キャンピングカー生活を送っている佐藤夫婦に、ヤクザを辞めたクロが1年間という期限付きで同行することとなった―――。
3人が穏やかな生活をしている一方で、サクとギューとお互いを呼び合う兄弟がファブルの事を探っていた―――・・・・。
あらすじ
佐藤夫婦とクロ
クロは母親に手紙を書いている―――佐藤夫婦から良くしてもらっていること、ヤクザを辞めてから良く笑うようになったことを書いていた。
そして手紙に添えるために佐藤夫婦と一緒に3人の写真を撮った。
太平公園
ギューはルーマーの下っ端をやっていたアリ―――『赤いタヌキ』と名乗る人物と会っていた。
ギュー「”赤いタヌキ”さん? 大西市と太平市の半グレの何人かに接触して やっと”赤いタヌキ”さんに会えた―――。現場にいたんですよね~? 知ってる事だけでいいので―――話してもらえますか?」
赤いタヌキは、警戒しつつも10万であの夜の事を話した。
赤いタヌキを見送るギュー「ご協力ありがとうございました―――。もし他に証言できる方がいるなら―――紹介して頂けたら謝礼も用意しますので―――」
赤いタヌキは車に乗って去っていった。
ギュー(殺し屋達によるヤクザの代理戦争―――・・・・ 女もいたとはねぇ―――・・・・)
プレハブ倉庫
ギューはプレハブ倉庫に帰り、サクに赤いタヌキから聞いた情報を話した。
サク「それって・・・・本当にファブル?」
ギュー「ルーマーっていう雇い主らがファブルファブルってよく言っていたらしい――― それに手動排莢の銃に黒覆面―――ウワサ通りじゃないか―――・・・・」
今まで消して来た人から奪ってきた腕時計を磨いているサク「それよりギュー兄ちゃん。今日 話したヤツって―――あの・・・ホラ・・・ どんな腕時計してたぁ?」
感想
過去の事は
目をつぶりたい男・・・・。
クロは母親への手紙に佐藤夫婦と一緒に写っている写真を添えようと考えた―――。そして3人で写真を撮った―――。

なんで目潰んねん~っ! プロの殺し屋だったんだから、シャッターボタン押すタイミングぐらい読めるやろぉ~っ!
今までプロとして―――写真は極力撮らないようにしていたんだろう―――。だからあの2人の思い出の写真があの写真―――

アザミとユーカリが写っている写真は―――これから別々に暮らす二人が一緒に写っている写真を持つのはボスから禁止されているだろうし―――こんなのしか無かったんだろう―――。佐藤はこのファッション研究家との写真も、レンタルおっちゃんのページに載せている写真も目を瞑っていた―――。癖なんだろうな―――。1枚だけって言ってしまったから撮り直しができなかったみたいだが・・・・。クロの母親が、記念写真なのにふざけるぐらい仲が良いと好意的にとってくれればいいが―――。
過去の事に
目を向けたい男・・・・。
ギューは太平公園であった事を、当時アリとして参加していた”赤いタヌキ”と名乗る男から聞き出そうとしていた―――。

あの日の夜の話をするのに、こんな警戒してて怯えてるのに10万で情報売るのか―――。闇バイトをやってしまったヤツだけあるな~。クロは更生してふつうに生きていこうとしているのに、アリのほうは・・・・。覚悟してヤクザになったヤツが普通に生きようと決めるのと―――安易に楽に金を稼ごうと闇バイトをしたヤツが普通に生きようとする違いは―――過去に覚悟して道を決めた事があるのかないのかの違いか―――?
赤いタヌキは洋子にナイフで足を切られた奴か―――。 あれから数年経ったのに足を引きずっている―――。後遺症が残っている―――。

この言葉を聞いたのに・・・・今も足を引きずって・・・・。赤いタヌキは後悔しているだろう―――。でもそんな夜を過ごしたのに10万で情報を売りに来る・・・・? 闇バイトに応募してしまうわけか―――。それも、顔晒して情報を聞きに来ている相手―――人目がある大西公園で会っているとはいえ、喋った後に消されるとは思わないのか―――? 顔は隠していても帰る時に車は見られている―――自分の車ではなくレンタカーだとしても辿れてしまうし―――・・・・。まぁギューからしたら、連絡とれた時点で偽名を名乗っていてもどこの誰かバレているんだろう―――。
ギューは赤いタヌキから聞いた話をサクに伝えた―――。

サクはアリも狙う気なのか―――? やっぱり赤いタヌキは消されてしまうのか―――? サクはどんどんエスカレートしていっているように見えるが―――。でもギューはギューで「もうすぐしたら おまえにとって 笑いが止まらない日々がやってくるなぁ」と止める様子もない―――ギューも狂っている・・・・。
いずれ止まる日が
やってくる男・・・・。
佐藤はジャッカル富岡が悲惨な目にあっているコントで笑っていた―――。それはコントであって、現実に悲惨な目に合っているわけではない―――佐藤が現実で悲惨な目に合っている人を見て笑ったことは無かった―――いや、1回だけあったか・・・・

クロが死にかけたのに笑うなや~! でもクロを助けた瞬間は佐藤は笑っていなかったし―――いや、覆面してたな・・・・。フォローしておくと、無事助ける事が出来たと安堵した意味で笑みを浮かべたんだろう―――。
サクのほうはというと、現実に悲惨な目に合っている人を笑っている―――。もし佐藤もサクのような笑いのツボを持っていたとしたら、ボスは恩情を与えることはしなかっただろう―――。佐藤はサクを止めることは出来るのか―――? サクとギューはどういう目的で動いているのはまだ分からないが―――佐藤がサクと接触することは避けられないだろう―――。普通に生きていこうとしている佐藤の、時計の針を戻すことは出来ない――――・・・・。