
二人が言う最強の条件を両方もっていた文さんが勝った。
―――が 富田流も最強の条件に当て嵌まるとはっきりと知れた事は大きい
里見賢治と上杉均には感謝しないとな
おい上杉 お前の弟弟子…負けたぞ
上杉も名護夕間の弟子? ということは上杉は陸の弟弟子で櫻井の兄弟子? 櫻井のことは知らなかったのかな? 破門された後、名護のその後は追わなかったので最後の弟子である櫻井は知らなかったのかな?
陰陽トーナメントの参加者には名護の関係者が多いなぁ。櫻井、田島、上杉。里見と川口、佐川兄弟は孫弟子みたいなもんだし。
名護夕間にとって都合が良すぎる
名護の弟子の山本陸がトーナメントに乱入!とかもあんのぉ?
因縁を知るためには
この話し合いの結末を知る必要がある!!!
上杉均と里見賢治の話し合いの結末を!!
最後に里見が持ち出した相談。相談? 里見が上杉に相談すること? この二人がトーナメントで当たるとしたら準決勝なんだよなぁ。里見の相談内容は、上杉と直接対決した時に有利にする忍術を仕掛けるってことでもなさそう。それなら「トーナメントで勝ったら進道塾をくれ」とか? でもそれは里見が帰ってくると信じている上杉は要求を飲まないと思う、けど負けると思っていないから要求を飲むのか?
まーったく別の事かな?
「守るものがある。最強の条件を揃えているのは俺だ」と上杉の言葉を聞いた後、「おっしゃる通りです。会見前日に会ってもらった甲斐がありました」と里見は言っている。上杉を最強と認めた(上辺だけでも)上で相談を持ち出す事? わからん…
地球はお前を中心に回ってない
残念ながら何も備えていないバカの思い通りにはならないんだよ
信じていれば願いは叶うとか糞みたいなセリフを言ってみろよ
俺は読み悩み、壁に当っていた…
(さ○人どーてーなら)まだ三代川がいんだよ