太平市の太平興信所の所長・宇津帆。
将来のカモにするために子供達が免疫なしで育つように暗躍していた。
宇津帆は鈴木がとどめを刺し、逃亡しようとしていた井崎も鈴木が始末。井崎が持っていた逃亡資金はクロに渡して、鈴木は太平市を去っていった。
あらすじ
洋子の家
台所で鍋を煮込む洋子「もう少し煮込んだほうがいいわね~」
佐藤「今日は優しいな―――」
洋子「あんなケガ されちゃ――― 仕方ないでしょう」
佐藤「こうゆうケガは初めてだ――― 守る者がいるとこんなに動きが不自由になるとは―――・・・・ 勉強になったよ―――」
洋子「勉強もいいけど――― 反省点もしっかり見直さないと~ ヒナちゃんにも正体バレてたし―――・・・・」
佐藤「あれはウツボが話したからやろォ―――・・・ ヒナには言ってないって話してたから俺も一応はマスクしてったのに―――・・・ 山で言い合いしてるの耳に入ってきたら・・・ あっ!バレてるって・・・・」
洋子「どんな顔で聞いてたのよソレ―――? 根本的にアンタは無表情なのよ~ 隣の家が爆発してもアンタ、表情そのままでしょ! 正体を隠してふつうの暮らしするんだから・・・ ふつうの人の感情表現もできないとォ―――」
佐藤「なるほど――― ふつうってヤツの感情表現か―――・・・ 確かに一理あるな――― じゃあおまえなら隣の家がいきなり爆発したらどうする―――?」
洋子「アタシ―――? アタシはできるわよ~」
驚いた表情をする洋子「え? 何ッ? 何今の音・・・・」
洋子「どう? セリフつきよ!」
佐藤「じゃあ最初に言ってた正体がバレた時の顔は―――?」
洋子「え?」
怪訝な様子の佐藤「ん~・・・・」
洋子「ん~って・・・ こうゆう演技は大事なの~! これもプロとして―――よっ!」
佐藤「でもおまえも鈴木がここに来た時――― 無表情で殴り倒したんやろォ~」
洋子「まあ・・・ だからアタシも反省してるのよ・・・ そこは―――・・・・ ハイ! 隣の家が爆発―――ッ!!」
驚いた顔をする佐藤。
笑いを抑えながら次の指示をする洋子「アラ大変―――! 正体がバレたッ!!」
佐藤「キッ」
佐藤の演技で洋子は爆笑する。
佐藤「ダメか―――?」
入り口から入ってきたクロ「失礼しまーす! なんスか? 盛り上がってますねぇ~」
クロ「コレ――― 車イスのあの娘からって――― 鈴木さんから預かりまして・・・・」
佐藤に手紙を渡すクロ。
洋子「ヒナちゃんから? 何何!? 見せてよォ―――」
佐藤と洋子は手紙を読む。
洋子「えぇ~!? これだけ? 私・・・なんかか弱い女に見られてる~?」
クロ「あの~・・・ それで電話でも言った通り――― 井崎の金ですが・・・ 600万ほどありまして・・・どうしようかと―――・・・ この金は兄さんと姉さんが受け取るべき金でして―――・・・」
洋子「アンタ――― ヤクザでしょ? お金にもっとがめつくならないと~ こっそりポケットにしまうくらいのズルさもないとダメでしょ―――!!」
クロ「それ――― 一般的なイメージでしょ! 若頭にもよく言われてるんスよ! ヤクザだからこそ金にはしっかりしろってぇ―――・・・」
佐藤「じゃあこうしよう――― コレ俺が全部もらう―――!」
クロ「はい!」
佐藤「今回は車の手配から運転やら いろいろ世話になったなクロちゃん! お礼だ――― ハイ!」
600万を差し出す佐藤。
クロ「え゛~っっ!!! あの・・・ これじゃ――― また~・・・」
佐藤「もういいよ めんどくさいから―――・・・」
その夜
屋上でヒナの手紙を燃やす佐藤。
ヒナの手紙の内容が明かされる。
手紙の冒頭には「この手紙は燃やしてください――― 佐藤と私の立場の違いは理解しているつもりです」と書いてあった。
内容は
・4年前の事故で負った脚の怪我は、元々は家出した自分が招いた”身から出た錆”として受け止めていて、今では感謝の気持ちしかない。
・佐藤に教えてもらったリハビリ方法で、私は半年後には自力で歩けるようにイメージをするので、佐藤に半年後に歩いている私を想像してほしい。佐藤の想像と私の現実が重なった時、また佐藤に会えた気がする自分を楽しみにしています
という内容だった。
手紙の最後には「佐藤の記憶に少しでも残る私は―――・・・ しっかりと立っている自分でありたいのです さようならお元気で――― ヒナコ」と書いてあった。
手紙が燃え、夜空を見上げる佐藤。
ヒナコの手紙の追伸には・・・・「P.S. 妹さん――― 怖がらせてしまいすいませんでした―――」と書かれてあった。
部屋でそれを思い出す洋子「何よ! もう少し何かあったでしょうに~ まあ・・・あの一回しか会ってないけど・・・」
感想
“ふつう”を演じられない偽の兄妹・・・・。
佐藤は”人を庇って”怪我をしたのは初めてか―――。でも人を庇う気持ちではなく、人を庇う事で動きが制限される事に着眼する佐藤・・・・。ふつうじゃない・・・・。
そんな”ふつう”じゃない佐藤を見たからか、ふつうの人がするリアクションを演技指導する洋子―――。佐藤が帰ってきた時に鈴木がイスに縛られているのを見た時や、貝沼が死んだことを聞かされた時、宇津帆達が仕掛けたA案で爆発が起こった時も大して表情変わらなかったもんな~。ふつうの人の演技が出来ていたのは大阪に来た初日のバッファローを出たときに絡まれた時と鈴木に蹴られた時ぐらいか~? 太平興信所で宇津帆と会った時はプロだとバレなかったけど、あれは演技とは違うしな・・・・。
その点、洋子はふつうの人に紛れて生活できるような気がする―――。
でも鈴木が家に来た時の洋子は・・・・。
鈴木の銃を見ても落ち着きまくってるやんけ―――! いきなり男が上がり込んできて、さらに銃を持っているのにこのリアクション・・・・。これだと一発でプロだとバレる―――!!
それにクロにファブルの組織のことを言われた時・・・・
怖い~! こんな表情みせたら一発でプロやとバレる―――!! 普段の洋子は”ふつう”の人には見えるが、大事なときに全然演技できてない~!
まぁ洋子のその点を反省したんだろう―――。隣の家が爆発したという設定の演技は二人共ちゃんと出来ている―――。しかし、正体がバレた時の顔は二人とも失格・・・・。
そもそも「隣の家が爆発する」って状況がふつうは無い―――。普通ではない生活を送ってきたから、隣の家が爆発するという状況があると思うのか~? それに正体がバレた時の演技してたけど、正体がバレても最初はとぼけるのが普通じゃないのか~?
佐藤のこのリアクション演技は意味分からん~w でも、「お前がファブルか?」と聞いたのにこの顔されたら逆にごまかせるかもしれん―――。普通ならプロが正体バレた時にこんな表情しないからな―――。
結局、二人とも”ふつう”からズレてる―――。
兄妹としては自然に演じれていたり、クロに金を渡すときは自然に粋な事が出来たのにな―――。兄妹の演技は、二人とも子供の時に組織に引き取られて育った環境が似ているから、演技ではなく自然にできているのかもしれない―――。
演じなくても済むようになった女・・・・。
手紙にあった「半年後――― きっと夏頃ですね」ってことは今は冬か―――。サンタのイラストを依頼されていたからクリスマス前、11月か12月の頭ぐらいだろうと思っていたが、それだと半年後は6月ぐらいでまだ梅雨だけど・・・・。まぁ夏頃と書いてたしそれはいいか―――。
佐藤達が一年の休暇を始めたのはいつなんだろう―――? まだ休暇してから3ヶ月ぐらいかな~?
ヒナコは「洋子は怖がっていた」と思っていたのか―――。洋子は捕まっても冷静で取り乱したりしなかったのに―――。素人であるヒナコが、あの状況で親の仇をとろうとしている状況だから洋子のことを冷静に観察できていなくても仕方ないか・・・・。
感謝の気持ちを少しでも返したいから別れる時に佐藤の最後に映る自分の姿は立っている姿を見せたんだろうな―――。
ヒナコは今まで宇津帆のところにいて、親の仇を探そうとしていたりして、自分と違う人間を無理して演じていたんだろうなぁ・・・・。公園で佐藤に出会った時に強く当たっていたのも、弱い自分を隠すためでもあったんだろう―――。変態だと思っていたのかもしれないが・・・・。
これからは親の事に捕らわれずに、自分の人生を歩いていけるようになるんだろうな―――。それまでは身体だけでなく気持ちの整理も必要だろう―――。脚が治る期間が丁度いいかもしれない―――。
感謝の気持ちを受け取った佐藤―――。今回の出来事は”ふつう”の人になれるリハビリになっただろうか―――?
おみそさんへ、
1年休業、今現在3〜4ヶ月?!
ずっと見たいですファブル。
でもファブルの面白さは
世間に馴染めない天才殺し屋が一般社会で生活するところだと思うんで
休暇が終わってプロに戻った佐藤の生活を描かれてもいまいち面白くないと思うんですよね。
だから一年の休業が終わったら残念ながら漫画も終わるんじゃないですか?
もちろん、長く続いてほしいですけど。