要塞化した東京に侵入するために地下道を進む明達。
地下には聴覚で獲物を探す邪鬼の妙子がいた。
妙子に見つかり、走って逃げ出す明達。
あらすじ
明「あの狭い場所まで逃げ切るんだ!!」
邪鬼は入れないサイズの狭い通路を目指して走る明達。
逃げる最中、ネズミを助けた時に鮫島は懐中電灯を落としてしまう。
落下のショックで懐中電灯のフタがとれ、電池が飛び出てしまい、灯りは消えてしまう。
真っ暗になった中、なんとか懐中電灯とフタを拾う鮫島。
鮫島の腕を掴む明「みんな!! 近くの仲間の手を握れ!! 出口があった方向に全力で走るんだ!! 奴には視覚は関係ない!! 確実に狙われるぞ!!」
暗闇の中、走りだす明達。
足音の反響が変わったことで通路に入れたことを悟る明「みんな!どうやら出口の狭い場所に来れた。ここなら安全だ」
鮫島は替えの電池を出し、懐中電灯を点ける。
灯りがつき、周りを見渡すと勝次だけいない。
鮫島と精二は勝次を探しに戻りだす。
一方、はぐれた勝次は暗闇の中で身動きがとれずにしゃがみこんでいた。
勝次(ひいいいい 何も見えない!! 真っ暗で身動きがとれない!! 誰か助けて… 誰か!!)
しゃがみ込む勝次に迫る妙子。
感想
鮫島っ!!この義手に摑まるんじゃ!!
懐中電灯が壊れちまって暗闇になった。その中で明は「手を握れ!」ってお前…
義手のほうの右手で掴んでるじゃねェか!
こんな義手に感覚なんてあるのかァ? ガッと物を掴める義手なんて性能が超良すぎねェか? 中には仕込み刀も入ってんだぞ? こんな義手をあの彼岸島の近くの小島で作ったなんて隊長は天才科学者なのかァ? もしかして隊長が本土に来ちまったらすげェ兵器も作れるんじゃねェのか? 彼岸島という物資が少ねェという状況が天才科学者の隊長にはフタになっちまっていて、これだけの義手しか作れなかったのかァ? なるほど、サブタイトルの「フタ」にかかっていて良く考えちょる。
カッコ悪ィよ 兄ちゃんたち
大人は子供を守るもんじゃねェのかよ
暗闇になって勝次が
「ちくしょう なんてこった!!」
小学生のセリフじゃねェ!
「最高だよお姉ちゃん! いい嫁さんになれるぜ」とかホントに小学生なのかァ? 吸血鬼ウィルスが撒かれて、父親はさっさと殺されちまったし…母親の吉川(吉川は旧姓で山本ゆり子)は亡者になっちまったし… 母ちゃんとの約束で強く生きるために大人みてェな口の利き方になっちまったのかァ?
でも真っ暗な中で一人はぐれちまって泣いている勝次は子供だなァ… って大人でもこんな状況、超怖ェけど。今まで勝次は強がっていたってだけなのかァ。皆がいるときは気を張っていたのが、一人になって気持ちにフタをしていたのが取れちまって、抑えていた感情が溢れ出しちまったっていうワケかァ… なるほど、サブタイトルの「フタ」にかかっていて良く考えちょる。
救世主様ァ!!
我々を明るいほうへ導いてくだされ救世主様!!
ありえねェ! 暗闇の中で怪物に追いかけながら走って逃げてんのに、ピッタリ通路に入れるなんてありえねェ!! これは明が世界を救う者としての運命だからかァ? やっぱり明が救世主なのかァ?
一瞬も迷わずに勝次を探そうとする鮫島兄弟。明も何か言えよ! 黙ってんじゃねェよ!! それでも救世主かよ… 鮫島は前回も勝次を助けたし、精二はネズミを助けたのに… 明は助けねェのか? 吸血鬼ウィルスが撒かれて暗い世の中になっちまった今、世を明るく照らす救世主は明じゃねェのかよ… この真っ暗な地下道は、暗くなっちまった世の中みてェ。その中で怯える勝次を明るく照らして救うのは救世主である明じゃねェのか? この暗い世の中のフタを外すのは明じゃねェのかよ!!
松本光司様ァ!!
我々を面白い漫画へと導いてくだされ松本光司様!!
巻末コメント「映画が『マルタの鷹』を観ました。ハンフリー・ボガードが格好いい。個人的には『カサブランカ』よりこっちかも」
丸太を武器にする漫画を描くだけあってマルタとつく映画のほうに惹かれちまうってワケかァ? これも運命なのか…
でも今回の暗闇になったのは、漫画として手抜きなんじゃねェのか?
真っ暗にしてシルエットしか描かねェで済む手法をとりやがったな!
先生ェ「暗闇にして手を抜きたくなる
それが漫画家って生き物だろ」
仕事は手を抜いて、空いた時間で映画を観て漫画に役立てる。これが天才かァ… 展開にフタをせずにテンポよく続きを描いてくだされ!