【ザ・ファブル】225話「8点の男・・・・。」数字では表せない気持ち・・・・。

佐藤はボスから山岡を消せと命令された。
アザミとユーカリは山岡側に付き、佐藤を迎え撃つ事に。
ユーカリは洋子にそのことを電話で宣言した。

あらすじ

倉庫

倉庫で洋子はユーカリからの電話を受けていた。それを見守る海老原とマツ。

洋子「ねぇ―――ひとつ聞いていい？　山岡はひと手間はかけるって言ってたわよね？　だったら二郎の携帯にも何かしら仕掛けてるはず―――　山岡なら二郎の居場所を知ってるんじゃないの？　聞き出してよォ―――　それで恨みっこナシよ―――」

ユーカリ「わかったよ―――　やれるだけやってみるよ―――」

洋子は電話を切り、1時間待つことにした。

飲食店

飲食店ではトイレで電話をしているユーカリをよそに、アザミが山岡を説得しようとしていた。アザミは中国に逃がす計画を話すが、山岡は受け入れない。

殺せと命令を受けたのに、苦そうとするアザミを甘ちゃん呼ばわりする山岡「俺達は暗殺者だ―――　スポーツマンじゃねぇ。残酷だの卑怯だの関係ねえんだよ！」

アザミ「俺の事はいい―――・・・　それより佐藤明だ―――　アレはあんたでも手に負えない！」

山岡「確かにな―――　アキラが10点なら俺はいいとこ8点だ―――・・・」

山岡は佐藤明の力量を認めるが、好奇心が上回り、自分の死に方を優先すると言う。

アザミ「あんたから見て俺は何点だ？」

山岡は、佐藤明が10点ならアザミは8点、ユーカリと洋子は5点と採点する。

アザミ「単純計算で―――　あんたと俺―――ユーカリを足せば21点になる―――　アキラを返り討ちにできる―――」

山岡「三人がかりかぁ～　俺の考えたシナリオとは違ってるな～」

部屋に入ってくるユーカリ「シナリオってのは良いほうに変えていくモンだろォ～　面白いほうへ―――！」

その流れで、佐藤を殺ってもおあいこにするために、二郎の情報を洋子に渡すことを持ちかける。「山岡さん―――　あんたはヨウコの両親を殺してる―――　そして今、アキラを殺そうとしている―――・・・　ひとつぐらい花を持たせてくれてやってもいいんじゃねぇか～　誰かの記憶に残りたいなら―――　誠意の重さも考えたほうがいい―――　ヨウコと二郎・・・・　どっちへの誠意が重いか―――」

山岡「言うじゃねぇかユーカリ―――」そして考え込む。

倉庫

ユーカリからの連絡を待っている洋子達。

そこへ洋子の携帯が鳴り、メッセージが送られてきた。

洋子「これって・・・・　たぶん二郎のGPSのパスワード―――」

マツ「二郎のGPSっていったい―――　どうやって・・・・・」

洋子「とにかく行動に移すの―――　二郎を―――　捕まえるわよ！」

感想

曇天模様の気持ち・・・・。

洋子「立場や事情が違ったら―――　兄と私と友達になれたのにね―――」
洋子は佐藤の身を守るために情に訴えた―――？　佐藤の強さを知っている洋子だから、これは素直な気持ちだと思う―――。佐藤はアザミとユーカリは殺らないと信じているのか―――？　佐藤がアザミとユーカリを殺っても、佐藤に対しても恨みっこなしなのか―――？　口では恨みっこなしだと言うが、できれば山岡だけ消えてほしいだろうな・・・・。だが、立場や事情があるので―――裏社会の人間として、これから起こる事を受け入れなければならない―――・・・・。「兄に託した」というのは、こういう事も含まれているのかも―――。

　電話を聞いていた海老原は、事情が違えば佐藤兄妹はふつうの生活を送れていたのにと思ったことだろう―――。

先代の浜田組長の初夢「佐藤兄妹が太平市でふつうに暮らしている」を聞いたことを思い出しているんだろうか―――？

佐藤やユーカリやアザミはどうか知らないが、洋子は組織に両親を殺されなければふつうに暮らしていた―――・・・・。洋子は実行犯の山岡は諦めたが、主犯のボスにターゲットを移した―――？　それとも佐藤を兄と同じぐらいのような絆を感じ―――兄が、家族が仇を討ってくれればそれでいい―――と思った―――？　とにかく洋子が言うように「ホント、複雑ねぇ～」。親の仇から情報を得て、マツの命を助けるために二郎を捜す―――そして親の仇は、偽の兄に託す―――友達になれそうだった人達は、兄の敵になってしまって―――・・・・。事情も気持ちも複雑なことになってきた―――。

採点の男・・・・。

佐藤が10点なら山岡とアザミは8点で、洋子とユーカリは5点か―――。
ユーカリは洋子より少し上だと思ってたけど―――ユーカリを育てて、洋子と手合わせした山岡が出した採点だから正確だろう―――そんなに差はないのか―――。
山岡が現役時代に一緒に仕事をしたことがあるボスは何点なんだろう―――？　ボスが佐藤のことを「殺しの天才」「最高傑作」と言っているから、ボスは佐藤が自分より上と感じているのか―――？　ボスと佐藤の経験の差を考慮すると五分五分か―――？
洋子が追う二郎は5点以下だろう―――。二郎がユーカリより強いとは思えないし、ユーカリに歯が立たなかったマツでも二郎相手ならマツが勝ちそう―――。京都のほうは死人を出さずに安心して捕獲できるか―――？

アザミ「単純計算で足せば21点になる―――」
足せばそりゃなるけど～。1点の男を20人集めても10点の佐藤に勝てるとは思えない―――。10点の佐藤が8点の男を相手するなら、佐藤は多少は手こずるだろうけど―――単独で当たったら次々と負けていくことになるぞ―――。

アザミやユーカリは、山岡は育ての親と言うべき存在で殺せないのは分かった―――。 山岡がユーカリを消そうとしていた事を聞いても、ついて行こうとしていることからも分かる―――。でも二人は佐藤相手ならやれるのか―――？　ユーカリの洋子への態度、対応を見ると佐藤にもとどめを刺せないような・・・。山岡を守るためなら佐藤を消せるのか―――？　佐藤のほうは「山岡の消せ」の命令を守るためなら、邪魔をするアザミとユーカリも消せるのか―――？　山岡は採点は出来るみたいだが、人の複雑な気持ちは読めないのか―――？

山岡は親の仇になっている相手、洋子か―――何度か仕事をした相手、二郎か―――どっちへの誠意が重いのか―――。結論は親の仇になっている洋子―――。一度返り討ちにしたのにもう一度チャンスを上げたからな―――。対して二郎は単なる仕事仲間―――。山岡でも親の大切さは分かっていたか―――。単純に「親の仇のほうが記憶に残るから」と考えたかもしれないが―――。そっちのほうが山岡らしい―――。

答えが出ない男・・・・。

1時間後でも高橋はまだ考え中～。

洋子の「とにかく行動に移すの―――」は高橋にも当てはまるが、耳に届いているんだろうか―――？　これで役に立つのか～？　いざとなったら海老原の盾にならなければいけないのに・・・・。まぁ山岡は佐藤との対決に意識がいっているから海老原は安全だろうが・・・・。幹部が二人消えたことでいざこざが起こりそうだが・・・・真黒組は小さい組だし、砂川と水野を組長を殺した犯人とすれば―――実際、砂川は犯人だし―――大丈夫か―――？

すでに答えは用意済みの男・・・・？

二郎のGPSの情報が洋子に送られてきたが―――マツも二郎も貰った携帯を大切に持っているんだな～。って―――プロなら捨てろよ―――！　痕跡を残さないのがプロだろ～。追跡できそうな携帯をまだ持っているなんて・・・・。特に二郎は身を隠しているんだから―――毒のレシピを直接渡さずに手紙で送ったのも、自分の身の安全を確保するためだろう―――？　なぜ携帯を大切に持っている―――？　そこで気になるのが―――マツの「二郎のGPSっていったいどうやって」言葉―――。
二郎は携帯は捨てているだろうが、山岡はそれを見据えて別のなにかに仕掛けたということか―――？　渡した現金の封筒―――？　でもそれだと素人でも分かるだろう―――。二郎が暗殺に出かけた時にリュックとかに仕掛けたのか～？
「手品かぁ」の時―――

山岡は「こっちも単純な行動と手品、GPSを仕掛けるよォ～」とでも思ってたのか―――？

二郎に仕掛けたGPSは山岡のシナリオどおりだろうが、現在のシナリオは大きく変わってきた―――。佐藤対山岡だったのが、佐藤対山岡チームに―――。読者からすると単純にシナリオが面白くなってきたが―――佐藤を迎え撃つアザミとユーカリの気持ちは複雑―――山岡は自分の死に方を見つけたのに、アザミとユーカリが邪魔しそうと複雑に―――。それとも山岡は、単純な足し算にはならないと計算の上か―――？　気になるのは―――自分のわがままにここまで付いてきてくれた二人を山岡はどうするのか―――？

この二人も佐藤に殺られるなら幸せだろうと消されるがままにするのか―――？　誠意の重さを考えて―――二人の誠意に応えて、命は助けるのか―――？　恐怖心がなく好奇心で好き勝手に動いてきた男が、希望する死に方は―――弟子が倒れていく中で死ぬのか―――弟子に最期を看取られて死ぬのか―――。どっちがドラマチックか―――どっちが多くの誰かの記憶に残るのか―――。単純な答えだと思うが・・・・。